2020.02.15.編笠山_西岳_周回

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穏やかな山頂でテンション最高潮!


<メンバー> toriya、パロ、やはてぃー、さっこ <コース> 富士見高原スキー場P (7:17)−編笠山(11:20〜11:46)−青年小屋(12:02〜12:35)−西岳(13:15〜13:42)−富士見高原スキー場P(15:28)


 位ヶ原山荘泊の乗鞍岳の予定が、メインの2日目が悪天候とのことで、編笠山日帰りに転進。八ヶ岳の南端にある編笠山は、それほど有名じゃないけど綺麗な円錐型で個性的な山。地形図を見ると等高線が見事な同心円!ああ、どんな地形なんだろう…。地形図大好きの僕は出発前から心を躍らせていた。
 車は一路八ヶ岳方面へ。朝日に輝く八ヶ岳連峰の端に三角錐の編笠山がちょこっと見えてきた。一番目立つ赤岳方面には行かず、敢えて端っこの低めの山を目指すというマニアックさが何とも愉快である。
 登山口は全く雪無し。隣のスキー場は夏山みたいな環境の中、意地の人工雪で崖っぷち営業を強いられていた。世間は記録的暖冬と言って騒いでいるが、大多数の人は暖かい方が好きで、本当に困っている人は、我々みたいな雪山愛好家か、ウィンタースポーツ関係者など少数派かもしれない。
そんなマイノリティー集団の我々は、雪を求めて樹海の中を登り始める。1時間程登ると雪ではなく、氷に覆われた登山道に。これが笑っちゃうくらい滑る滑る。ここぞとばかりにアイゼンを装着し、先程までの四苦八苦が嘘のようにサクサク登る。擬音的にも擬態的にもサクサクだ。

氷の斜面をサクサク登る。

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サクサクを楽しんでいるうちに、「臼久保岩小屋」という仙人が住んでそうな岩窟が現れた。中に入ってみると、薄暗い空間に透明な氷筍が輝き、自然のアート作品のようであった。

作品名:なんでやねん!

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岩窟でついやってしまうポーズ「支える」「登る」

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 その後は樹林帯の単調な登りとなったが、代わりにさっこさんはじめ皆さんから、カメラから野鳥観察、気象予報士についてまで、色々な話を楽しませて頂いた。独自の路線を追求する鈴ハイ会員が多いことに、驚いたり感心したりした。私は昔から鳥が好きなので、特にtoriyaさんの野鳥観察の話に惹かれた。登山という趣味の美点の一つは、楽しみ方が極めて多彩で、自分に合った楽しみ方を自由に追求できる所であると思う。花、樹木、野草、苔、動物、昆虫、地形、地質、気候、歴史、山岳宗教…、何年続けていても自分の知らなかった新たな知識と出会える。だから、他の趣味と違って続けるにつれ飽きるどころか、際限なく楽しみが膨らんでいく。
 展望無しの登りに散々我慢させられてきたが、山頂直下で突然森林限界に達し、ドカンと展望が爆発した。北、中央、南アルプス、御嶽、乗鞍、遠くに白山も、さらには間近に富士山までついてくる全部乗せのフルコースだ。どの山も真っ白になっているのは山頂付近だけだが、それが却って山頂部を浮き上がらせる効果となり、とても神々しい。さらには風も寒さも弱めで、最高に気持ちいい。ここからはもう皆さんテンションMAX。僕は何故か「ヒュー!」という欧米風のはしゃぎ声を出してしまい、その後じわじわと迫ってくる恥ずかしさに一人悶絶することとなった。

展望のビッグバンや~!

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テンションMAXでラストスパート

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案内標識もテンション高め

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 山頂ダッシュを強要する大学サークルみたいなノリの案内標識に困惑しながらも、あっという間に山頂に到着した。山頂も雪山とは思えないのどかさで、最高に贅沢な時間であった。編笠山のすぐ裏にはゴツゴツの権現岳と阿弥陀岳が聳えていた。厳つい表情で我々を睨んでくるその姿は、オラオラ系の強面オニーサンのようだ。あのオニーサンの一角に、同日に登っているはずの権現隊がいるかも。全身で呼びかけるも、遂にその姿を発見することは叶わなかった。

権現隊を探せ!

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遭難じゃあないですよ

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銭湯じゃあないです

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北アルプス全員集合!

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 後ろ髪を引かれながらも山頂を後にするが、我々のテンションが収まることはなかった。山頂直下にはちょっとした踏み抜き地獄が待ち構えていたが、逆に笑いに変えられるくらいの余裕で通過できた。特にパロさんは、新雪の中に急に突っ込んだり、寝転がったりで溢れる喜びを全身で表現していた。果ては、何故か持参してきたお気に入りの鈴ハイTシャツと一緒に写真を撮りまくり、結果、どういう訳か通販番組のセールスっぽくなってしまうという珍現象を巻き起こした。

踏み抜き地獄も笑顔で通過

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「さて!本日の目玉商品は…」

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鈴ハイTシャツの宣伝用画像にいかが?

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 西岳まで周遊した後は、南アルプスを正面に見ながらの下り。やっぱり北岳が一際かっこいい!

南アルプスを望みながら下る

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 下山後は温泉マイスターふみふみさんお勧めの源泉かけ流しの温泉「ホテル八峯苑 鹿の湯」へ。入浴後、ほっこりしている所に権現隊が合流。山頂では向こうも我々の姿を探していたようだが、発見できなかったようである。温泉を出ると正面には夕焼けに染まる南アルプスの大パノラマが!ん?鳳凰三山の隣にハンバーガーが浮いている…?toriyaさん曰くレンズ雲という天候悪化の前兆となる雲だそうだ。なかなか珍しい雲らしく、その姿を捉えようと皆さんカメラを取りに急ぐも、ものの1, 2分で完全に消滅してしまった。その形といい、挙動といい、UFOみたいな不思議な雲だ。その後は食べログで評判の「中村農場」という親子丼の店へ。よく考えるとtoriyaさんに鶏を食べさせるという鬼畜の所業だが、toriyaさんは野鳥と鶏は別物という柔軟な解釈を取られているようで一安心。それにしてもこの親子丼、感動級の美味しさである。皆さんも八ヶ岳に来たら是非!>

空飛ぶハンバーガー?

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飯テロどーん!

 今回の山行は、バチが当たるくらいに恵まれた条件であった。何よりもメンバー全員が自由な雰囲気で、自然体で山を楽しめている点が良かった。鈴ハイっていいな、と改めて思える山行となった。企画して下さったtoriyaさんはじめ、メンバーの皆さんのお陰です。ありがとうございました。

記)やはてぃー


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