紅葉の鈴鹿セブンマウンテン縦走 2025.11.01-03

鈴鹿の紅葉、存分に楽しみました。

<メンバー>
たろー(L)、ふみふみ(SL)、りー、パロ、すがちゃん

<コース>
11/1:
鞍掛峠(6:00)~藤原岳(11:00)~竜ヶ岳(15:40)~石榑峠(16:40)
11/2:
石榑峠(6:00)~釈迦ヶ岳(9:30)~根の平峠(13:00)~御池鉱山跡(16:00)
11/3:
御池鉱山跡(6:00)~杉峠(6:15)~雨乞岳(7:00)~御在所岳(10:00)~鎌ヶ岳(12:00)~入道ヶ岳(17:00)~二本松登山口(18:50)


<山行記:すがちゃん(記)>

◆1日目◆
11/1-3はもともと南アルプスの縦走を予定していましたが、そちらは天候に恵まれず比較的天候のよさそうな鈴鹿に転進しました。
ただ、鈴鹿も初日の午前は雨予報が出ており、登山口の鞍掛峠は小雨がぱらつき、コンディションは今一つ。天気は回復する予報だったので、今だけ我慢と思い上下レインウェアで出発しました。
朝霧の中歩いていくと、鈴ヶ岳の山頂では強い風とあられに見舞われ、景色を楽しむ暇もなく樹林帯に逃げ込みました。まさか今シーズン初の雪(?)をこんな形で味わうことになるとは…
ただ、今思えばこの悪天はこの山行の試練のほんの幕開けに過ぎなかったのであります…御池岳のピークも通過する予定でしたがこれは断念して藤原岳へ向かいました。

途中の道でさるなし(?)の実をかじってみたり、日本猿の群れに出会ったりしながら藤原山荘に到着しました。中は登山者で盛況で、我々も後の行程に備えて休憩ました。結構冷えていたので、魔法瓶にお湯を入れてきてよかったです。そしてセブンマウンテン1つ目のピーク、藤原岳に到着しました。

一つ目のピーク!

藤原岳からドロドロの急なくだりを通過すると天気が少し良くなってきて、景色を楽しむ余裕が出てきました。
藤原岳と竜ヶ岳の間の稜線は歩いたことがなかったのですが、特に静ケ岳のあたりの池が気に入りました。紅葉と静かな池の作る雰囲気がとてもよかったです。一人で来ていたらその場にとどまって小一時間はボーとしていたと思います。
正直なところ当初、この山行のモチベーションはトレーニングが主で、楽しみをそんなに期待していませんでしたが、今回の鈴鹿縦走では高山と違い、稜線まで樹林帯が続いている低山で紅葉のトンネルをくぐって縦走していく楽しさを発見できました。

静ヶ岳のあたり。紅葉と池が良い景観を作ってました。冬に再訪したいです。

竜ヶ岳のピークは風が強いイメージがあり、朝から悪天に見舞われた我々はかなり警戒しておりました。視界に入ってきた山頂には何人か人がいるのが見え、無事に通過できるかなーと思われましたが、小雨が降りだし一度脱いだレインウェアを着なおす羽目になってしまいました。さらには、竜ヶ岳が近づいてくるにしたがって雨があられにかわり、強い風がこれをレインウェアのフードにたたきつけてバリバリと音を立て始めました。天気悪いのは午前だけの予報だったのに。。。
何とかたどり着いた山頂は余韻に浸れるような状況ではなく、早急に写真撮影して樹林帯へ避難開始しました。
石榑峠へ向かう道もドロドロで尻もちをついたり大変でしたが、重ね岩という岩のあたりまでくるとようやく風も落ちついて一息つけました。

竜ヶ岳が見えてきたところ。この時は小雨でしたが風はなく、平和でした。
強風・あられ(雹?)の竜ヶ岳山頂。経験上最悪の天候でした。

1日目の行動を終えてテントを設営できましたが、結構寒かったです。過剰な装備かと思いましたが、ダウンジャケットを持ってきたの我ながら良い判断でした。シュラフは夏にも使っているものだったので、ダウンジャケットを着て寝てようやく快適なくらいでした。この夜は11/4にお誕生日をひかえていた、たろーさんのためにふみふみさんがケーキを用意されて誕生日パーティーを行いました。ご相伴して頂いたケーキの甘味が疲れた体にしみました。。。ふみふみさんありがとうございました。

たろーさん、おめでとうございました!まさかここでケーキが食べられるとは。

◆2日目◆
疲れが少しありましたが夜はほとんど目が覚めず眠ることができました。
翌朝、寒い中雨(朝露?)で濡れたテントを片付けるのが結構大変で、防水手袋を持ってきていなかったらやばかったです。
この日は比較的天気がよく、雲海を眺めて、木漏れ日の中を歩いていくのは気分がよかったです。三池岳の周辺は今回の山行で見た中でも特に濃い赤に色づいた紅葉が広がっていました。
釈迦ヶ岳に近づいていくと人通りが増えてきて、セブンマウンテン全縦走なんですよすげーだろ感を出しながら進みました。

釈迦ヶ岳のピークは大変盛況で多くの登山者や登山犬と出会いました。ここから次のチェックポイントの根の平峠までかなり距離があって時間がかかったのと、荷物の重みでまあまあ肩が痛くなってきていて、軽快に走っていく犬がうらやましかった(?)です。

3座目の釈迦ヶ岳。この日に通るセブンマウンテンはここだけ。
名物の地上絵。この辺りはザレザレで歩きにくかったです。

根の平峠で昼食をとり、千草街道へ入りました。ここは歩いたことはおろか聞いたこともなかったのですが、滋賀県まで通じるこの街道は、昔は多くの人の行き来があり、織田信長も通ったことがあるそうです。
集落の跡や、住んでいた方が大事にしていたらしい杉の大木などを教えてもらって、史跡巡りみたいな感じで楽しかったです。登山でこういう昔の人の行き来や生活を感じることは今までなかったんですが、知識を持っていればもっと山を楽しめるのかもしれませんね。
道も街道跡というこで比較的平坦で歩きやすいし、渡渉のあるコクイ谷出会いの辺りは人通りも少なく、沢の音が気分よくてとても気に入りました。
とはいえ2日目の行動も終盤で疲れがそこそこ出ており、終盤はまだ着かないか、まだ着かないかと思いながら歩くマシーンになったつもりで進みました。

根の平峠から2時間ほどで御池鉱山跡までやってきました。ここは最盛期には300人ほどの人が住む集落だったそうです。今は登山をする人もそうそう立ち寄らないほどの奥地だと思いますが、いきなり立派な石垣や割れた茶碗など、人の暮らしの痕跡がでてきてなんだか不思議なような、怖いような感じがしました。
そしてこの日、御在所の本谷に行っておられたゆうさん夫妻と合流できました。なんだか知っている人に会ってすごく安心しました。2日目で疲れもだいぶあったので、もうほとんど遭難者の心境になっていたのかもしれません。

ゆうさん夫妻と合流!なんだか一安心。

◆3日目◆
2日目は夜中に一度雨が降って起きてしまいましたが、幸いすぐ止んだようでした。鹿はずっと鳴いてましたが。
3日目の朝はヘトヘトのボロボロでスタートかと思っていましたが、体が慣れたのか、ランナーズハイ的なものなのか、ゆうさん夫妻にもらった豆料理が効いたのか3日間で最も体のコンディションは良好でした。
ただ、天候のコンディションは悪そうで霧の中を雨乞岳へ向かう途中で風とあられに襲われてしまいました。
以前登った時は東雨乞岳から琵琶湖がよく見えて、お気に入りのスポットだったのですが今回の頂上は残念ながら真っ白でした。ただ、以前見損なった雨乞いの池を確認できました。

4座目の雨乞岳。霧でよく見えず、いつの間にか着いてました。

雨乞岳山頂付近では風にあられにひどい目にあわされましたが、御在所岳の方向に下っていくと天気が回復していきました。途中の晴れ間で霧の向こうに見えた紅葉が見事でしたが写真ではなかなか伝わらないですね。。。
紅葉を見たり、なめこがないか目を光らせたりしながら進んでいきました。

沢谷峠からは御在所岳を目指して薄い踏み跡をたどって登り返しを始めました。結構な急登も大変でしたが、またしても風と雨が始まってしまいました。おそらく、一定の標高の上では天候が悪くなっており、降りたり、登ったりすることで天候の良い所と悪い所を行き来していたのですかね。山は天候が変わりやすいと言いますが、ここまで極端に天候が乱高下したのは初めてです。
そして御在所岳の御嶽大権現の横に飛び出し、近くの東屋に荷物をデポして御在所岳のピークに着きました。天気が悪い割には登山者が多かったです。直前に御在所の紅葉がSNSで宣伝されていたからかな。
しかし、やはりここも風が強く早々に荷物を回収して武平峠へ向かいました。

5座目の御在所岳。やはりここでも風が強い!

武平峠への下りでは今回の山行の中でも特に強い風に見舞われ、体が振られて歩きにくく、レインウェアを着ていても体温が奪われる感じで、撤退の選択肢すら頭によぎりました。
武平峠まで降りると風はほとんど止みましたが、登り返すとまた風が出るかもしれず、ここで撤退するか、進むかの相談をしました。自分は客観的には撤退すべきと思いつつも、ここまで来たらセブンマウンテン制覇したいとも思っていました。
結果としては鎌ヶ岳まで行ってダメそうなら武平峠へ引き返しすことにしました。それほどにここでの風雨はやばかったです…
幸い、武平峠を鎌ヶ岳側に登ると先ほどまでが嘘のように青空が見え始め、滋賀県側も琵琶湖まで見通せるほど天候が回復したので、やばい雲はおそらくもう来ないだろうということで鎌ヶ岳以降も続行する判断ができました。登り返しはきつかったですが、ちょうど正午頃、久々に青空のもと頂上で景色が楽しめました。

鎌ヶ岳側は天気が良かったです。久々の青空に安心。
6座目の鎌ヶ岳。珍しく青空!

鎌ヶ岳山頂では落ち着いて昼食をとることができましたが、自分はここで食料が尽きてしまいました。毎日10時間以上行動しているので、この時間に応じた量を考えるべきでした。失敗、失敗。ここから見ると入道ヶ岳まで近く見えるたのですが、まだ4~5時間くらいかかるということで、ピンチになったら行動食を分けてもらおうと思いつつ出発しました。鎌尾根は天候がよく、いい気分で歩けました。ふと振り返った鎌ヶ岳の紅葉も見事でした。一人で登山をしていると、ついトレーニングの気持ちになってずんずん進んでしまうのですが、今回は紅葉や奇岩など見どころを教えてもらいながら楽しんで歩けました。

青空に紅葉が映える鎌尾根。本山行で一番の天気だっと思います。
鎌ヶ岳を振り返ると岩々しい山肌に紅葉がきれいでした。水墨画とかでありそう。

入道ヶ岳へ向かう道は何度も登ったり下ったりで、見た目以上に距離があるように感じました。だんだん道脇の看板に「入道ヶ岳」の文字が入るようになり、何度も「これが最後の登りか!?」と思っては裏切られましたが、17:00前についに入道が岳の鳥居が見えてきました。最後まで容易には進ませてもらえませんでしたね。
「先に行っていいよ」と言われ、そんなに余裕はなかったのですが、歩を速めて一番乗りで最後のピークを踏ませて頂きました。
実は一年半くらい前、会社の友達に頼んで初めての登山でこの入道ヶ岳へ連れて行ってもらいましたが、まさかこんなにパワーアップして再訪することになるとは思っていませんでした。
入道ヶ岳のピークも風が強くてみんなで余韻に浸れるほど長居はできず、早々に頂上から脱出しました。

7座目の入道が岳!歩き続ければ着くもんですね。風がやばいけど。
全員無事に歩きとおせてよかったです。

あとは下るだけだから余裕だろうと思っていましたが、最後の下りも膝が痛くなるし、とても長く感じました。縦走中は下りが始まるとむしろやったぜ!って感じなんですが下り続けるのも地味に大変ですね。ヘッデン下山で視界も悪いし、ここまで来てケガしてはならんと一歩一歩踏みしめて無事に下山できました。


今回の山行はなかなかハードでしたが皆さんずっと笑顔でお話ししながら歩いていてすごかったです。
一人だったらかなり悲壮感に満ちた山行になったと思います。
鈴鹿セブンマウンテン縦走は初めてで、ちょくちょく振り返ると数時間前まで自分がいたピークがはるか後ろに見えて、「俺ってこんなに歩けるんだなぁ」と自信になりました。
また、縦走でないとなかなか訪れない良い場所も教えてもらえてよかったです。
特に静ケ岳のあたりはまた行きたいと思います。あと千草街道からの御池鉱山跡も歴史が感じられて魅力がありました。

今回転進で急遽ながら企画して頂き、名所・歴史を教えてくれた、たろーさん、たくさんお話して写真を撮ってくれたふみふみさん、一緒に歩いてくれたりーさん、パロさんありがとうございました。
冬も頑張ります!


<メンバー感想>

◆ふみふみ
鈴鹿セブンマウンテンを5人で参戦!
初参戦のりーちゃんとすがちゃんが達成出来る喜びを分かち合えたらと思いながら、雨にも負けず風にも負けず、頑張りました!やはり仲間がいると心強いです。
2日めのテン場でユウさん夫婦が待っていてくれたのもとっても嬉しかったです!
焚火もあって沢泊の時のようにリラックスできました。ありがとうございました!
今回の教訓は身体を濡らさない事、冷やさない事。
ロング縦走もこれからの山行にとても良いトレーニングとなりました。ありがとうございました!

◆りー
気象状況は、ハードモードでしたが、鈴鹿7マウンテン 一気に歩けて良かったです。
ハードモードのおかげで、色々と良いトレーニングになったと思います?? 高い山に行けない時は、鈴鹿ですね♪

◆パロ
一年ぶり以上の複数泊テン泊縦走。
まさかのハードコンディション。自分の装備不良もあり石榑峠の撤退も!?完歩できるか不安でしたが、皆さんの叱咤激励や気遣い、笑わせてくれたり(リエザップで腹筋鍛えれた)したおかげでなんとか歩ききれました(涙)
初日にはたろーさんのプチバースデーパーティーが開かれ、雨に打たれ冷えた身体でしたが心が暖かくりました♪
2日目はしんどかったけどゆうさんご夫妻のサプライズお出迎えに癒され、3日目も爆風や雨であわや撤退かもでしたが、晴れた紅葉の西鎌尾根には癒されました!
二度目の鈴鹿7mtでしたが、経験値がアップができたかな!

◆たろー
10年ぶりの鈴鹿セブンマウンテン縦走。7つのピークのうち、4つで雨に雨に降られるハードモード、おまけに鞍掛峠からのスタート(は余分だった・・)。何とか歩き切れたので自分で自分をほめてやりたいです。
最初はトレーニングのつもりで一人でも歩こうかなと考えていましたが、一人だったら藤原岳に辿り着く前に撤退していたと思います。石榑峠での誕生祝い、御池鉱山跡での焚火などこころ温まるイベントもあって力をもらえました。やっぱり仲間で歩くっていいな。

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