残雪の後立山縦走 2018.04.28~05.01 その2

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決死のトラバース?


<メンバー>
たろー、もっちゃん、つよっさん、ふみふみ

<3日目>
キレット小屋(6:15)~八峰キレット(6:35~8:00)~鹿島槍北峰南峰鞍部(11:00)~鹿島槍北峰(11:45)
~鹿島槍南峰(12:45~13:15)~冷池山荘(14:50)


 テントを出ると夜明け前の満月が剣岳を昼間の様に明るく照らしています。初日からずっと続いている晴天のおかげで今日も気持ちのいい山歩きが出来そうです。ただ、このすぐ上には核心の八峰キレットが待っているので準備体操にも気合が入ります。

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夜明け前 月が明るい

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今日は難所越えなのでしっかりとウォームアップ

 小屋を出るといきなりの急登と鎖場のトラバースにびっくり。良くこんな所に登山道を付けたものだと感心します。鎖が無ければ北鎌尾根より怖いですね。

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いきなり急登

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鎖が無いと歩けないね

 鎖場を超えるとすぐに八峰キレットに到着。下りのハシゴは雪で埋まっていたので事前の情報通り鉄杭を支点に懸垂下降します。大きなザックで大丈夫かな?と思ったけどみんなスムーズでした、さすが歴戦のツワモノ達です。

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杭を支点に

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キレットを懸垂下降

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慎重に

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この後、笑っている場合ではなくなった

 しかし、ここで大チョンボ。ロープを回収しようと引っ張ってみたけど降りて来ません。どうやらどこかで引っかかっているようです。残置する事も頭をよぎりましたがこの先も何があるか分かりません。意を決して右の雪壁を登り返します。

 ロープは案の定、結び目が鉄杭と岩の隙間に引っ掛かっていました(引っ張るロープを間違えたのかな?)。ロープをセットし直し2度目の度懸垂下降です。「最後の人が下りる前に回収可能か確認する事」大事な鉄則を忘れていました。

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2回目の懸垂・・

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スゴイ裂け目

 キレットを越えてもいやらしいルートが続きます。べったりと着いた雪壁をトラバースなど、距離は全然進んでいないのにえらく神経を使いました。

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こんな難所はキレットだけでは無かった

 高度を上げて行くと岩稜帯は終わり、北峰直下の緩やかな斜面をトラバースしていく事になります。もう難所は終わりかなあなんて歩いていたら、北峰と南峰の鞍部がすぐそこに見える所に最後の難所が待っていました。

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山腹をトラバース

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南峰と北峰の鞍部まであと少し

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余裕で歩いて行けると思ったけど

 何と目の前には急な雪面のトラバース。まずは私がカニ歩きで通過しましたが、雪が凍っていてアイゼンの前爪とピッケルのピックの先が掛るだけ。下は滑落したらどこまで落ちるかわからない斜面です・・・。

 何とか渡り切り後続にはロープをFIXする事にします。その後、怖がるふみふみさんをなだめたり、叱ったりしながら何とか通過させます。最後の最後でどっと疲れてしまいました。

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取り合えず通過

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決死のトラバース

 幸い難所はここで終わり、鞍部にある登山道にたどり着いた時には力が抜けてへたり込んでしまいました。

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やっと安心地帯に入る

 休憩して落ち着いて来たので北峰に登ってみます。五竜岳から延びる稜線、カクネ里の氷河、そして冬のバリエーションコースとして有名な鹿島槍東尾根を覗いてみます。(いつか歩けるかなあ。)

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カクネ里の氷河

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南峰(鹿島槍)

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ちょっと東尾根を覗きに

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いつか歩けるかなあ

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北峰で記念撮影

 たっぷり景色を楽しんだら鹿島槍(南峰)へ向かいます。途中、東斜面をボードで滑走するクレージーボーダーにも出会いました。世の中にはすごい人がいるもんです・・・。

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南峰(鹿島槍)に到着

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全員で記念撮影

 実は鹿島槍はこれで3度目だけど、これだけ景色が見渡せたのは今回が初めて。やっぱり雪のアルプスはきれいだなあ。頂上でのんびりしていたら薄雲が広がってきて寒くなってきたので冷池山荘に向かう。

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冷池山荘はすぐだった

 冷池山荘のテン場は夏とは違って小屋のすぐ脇で張る事が出来ました。テントは5~6張り、小屋泊のお客さんもそれほど多く無いみたいで、ビールを買いにいったら小屋番の人が愛想よく相手をしてくれました。

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カンパ~イ

 暗くなる前にテントで夕ご飯。最終日の今日はふみふみさんのカレーで暖まります。みんな疲れているのか、お酒も進まずすぐにバタンQ。

 今日はいろいろあったけど無事に終わってほっとしました。みんなお疲れ様でした。

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ラストナイトはカレーで

記)たろー

つづく

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さらば鹿島槍


<4日目>
冷池山荘(6:20)~爺ヶ岳(7:40)~爺ヶ岳南尾根~柏原新道登山口(12:00)~扇沢駅(12:20)~(バス)~信濃大町
~(JR)~白馬~(バス)~八方スキー場


5月1日、4日め。
冷池山荘での快適テント泊から爺ヶ岳〜爺ヶ岳南尾根〜扇沢コース。
360度の絶景の中、今回の縦走を振り返り、名残惜しみながらの最終日となりました。

荷物が重くて無口の1日め。
岩稜で緊張の無口の2日め。
氷の急斜面が最大に怖かった3日め。
そしてゆとりある感無量達成感満載の4日日めでした。

多くの経験をし、感激の3泊4日でした。
そして今回は+α「扇沢からの旅」がウキウキワクワクの楽しい時間でもありました。

JR大糸線を利用して、信濃大町駅から白馬駅まで2両編成の「ワンマン列車旅」。
名古屋育ちの私は本当に楽しくて仕方のない時間でした。
列車の1両目のドアからのみ自らボタンで開け閉めして乗り降りします。
40分の車窓からは縦走してきた残雪の山並みの白色、木崎湖や青木湖の青い色、まだ桜が咲いていた桃色、広〜い菜の花畑の黄色、そして新緑の緑色を眺め、田園風景に癒され、、、、「なんて素敵な時間」と子供のようにはしゃぎたかった気持ちを一生懸命抑えながら、、、それでも楽しくてソワソワしていた私は笑みが溢れる時間となりました。

温泉は白馬で源泉かけ流し「倉の下の湯」でじんわり身体を労わりました。

GWの残雪縦走旅はこれからも続けて行きたいです!
たろーさん、つよっさん、もっちゃん、ありがとうございました!!

記)ふみふみ

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テン場の朝

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鹿島槍(何度も振り返ります)

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つよっさん、決まってる

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剱岳も見納め

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感慨にふけるリーダー

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みんなも名残を惜しみます

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本当に見納め(くどい?)

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全員で記念撮影

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残雪期専用の道

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針ノ木岳

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まだ雪があるところは涼しい

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扇沢が見えた

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やっと到着

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下山しました

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扇沢バスターミナル

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クロヨン名物ダムカレー

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小糸線に乗って

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ウキウキワクワク

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田植えが始まっている

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白馬駅

終わり

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