<メンバー>
たろー、なべちゃん、いさお、りー、miu
<コース:1日目>
大台ヶ原P(7:00)~尾鷲辻(7:35)~白崩谷下降点(8:30)~白崩谷~白崩谷出合(13:50)~東ノ川本流~中崩谷出合(17:40)泊
当初は7月に雨で流れた堂倉谷で初級者向けの沢泊の予定。しかし、ふたを開けてみれば参加者は経験者ばかり。それならばと、ちょっとレベルを上げて東ノ川本流に行ってみる事にしました。ここは10年以上前から行きたいと思っていた憧れの沢です。
行程が長いので大台ヶ原Pには早めに集合。7時に出発します。この時点で既にたくさんの車が停まっていました。
大台ヶ原周回遊歩道を30分程歩くと尾鷲辻。東屋の横の踏み跡を辿ります。尾鷲道に入ると少し荒れた感じにはなりますが、所々に道標があるので迷う事はありません。堂倉山の南側をトラバースし、白崩谷の最低鞍部から適当に谷に降りていきます。
最初は不安定なガレ沢を下って行くとそのうち水が流れ始めます。谷はだんだん大きくなり、やがて20mの滝に行く手を阻まれます。ここは左の枝谷から簡単に巻けました。
その後は巨岩の迷路のようになるので、右往左往しながら下って行きます。暑いので水を浴びてクールダウン。懸垂は不要。
途中、りーちゃんが足を捻ってしまい、撤退の2文字が浮かびましたが何とか歩けるという事で遡行継続します。水は一旦伏流しますが、その後復活。下流部は泳ぎやスライダーを交えながら楽しく下れました。予定より1時間程遅れて東ノ川本流に到着です。
ここまで来たら後は進むしかありません。中崩谷を目標に遡行開始です。最初は普通の穏やかな谷。水量もそれほど多くは無いので安心しました。
と、思ったのも束の間。すぐに家かダンプカー程もある巨岩が行く手を塞ぎます。巨岩の上を行くのか隙間をすり抜けるのか、ルーファイ能力をフル動員して進みます。何だか巨人の国に迷い込んだようです。
谷の傾斜が増して来ると谷中を進むのが難しくなってきます。時間が押しているのもあるので、右岸も巻き道を積極的に拾っていく事に。滝も出てきますが名前とか、もうよくわかりません。
巻道には所々テープもあり、さすがメジャー沢だなって感じ。踏み跡もうっすらありルートは比較的わかりやすかったです。途中、飯場跡や石組みの道の痕跡もあり、こんな山深い所での人の営みには毎度驚かされます。
位置的にはそろそろ中崩谷の出合い、という所まで進んだのですが、谷が巨岩で埋め尽くされているので対岸の支流までは見通せません。ここかな?という所で谷に降り、泳いで探りに行きますが行き詰って再度巻きなおす事2回。17時を回ってやっと中崩谷の出合に到着しました。
出合に着いたものの、相変わらずの巨岩帯でテン場なんてあるのかなと思いましたがさすが多くの記録で泊まっているだけあって快適そうな平坦地が見つかりました。早速タープを張って薪を集めて焚火を起こします。
今日はおつまみが多く、ごはんを食べる前でにお腹がいっぱいになってしまいました。夜中にトラブルがあって私といさおさんは起こされてしまいましたが他の3人は何も知らずにすやすや。いい気なもんです。
夜中の1時にトラブルは収束。明日はキツイ登りが待っているのでとっとと眠る事にします。幸い、虫の攻撃はありませんでした。
<コース:2日目>
中崩谷出合(7:15)~地獄釜滝(7:30)~西ノ滝下(12:10)~シオカラ谷~東ノ滝(16:40)~シオカラ橋(17:30)~大台ヶ原P(18:25)
夜中のドタバタのおかげで若干寝不足ですが、5時起きの7時出発。いきなり大蛇嵓の数百メートルの断崖を見上げながらのスタート。ちょっと風景が日本離れしています。
15分程で地獄釜滝。スラブを流れ落ちる白布のような滝です。左岸から容易に巻けました。
ここからはいよいよ核心の巨岩帯。弱点を見極めながら進んでいきます。もっと苦戦するかと思いましたが、行き詰まって引き返すケースは殆ど無く、ルーファイも上手く行きました。ここではお助け紐が大活躍。
1か所微妙な箇所があったので空身で登って後続はロープで確保。技術的な難所はここ位だったかな。
それでも進む速度は1時間に1kmくらい・・恐るべし巨岩帯。やがて目の前に谷を完全にふさいでいる超巨大チョックストーンが現れます。もう何だか遠近感がおかしくなってきます。
左岸の隙間を潜ったという記録も見かけましたが今は塞がって通過出来ない様子。同じく左岸のルンゼから巻き上がりました。残置ロープもあってルートになっているようです。
谷が大きく右にカーブすると急に景色が広がり、西ノ滝、中ノ滝が遠望できます。この時点でまだお昼前。順調です。
昼食休憩をとった後、西ノ滝のすぐ傍を歩いてシオカラ谷に向かいます。青空から落ちて来るような巨瀑に思わずあんぐり・・。
傾斜が急になって来ると谷はシオカラ谷に名前を変えます。ここは過去に3回ほど遡行しているのでもゴールも近いのかと勘違いしてしますが、ここからが本格的?な沢登りが始まります。
これまでは秋に来ていましたが、気温も高いので水線近くを濡れながら進みます。左手には千石嵓の大岩壁が聳えています。
しかし、ここまでのハードな行程に疲労の色が濃くなってきます。思うようにペースが上がりません。帰り時間を気にしながら高倉滝は左岸から巻き、そして東ノ滝も少し戻って左岸のルンゼから巻き上がります。
滝見道を少し歩くとナメが現れ、ようやくフィナーレ。シオカラ橋の前で記念撮影をし、ハードな遡行を〆ます。
ただ、シオカラ橋から駐車場までの道がきつかった・・。気分的にはすっかり終わったつもりなのにまだまだ登らなくてはいけません。大台ヶ原の駐車場に着いた頃には日がすっかり傾いていました。
10年以上前から目標にしていた東ノ川。今回、思い立って挑戦してみましたが、思ったよりもスムーズに遡行出来て大満足。数百メートルの大岩壁に囲まれた巨岩の谷はまるで巨人の国で沢登りをしているようでした。やっぱり初見の沢はいいなあ。
参加の皆さん、ありがとうございました。
記)たろー
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