南紀 黒蔵谷から高山谷周回 沢登り 2021.07.22-24

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やっと周回できました


<メンバー>
たろー、ふみふみ、なべちゃん、いさお、おりえ、miu、まさ、michi(一般)

<コース:1日目>
突合(6:50)~鮎返しの滝(7:10)~出谷出合(9:50)~高山谷出合(13:10)~カンタロウ滝下(15:00)~カンタロウ滝上(16:00)~第4支流出合(18:00)~泊地Ca445m(18:20)


 オリンピック開会式の連休は北アルプスの小倉谷の予定でしたが、毎日夕方に雷雨が降る予報・・・。雷雨の可能性が少ない南紀へ転進です。

 転進先は4年前に、敗退(周回断念)している黒蔵谷から高山谷の周回。遡行スピードが成否のカギを握るのですが、参加メンバーは8人。どうなる事やら・・。

4年前の記録
2017.07.22-24 南紀 黒蔵谷

 前夜、近くの道の駅で仮眠し集合場所へ。川湯から林道を進むと入渓地点の突合まで進むことが出来ました。既に2人パーティーと単独の方が出発の準備をしています。さすがに人気に谷だなあ。

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ここまで車で行けました

 まずは大塔川本流から黒蔵谷へ。最初の鮎返しの滝は釜が波打っていて中々の迫力です。釜を泳いで滝の左側の凹部を登ります。中間支点も取りづらく壁も立っているので緊張の登攀。

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釜を泳いで鮎返しの滝へ

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左の凹部から登る

 何とか8人登り終えるといよいよ下の廊下。ゴーロを少し歩いたと思ったらすぐに泳ぎが始まります。今回は時間短縮の為、極力ロープを出さずにとにかく泳ぐ泳ぐ。体感的には歩いた距離より泳ぐ距離の方が長い気がします。既に腕がパンパン。

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さあ、ここからが本番

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廊下がはじまる

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水中の方が長い感じ

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楽しくて仕方が無い?

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どんどん泳ぎます

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難所はロープを引いて行く

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流れに落ちないように

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水の透明感は半端ない

 出谷出合までは順調。そこから過去は直登出来ていた滝が水量が多く突破ず、巻きルートを探すのに若干てこずります。右岸のルンゼからトラバースして通過。トラロープが残置してありました。

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この滝に苦戦(右岸から巻き)

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ちょっと厭らしい

 アンダーガバの滝は釜が埋まり気味で水位が高く、離水がしやすくなっていたので一発でクリア。荷揚げの手順でこれまたもたつきましたが何とか全員通過。高山谷出合には13時過ぎに到着。これからカンタロウ滝を巻いて上の廊下を抜けるには微妙な時間帯ですが、ここで泊まっては高山谷の周回は無理なので先に進みます。

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アンダーガバの滝

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なべちゃんは苦戦中

 中の廊下はそれほどの難所はありませんが、カンタロウ滝手前の巨岩帯のルーファイに苦戦します。前衛滝を右岸から巻いてカンタロウ滝の前に降り立ったのは15時になっていました。

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カンタロウ滝の前衛滝 右岸から巻き

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カンタロウ滝の前に降りる

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カンタロウ滝

 さあ、いよいよ核心のカンタロウ滝の巻き。前回は左岸ルンゼから巻いてドツボにはまった(5人で3時間かかった)ので、今回は左岸尾根から巻きます。途中までは踏み跡がありましたが、それも消え、何となく登りやすい所を高度を上げていきます。

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左岸の尾根に取り付く

 幸い、ルート取りが良かったせいかロープを出すこと無く、落ち口から15m位上の支尾根まで上がり谷までクライムダウン(後続は念の為、ロープを出しごぼうで降りる)出来ました。8人で巻きに所要時間1時間はまずます。

 あとは泊適地を見つけるだけ、上の廊下に突入します。日も陰り薄暗くなってきたゴルジュの中は陰鬱な雰囲気ですが、メンバーが8人もいれば心細くはありません。日没まで(ヘッデンが必要になるまで)にはまだまだ時間があるので、どんどん進みます。

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薄暗いゴルジュを進む

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まだ泳ぐの?

 樋上10mを超え、滝がかかる第4支流の出合を過ぎると上の廊下は終わり、谷が少し開けてきました。標高445m辺りで先行していた二人組が右岸の台地の上にテントを張っていました。我々もその少し上流の台地を今日のキャンプ地に決める事にします。時間は18時20分。ぎりぎりセーフ・・。

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樋状10mは流心を行くのが良い

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滝が落ちる第4支流

 狭いながらもなんとかタープを二つ繋げて張り、焚火に火が付くとほっとします。夕食はご飯を炊いてふみふみさんお手製の具沢山スープ。お腹がいっぱいになり、お酒が入るとようやく今日一日を振り返る事が出来ました。

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泊地はこんな感じ

 あそこは怖かった、あそこは面白かったなどワイワイ話していると今日一日のしんどさも忘れてしまいます。あー、ここまでたどり着けて良かった。

記)たろー

つづく


<コース:2日目>
泊地Ca445m(7:10)~奥の二俣Ca540(8:40)~野竹法師山(11:30)~高山谷支流源頭(12:40)~高山谷支流下降~高山谷(15:30)~泊地Ca360m(16:10)


2日目

1日めの疲れが残った身体に朝の目覚め沢シャワーのスタート。
本日の行程に向けて気合も入ります。

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さあ、出発

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まずは平凡

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気合を入れます

今回8名と大人数ですが、4名ずつにチーム分けしているのと、沢.沢泊経験豊富、岩登り、体力あり、、、とにかく冒険好きメンバーの集合体なので、苦悩場面もあとからは語りづくしのお酒のお摘みになります。

この素敵なメンバーで泳ぐよじ登るの連続。
2日めの核心はやはり野竹法師(971m)への樹林帯や壁上の岩、急登だったかな。
うむむ、、これはみんな緊張の攀じ登り地帯でした。

(岩が脆く、落石に注意しながら攀じ登りました。谷を詰めるのが正解だったかも)

でも、これも鈴ハイ岩登りスペシャリストまささんのルーファイと男性陣のロープワーク屈指で制覇。緊張した〜。

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奥の二俣付近(泊適地)

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急登りを前に最後のクールダウン

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途中から尾根に取り付くも(これが厳しかった・・)

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ヤバい急登・・

その後の登頂までの急登は今まで見たことになmichiくんの姿です。先頭でドンドン登っていく姿に引っ張られながらみんなヒイヒイ登りました。

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野竹法師にて

野竹法師登頂後は完璧たろーさんのルーファイで谷に降り、また気持ちの良いシャワー。
沢登りは疲れた身体をアイシングしながら進めるので猛暑縦走もホントに楽しめます。

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ゴンニャク山への稜線の途中から植林帯を下降

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高山谷支流に降り立つ

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最初はやさしい滑を下って行く

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途中の滝は

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懸垂下降で

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なかなか端正な滝

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最後は泳いで高山谷の本流へ合流

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そこからは再び泳ぎまくり

そんなこんなで2日め宿泊池へ早めの到着。
ここは沢やの避暑地という位の快適な広さと平地でした。
焚き木集めと焚火点火に火の番、タープ.洗濯干し設置、夕食作り(今宵は夏野菜カレー)。8名いると分担しながら手際よく完成してい来ました。

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今回の泊地はとても快適

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タープ連結

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焚火を囲んで

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ふみふみ母さん特製の夏野菜カレー(カツ付き)

1日め2日めの感想や反省点や感動場面の話題と明日3日めの確認.対策の話題でお酒も進み、快適なタープでぐっすり眠りました(防虫ネットは被りましょう!)

私は黒蔵谷に2回来ていますが、周回達成出来た今回は行程もメンバーも凄かったです。大人数でも達成出来たこの機会にも参加出来てとても感謝しています。

3回めは一番水量多かったけど、山や沢地帯は変化していますね。
そのお陰か?大きく見えていた鮎返しの滝は今までより低く見えたし、ガバの滝はロープにテンションかけることなく登れたし(嬉)、
でも、これもいつもたろーリーダーとメンバーの皆さんのお陰です。
大冒険をありがとうございます!

記)ふみふみ

つづく


<コース:3日目>
泊地Ca360m(7:00)~八丁涸鹿~高山谷出合(10:10)~出谷出合(12:25)~鮎返しの滝(14:15)~突合(15:00)


3日目の最終日となります。
昨日の晩御飯が豪勢だった為か、3日目と言うのに気力・体力共に充実していました。
さてこの日は、高山谷を下り駐車場までの行程になります。
時間的に余裕がかなりあり、昨日までと違い心にゆとりをもって進めました。

下りなので、水路等は水流に身を任せると自然に進んでいきますし、
落差がある釜へは、積極的に飛び込んで行きます。
アンダーガバの滝は、水線をウォータースライドしました。

これらが本当に楽しかった。
アトラクションの連続で、最後まで飽きませんでした。

途中の滝は、30mの懸垂で左岸を降りました。

また、景観が本当に綺麗で深緑の釜に入っていく際は
まるで自分が自然の一部として溶け込んで行くような感じで感動しました。

一日中、キラキラした水面に揺られていた気がします。

途中の八丁涸じかでは、縞模様の綺麗な岩があり、少し違ったアクセントにもなりかなり良かったです。

ゴルジュあり、ゴーロあり、そして最後の鮎返滝は懸垂下降と、
全て揃った山行だったのではと思います。

3日間、天気にも恵まれ良い山行になったと思います。

やった事の無いことをやらなければいけない局面で、いきなりやると言うのは非常に難しい事だと思います。
今までの沢で必要の無いところで泳いでみたり、登ってみたりしていた事が多く生かせました。
(冷たい水と仲間たちの冷たい視線に耐えながら。(笑))
そのせいか多くの経験値を得ることができ、また多くの足らない所を知る事ができました。

当たり前の事ですが、まだまだ身につけなければならない物は数多くあるようです。
これからも頑張ります。

いや~けどほんと楽しかった~!

3日間、行動を共にしてくれた皆さんありがとうございました。

記 まさ

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3日目スタート

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高山谷を下降していきます

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大きな釜を持った滝は懸垂下降

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釜に飛び込む

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飛び込む

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林業の施設が現れる

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縞模様が特徴的な八丁涸鹿

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基本、流れ下る

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高山谷出合到着

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ウォータースライダーで下った

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他のメンバーは右岸の岩を滑り降りる

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1日目に落としたトランシーバーを発見

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本流もどんどん泳ぎ下る

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まだまだ泳ぐ

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まだ泳ぐの

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鮎返しの滝は懸垂下降で

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ゴールは間近

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お疲れ様でした

まささん編集の動画 是非ご覧ください

黒蔵谷遡行編

高山谷下降編

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