大峰 南奥駈道(前鬼~玉置神社) 2019.11.02-04

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世界遺産を歩く


<メンバー>
たろー、なお、たばっち、こうじ、おりえ

<コース1日目>
前鬼ゲート(6:55)~小仲坊(7:30)~太古の辻(10:15)~天狗山(11:40)~嫁越峠~地蔵岳(13:30)
~涅槃岳(14:45)~証誠無漏岳(15:20)~阿須迦利岳(16:00)~持経宿(16:20)


 南大峯奥駈道縦走1日目。
 下山予定の玉置神社に車一台をデポしてから前鬼登山口に向かい、早朝から登山開始。

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前鬼のゲートからスタート

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前鬼宿の説明(鬼の子孫・・)

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小仲坊

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宿坊の裏から山に入る

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五鬼熊跡

 前鬼からの登山道はとても静かでいい雰囲気のだけど、なんと途中から階段地獄が始まります。なんと合計853段!
 急登をヒーハーいいながら頑張って登って行って、やっと南大峯奥駈道の分岐点、太古の辻に到着。ここからは展望のいい稜線歩きの開始で雲ひとつない晴天の中でみんなもテンション上がります!

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登りになってきた

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853段かあ

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数を数えながら登る

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紅葉がきれいだ

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青空と紅葉

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両童子岩

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もうすぐ稜線

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着いた~

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ここから南奥駈道

 南大峯奥駈道は、なかなか面白い名前のピークがたくさんありました。涅槃岳(ねはんだけ)、証誠無漏岳(しょじょうむろうだけ)、阿須迦利岳(あすかりだけ)。でもどのピークもちょっと地味で景色がほぼ同じ(笑)

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縦走スタート

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気持ちのいい稜線

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天狗岳

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ひたすら南へ向かう

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幅三尺だけ女性が歩けた?

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晩秋の小径

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こんな難所も

 ひたすらアップダウンが続く登山道にメンバーみんながちょっとうんざりしてきた頃に、とうとう本日のお宿、持経の宿に到着!持経の宿は無人小屋とは思えないような素晴らしい設備の小屋で、水場も歩きやすい林道沿いにあってとても快適でした。

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持経の宿

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これで避難小屋?

 この日の晩はキムチ鍋。お腹いっぱいになったところで快適に睡眠、のはずが、想定外の出来事で安眠できず…泣

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キムチ鍋

 2日目に続く。

記)おりえ


<コース2日目>
持経宿(6:10)~平治宿(7:05)~転法輪岳(7:50)~行仙岳(10:15)~行仙宿(10:50)
~笠捨山(13:20)~葛川辻(14:15)


 2日目の朝はスモークの中からの目覚め…。一緒に泊まったおじさんが夜明け前から何故か囲炉裏に薪をくべ始めて避難小屋の中が大変なことになってます。

 昨日の夜も換気をせずに火を焚いていたので私たちは窓を開けて寝たのだけど、そのせいで寒かったのかな?換気天窓のない小屋なので、一酸化炭素中毒に要注意。私はよく寝たけど、みんなはあまり眠れなかったようで不機嫌に出発です。

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余り眠れなかったなあ・・・

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さあ、行くぜ!

 私は一番歩くのが遅いので、置いていかれるのを防ぐために先頭を歩かせてもらいます。1/25000の地図は二枚目に突入しており、最初の目的地『平治の宿』までは1時間程度の予定です。ゆったりとした登り坂を越えて大きな御神木を見学して、歩きやすいなぁーと思っていたら少し急な下り坂になり、下りきったところに平治の宿が現れました。

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森の巨人達(こういうの好き)

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しばらく林道が平行に

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平治の宿

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中はこんな感じ

 少し休憩して今度は登り返しです。登りは苦手だけど、ここを登ったら転法輪岳です。ドラゴンボールに出てくる必殺技のような名前にてんぽうりんてんぽうりんと、唱えながら登ります。

 その次は倶利伽羅岳。くりからくりから〜。結構な急登で、鎖場も出てきました。私は左から高巻きましたが、直登したこうじさんとおりえちゃんは直登の方が歩きやすかったよ、と。

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雲海がきれい

 今度は激下りです。そんなにアップダウンは無い下りベースの道だと思ってたのに何だかえらい…(-。-;行仙岳への登りはノロノロに・・)。たろーさんから、そんなペースで貝吹金剛に何時に着くつもりやーと、注文が入りますがこれ以上早くは歩けません!(汗)

 何とか行仙岳によろよろと到着。すると、本日初めて人に会いました!早く登れる登山道があるようで、他にも登ってくる人がたくさんいます。そして、しばらく歩いていくと行仙宿に到着。たくさんの人がいて、小屋の整備をしてくれていました。

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行仙岳には人工物が

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行仙岳

 みんなは小屋のなかを覗いたり、整備の人(新宮山彦ぐるーぷさん?)とお話ししたりしていましたが、私は生命活動を維持するのに必死でしたので無言で休みました。

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行仙宿

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中はこんな感じ

 その後は鉄塔の整備を見学して先へと進んでいくと、またまたアップダウンの繰り返し。トレランの2人組に爽やかに抜かされて、どれが次のピーク笠捨山なのか、何度も現れる偽ピークに翻弄されトラバースの巻道は無いのか、尾根芯を外れると道を見失うのではとか奥駈道を繋いだことにならないのじゃ無いかとか、煩悩と戦いながらノロノロ歩いていると、たろーさんから提案が。

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笠捨山への登りが一番きつかった・・

 たばっち、ペースも上がらないし、今日は無理せず葛川辻までにしよう。

 私は遅いし、なおさんも筋肉痛ということで、2日目の行程を短縮することにしました。そうと決まればどれだけゆっくり歩いても許される!やったぜ!うぇーい*\(^o^)/*

 たっぷり休憩しながら登らせてもらいました。

 やっとこさで笠捨山に到着すると、たろーさんから事前に聞いていた情報(あまりの急登に旅人は笠さえも投げ捨てた)というのはガセネタで、「素晴らしい景色に笠を投げ捨てて喜んだ」というエピソードが書かれていました。しかもその人物が、平安時代に帝のお妃と熱愛スキャンダルを起こしたあの西行様です。

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笠捨山

 テンションも上がってきたところで、後は葛川辻まで下るだけなので、気楽に歩きます。下りは得意なはずですが、足が痛くなってきました。なおさんも同じようです。

 葛川辻に到着すると、テントを張った後がいくつかあり、整地してくれてあったのでそこを使わせてもらいました。私とこうじさんはツエルト泊です。トレッキングポールを使おうとしていると、たろーさんが木に細引を巻いて設営してくれました。

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葛川辻(植林の中・・)

 次は水を汲みに水場に下りていきます。水場こちら↓という案内に従って下りていくと途中から道が荒れ始めて、倒木の向こうに水場の看板が!そこまでたどり着くとすごい角度の尾根にロープが張ってもらってあり、崖下の水へ誘導してくれています。マジでここ下りるのか!!?というすごい角度ですが、何とかジャバジャバ出ているところにたどり着いて、たっぷりの水を汲み、そのほとんど(5㎏くらい?)をたろーさんに背負ってもらい登り返しですテントに戻りました。

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水場への道?

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こんな所に水場!

 夕飯はなおさんが準備してくれたパスタが美味しくて楽しい夜。風が強くてツエルトの中にバタバタと入ってきたけど、レスキューシートとシュラフカバーのダブル使いで3番のシュラフでも寒くもなく快適に眠ることが出来ました。

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こうじさんのツエルト

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みんなで食事の準備

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今日の献立

 明日は最難関の地蔵岳と槍ヶ岳!頑張るぞー

記)たばっち


<3日目:コース>
葛川辻(6:20)~地蔵岳(6:50)~香精山(8:10)~貝吹金剛(8:40)~展望台(12:30)
~玉置山(13:00)~玉置神社P(14:00)


 最終日3日目、夜中かなり風の音がうるさかったのでツエルト泊のたばっちとこうじさんが心配になりながら私はいつもの定位置三テンの真ん中、全然寒くなくむしろ暑いくらいでぐっすり眠れました。逞しいことにツエルトの二人も快適だったそうです。

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3日目の朝

 明るくなったところで槍ヶ岳、地蔵岳を目指し鎖場連続地帯を行きます。結局槍ヶ岳ピークはどこなのかわからなかったな…。

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あれが槍ヶ岳かな

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鎖場が続く

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ありがとうございます

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アトラクションは楽しい

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地蔵岳

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鎖場の下降

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腕力勝負?

 ここからは樹林帯の激下りが多く既に前日から下り筋をやられてた私はペースが上がらない。荷物を男性お二人にジャッカルしてもらいつつよちよちと下ります。

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靡(なびき)をたくさん見かけます

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貝吹金剛(本当にキャンプ適地?)

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これも変わった山名

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これも靡

 最後の玉置山への登りは絶妙な斜度と整備された道で風気持ちよく紅葉も楽しみつつ快適に頂上まで。やったー!って思ったらそこからまた神社まで激下り…もうええわっ!

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玉置山への登山道へ

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歩いたよね~

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車道の横を歩く

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風が気持ちいい

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展望台

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大峰奥駈道

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玉置山へ到着

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玉置神社への下り

 玉置神社は趣のある社でした。樹齢三千年の大神杉が社の裏にあり、そのとてつもない存在感に圧倒され感動…。三日間の締めくくりにふさわしいところでした。

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玉置神社

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巨杉

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ゴール(熊野本宮では無いけど)

 今回の南奥駆道は北よりマイナーな感じで人も少なく静かな山旅でした。前回はトラバースが多かったのですが今回は忠実にピークを踏んでいくルートで私のなまった身体にはアップダウンがなかなか厳しかったです。

 それでも三日間ずっと先頭でルーファイしてくれたたばっち、テキパキと美味しいチゲ鍋を作ってくれたおりえちゃん、三日間ずっと笑わせてくれたおそらく今回のMVPこうじさん、そしてやっぱりいつも頼りになるたろーさん、みんなのおかげで歩き通せました。

 ありがとう!

 私の大峰奥駆道旅も残り僅かになりました。少し寂しい気もしますが最後まで楽しんで歩き通したいと思います。

 記)なお

<リーダー追記>

 歴史を巡る山旅は沢やアルパインと並んで私の好きな山行スタイルです。南奥駈道は地味はエリアで会う人はトレランとほんの少しのハイカーのみ。おかげで静かな山旅が楽しめました。

 こんなマイナーエリアの山行に付き合ってくれるメンバーに感謝です。ありがとうございました。

 記)たろー

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