笊ヶ岳ランカン尾根 2020.12.09~20

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小笊ヶ岳ごしに富士山を望む素晴らしい大展望


<メンバー>
もっちゃん、ふみふみ

<コース>
1日目:老平駐車場(5:30)~硯の里キャンプ場~1848P(10:35)~2261付近(15:00)
2日目:2261付近(5:50)~小笊ヶ岳(7:55)~笊ヶ岳(8:45)~布引山~桧横手山~広河原(14:50)~老平駐車場(17:15)


 一般ルートでもハードな山で知られる笊ヶ岳。以前日帰りで登ったことはあるので、今回は未踏のバリエーションルートに挑戦しました。

 コースタイムが長いので暗いうちからヘッデンスタート。これでもかという急登がずっと続き、最初からふくらはぎがパンパン。水場がないので2日分の水と冬山装備を背負い、22kgほどのザックが重くのしかかります。
藪をかきわけ進むところもあり、これぞバリルートって感じ。

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心してかかります

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振り向くと夜明けの富士山が

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藪すぎる~

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荒れてます

 標高が上がるにつれ険しくなっていき、急斜面や細尾根など気の抜けない場面が続き、重荷も相まってずっと緊張しっぱなしでした。鎖やロープなどはまったくないので、とにかく一歩一歩確実に滑らないように進むことに集中。細かなアップダウンも多く疲れます。
15時ころようやくテント適地に着きました。テント適地といっても2テンを張れるスペースはほとんどなく、なんとか張れるところがあったかなという感じ。3テン以上は厳しいかな。

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うっすらついた雪がいやらしく、慎重に進む

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大岩が立ちはだかる

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ひたすらな登り。1日目の標高差は1800m

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崩れ落ちているところも

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わかりづらいが危険地帯その1

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危険地帯その2。とにかく全集中

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なんとか張れてよかった

 2日目もヘッデンスタート。うす暗い中いきなりドキドキな岩場がでてきて、朝からまたまた緊張。樹林帯に差し込む朝日がきれいで、やわらかな光はなんだかホッとできます。
ずっと樹林帯の急登が続き、いきなり開けたと思ったら小笊ヶ岳でした。

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ほんわかできるやわらかな光

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小笊ヶ岳までも急登が続く

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小笊ヶ岳山頂はハイマツ帯であまり展望はきかず

 小笊ヶ岳からようやく目指す笊ヶ岳が見え、一気に登ると、これまでの疲れが吹き飛ぶ360度の大展望が。バッジの絵柄にもなっている小笊ヶ岳ごしの富士山もばっちり。
南アルプスの山々もいい感じに冠雪していて、貸し切りの山頂を心ゆくまで満喫しました。さすがに寒かったけど。

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せっかく登ったのに下ってまた登り返すなんて…

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ようやく見えた笊ヶ岳。あと少し

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快晴!貸し切り!

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小笊ヶ岳ごしの富士山

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聖岳、赤石岳、荒川三山

 ここからの下山道は一般ルートなので気持ちも楽に出発。事前調べでは、広河原の渡渉が下山の1番の核心なので、それをクリアできたらあとは問題ないと思っていました。…が、しか~し、広河原から先が核心だった!

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最後の展望地。この後また樹林帯に突入

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テープってほんと偉大

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2020年に訪れてしまった

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12月中旬なのにまったく雪のない富士山

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激下り。大量の落ち葉もやっかい

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下流のほうで渡れそうな石を見つけ、濡れることなくクリア

 下ノ廊下のように切り立ったトラバース道が続き、岩壁からしたたり落ちる水が氷柱となり落下し、道とロープを凍らせ、ピッケルで叩き割りながら進む。道の下は崖になっていてほんとこわかった。数日前の寒波で一気に凍ったらしい。
登山道が見えないくらい落ち葉が降り積もり、すり足で進むも足を踏み外し、5mくらい滑り落ちてしまいました。落ち葉で道がわからず、一旦沢近くに下りてトラバースしながら登山道に復帰。壊れかけの橋や切れ落ちてる崩落地やいろいろ。
1日目よりも緊張する場面がずっと続き、アドレナリンが出まくってました。

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氷柱が落下してきて危険

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傾いて壊れかけの橋

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崩落地

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凍っていたロープをピッケルで叩き割り、一歩一歩慎重に進む

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心もとないはしご

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ようやくふみふみさんに笑顔が

 最後まで気の抜けないコースでしたが、歩き切った達成感はハンパなかったです。
結局だ~れにも会わず、静かで歩きごたえのあるいろんなことを経験できた山行となりました。
こんなマイナールートにお付き合いいただいたふみふみさん、ありがとうございました。
ほんっと楽しかったな。

記)もっちゃん

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