<メンバー>
ita、とー、aya、Yさん(一般)
<コース>
4/29 晴れ後雪、雷
土岐IC6:30~9:00沢渡駐車場~10:00上高地 小梨平キャンプ場 泊
4/30 晴れ
出発5:15→岳沢登山道→6:22.7合看板→8:30ナイフリッジ→10:15.2500台地10:40
→11:10Ⅴ峰山頂11:35→2500台地→13:00前明神沢降り口→14:40岳沢登山道合流→15:30上高地
突然の黒雲と降雪、ミゾレと雷鳴に襲われた上高地のキャンプ場。
しかし早々に停滞を決め込んでいた我々はテントの中でまったりと夕餉を楽しんでました。
昨年から、企画上がっていたバリエーションルート、明神岳~前穂高岳を叶えるべく日程調整してましたが、連休初日の土曜日 寒気が南下してた事も有り、数日前にの積雪に合わせて穂高は真冬の様相。
多くのパーティが山行中止する中、尾根沿いに最短ルートで登れ、標高もやや低い明神Ⅴ峰を狙う事にします。
木曽からのアプローチ、立派になった沢渡中駐車場にてタクシーに乗替え。
4人+大荷物のザックにもにこやかに対応してくれる運ちゃんに好感を持ちました。
連休初日で、どれほどの客が入ってるか心配でしたが、事前の悪天予報が効いてるのか、観光客も登山客も疎らで拍子抜け。
午前中に小梨平でテントを張った後はもうヒマ暇で、ビジターセンター寄ったり、明日の登山口の下見したりと完全に観光客風情で過ごしました。
テントに戻った後、まだ歩き足りないayaさんを明神池に見送り、残った3人でテントでグダグダと日頃の疲れを癒します。
2時を過ぎた頃、予報通りの突風とミゾレが吹き荒れ、外を覗き見ると周りは真っ白に。
カミナリも鳴ってきた頃、急いで戻ってきたayaさんを向かい入れ宴会モードに。と言ってもお酒は自分だけでしたが。
手際の良いayaさん。今後の食当も期待です。
一般参加の元会員Yさんは在籍中、バリエーションルートに興味持つも、私の都合が合わず心残りでしたが、今回ようやく御一緒出来、互いの近況報告で話が盛り上がりました。
翌朝は快晴。
テントは張ったままでの、出発。とーさんはサングラス忘れて心配しましたが、半日ぐらい何とかなるとの事。
全員確認しましたが忘れ物見当たらず、ホッとしました。
岳沢は登山口からチラホラ積雪有り。 尾根にどれほど積雪有るのか心配になる。
他のパーティと抜きつ抜かれつし、尾根分岐の7号看板に1時間程で到着。
ここからまず800mの標高差を激上りします。
最初の1時間程は雪が出たりでなかったりで、アイゼン無しで。
途中から樹林帯ながらかなりの急傾斜の雪壁となる。まだ雪は固くアイゼンピッケルが良く効く為、登るには快適。
ayaさん、アイゼンがガタつくとぼやいてる。岩尾根やアイスバーンでは致命傷になるので踵のアジャスターを締め上げる。
私は残雪期用に少しキツメサイズ、軽量の冬靴を投入しましたが、非常に快適に登れました。
分岐から2時間程で主尾根に合流、それと共に両側切立ち、岩+氷結部も出て、メンバーに緊張走ります。
ナイフリッジ帯に入りました。
ここからはとーさん絶好調、小さい体を上手に使ってズンズン登って行きます。
樹林のおかげで高度感はあまり感じませんが、結構長い距離続きます。300m程有ったかな?
傾斜も増して、fixロープも出てきますが、足やザックに絡みつきかえって邪魔かも?
ここで途中抜かれた4人パーティに追いつきます。
大事を取って初心者にロープを出してるので、一声掛けて抜いていきました。
その直後、事件が・・・
ayaさん リッジ通過中にスマホで撮影始めたので、危ないから、片づけてと指示。
ところが20m程進んだ所で、「落としたらしく見当たらない!」との事。
リッジ上には見当たらず、前明神沢側に落ちて行ったらしい。
諦めると言いつつ諦めきれない表情に探索続行。
遠目に沢上を探ると、微かに雪上に転がった跡が・・・その先に小枝の様なシルエットも見える。
尾根の切れ目より雪渓に降り立ち、近付くと見事有りました。
喜んだのもつかの間、今度は荷物を降ろし始めた彼女に、「後にして!」と叫んだ瞬間、カメラの入ったポシェットごと今度は明神南沢側に転がっていきます。リッジの縁ギリギリで運よく止まり何とか回収。
貴重な体験を繰り返す新人さん。今後に必ず活かしてほしいと・・・今だから心穏やかに言えます。
残りのリッジ帯はますます傾斜が上がり、途中の雪稜では足の幅分程の所も出てきますが、みなさん怖がる様子も無く楽しむ余裕も。
リッジ帯が終わると、また雪壁登りが始まります。
森林限界も抜けて、向かいには西穂高、北側には穂高、後方には霞沢、乗鞍、焼岳に囲われてます。そして眼下にはスタートした上高地が股の間から終始見える様になってきました。
元気なずみさん先頭、荷物重過ぎのYさんややお疲れモード?若いayaさんは疲れが見えません。
急登も終息点が見えてくると、いよいよ今回唯一の癒しポイント、2500m台地です。
雪たっぷりの雪原が広がり、縁にはかつて泊まったテント適地が点在してます。強くなった西風もここは防がれ、5時間ぶりにようやくの休憩です。
正面には、威圧感の有るⅤ峰が我々に覆いかぶさってきます。
ここまでの行程は順調とはいえ、引き返しリミットまであと30分程。
帰路を思うと余裕は有りません。
記憶を辿りながら最短、最速ルートを探りながらルート指示。雪の付き具合が少ないのと、だいぶ緩んでる事も有り、岩重視でアイゼンは外してのトライ。とーさん、上手にピッケル使っての岩登り。いつの間に覚えたのかな?
中央部の岩稜帯は避け、左側のハイマツ帯、弱点を狙いますが、所々3級の岩場が出てきて楽しめます。
強くなった西風に煽られながら、何とか山頂に到達。
思わず歓声が上がります。
主稜線の先には、明神岳Ⅳ峰~Ⅰ峰までが見渡せ、思わず足を進めたくなりますが、それは次回のお楽しみとして、とりあえずの撮影会。
山頂に刺さってる色褪せたピッケルが良い味出してます。
なごり惜しくも、眼下にゴールの上高地を見据えながらの下降に移ります。
山頂直下の下りは、苦手そうなayaさんにロープ出し、場慣れしてるとーさんとYさんは先行でずんずん行きます。
2500台地で再び大展望を満喫した後、問題のナイフリッジ岩稜へ。
先ほど、スマホ拾いに降りた前明神沢、弱層も無さそうだし立木も多い。
雪崩れに一応用心して、左岸際を下降する事とした。
アイゼンの効きは悪いので、傾斜緩むまでは2人2組のスタカットで。
とーさん、ayaさんまず降ろして、立木を周ってビレー体勢をとってもらう。
荷物重いYさん、いきなりド派手にスリップ!回転しながら落ちてくる。
ビレーしてたとーさんに声掛けて確保体勢。見事止めてもらえました。
立木が無くなったらアックスビレイかなあ~と5~6ピッチも降りたら傾斜が緩くなり、快適に歩けるように。
ayaさん、氷雪訓練で慣れたのか実に安定した足取り、私もスリップも止めてもらいました。
下降初めて1時間ちょっとで岳沢道が見えてきました。やはり雪渓下降は早い!
あっけなく現れた一般道との合流点にて記念写真。ホッと一息です。
温度は急上昇して、シャツ一枚での下山となり、山頂付近での強風による寒さが嘘みたいでした。
今回は、メンバーの理解も有り、たった一日の晴天を捉えて、高峰にチャレンジする事が出来ました。
また、登頂したとはいえ、個々の課題も多く見つかり、実りある山行だったと思います。
ほとんど休憩無し、10時間を越える山行を共にしてくれたメンバーに感謝です。
次の機会には、是非前穂まで縦走したいと思いました。
ita
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