カズラ谷 沢登り 2018.05.20 

20180520カズラ谷09
この滝を攻略せよ


<メンバー>
たろー、ふみふみ、さっこ

<コース>
宮妻峡(8:20~9:20)~宮妻峡(8:20~9:20)~カズラ谷入渓(9:40)~10m滝(11:00)
~S字スラブ滝(11:55)~昼食~登山道(14:30)~宮妻峡(15:40)


 鈴ハイで毎春開催されるという沢登り初級編。今年は雨で中止になりましたが、再度、緊急リカバリ企画が決定。場合によっては中級へランクアップするかもしれないという心理戦に持ち込まれる中、勇気ある初級チャレンジャーの応募を待ち望む。初級チャレンジャーがなかなか参加表明しないまま時が過ぎ、諦めかけていた土曜日の夕刻、またしても一本釣りの針に引っ掛かり、沢登り初級編リカバリ企画に挑戦することとなる。

 中止になった沢登り初級編に備え、少しずつ準備してきた道具類と装備表を確認しながら粗方の準備を済ませ、ふみふみさんに沢靴のレンタルをお願いし、情報の少ないカズラ谷沢登りについての調査を開始。ヒットするネット上の情報を確認すると、どこかで見た顔が・・・鈴ハイの昨年の記録ではないですか。しかも、バルス君編とこーじさん編があるのです。さらには、たろーさんが登場するブログもあり、ネット上の数少ない記録を参考にイメトレ。自分にとってキーワードとなる「入渓」「スラブのS字滝」「直瀑」「飛瀑」を頭に詰め込み、明日に備えて爆睡を開始。

 宮妻峡駐車場に8:00集合。ハスラー3台を横並びに駐車。

 装備の準備に取り掛かかるも、早速、何をどのようにセットすればよいのか、わからなくなる。ロープワーク講習で勉強したはずなのに全く習得できていない(反省)。

 結局、たろーさん指導のもと装備装着を完了し、昨年の初級編同様、駐車場脇で懸垂下降手順のおさらいを実施。セルフビレイの重要性と手順確認、懸垂下降開始直前の作業確認、そして懸垂下降方法、懸垂下降時のワンポイントなど、自分の身を守るために、安全を確保するために必要な技術を体と頭で覚えます。

20180520カズラ谷01
まずは練習から

 懸垂下降手順おさらいを一通り終え、今回のメインメニュー「沢登り」を開始します。「入渓」です。ネット上の情報では、堰堤の辺りで「入渓」とあったような気がしますが、緊張していて、どこで「入渓」したのか定かではありません笑。いつの間にか「入渓」。

「ほとんどの時間、川の岩場(岩と岩の間)を渡り歩いている」(これを「ゴーロ歩き」というのか?)

 沢登りと言っても、ほとんどが川の岩場(岩と岩の間)を歩いている時間の方が圧倒的に長いそうです。確かに大きめの岩と岩を自分のバランスを保ちながら渡り歩いていました。

 岩と岩を渡り歩き、時には渡渉、水量の浅いところはジャボンして歩いていた記憶があります。ふみふみさんはこれを「ゴーロ歩き」と言ってました。「ゴーロ歩き」ネットで検索すると登山用語として存在していました。ゴーロ歩き(河原歩き)、なかなか手ごわいです。初級編ではゴーロ歩きのポイントをいくつか教えていただきました。

20180520カズラ谷02
最初の小滝

20180520カズラ谷03
ドキドキの初沢

沢登り=滝登り、そしてその滝をどう登るか。

 「沢登り」はその行程全体の総称で、滝登りが主な目的だと感じました。

 進行方向に滝が出てきても敢えて滝を登らず、巻いて登れば、沢登りルートを完登できます。沢登り=滝登りは、敢えて水流のある滝を登る。ゴーロ歩き→滝→ゴーロ歩き→滝、といった流れで、一つ目の滝、二つ目の滝、三つ目の滝が、一問目、二問目、三問目という問題形式で現れます。問題とは、その滝をどう登るか。

 もちろん、初心者の私には解答がわからないので、たろーさんの後をコピーしてたどります。

 最初はびびって雑に登る→ダメ出しを受ける→次の登りでなんとか修正してみる、を繰り返していると、何となくコツを掴めてきた気がする。コツを掴めてくると楽しくもなってくるのです。ここをどう登ろうか・・・と考え始めます。序盤は、良いレッスンの場でもありました。

20180520カズラ谷04
第1問?

20180520カズラ谷05
次々と滝が

20180520カズラ谷06
また出てきたよ

20180520カズラ谷07
考えて登ろう

20180520カズラ谷08
ここはどうする?

20180520カズラ谷09
シャワーに見えますが濡れていません

難関(難問題)の直瀑

 レッスンに最適ないくつかの滝を越えると今までとは別格の滝が現れました。「直瀑」です。前日、頭に入れたはずの「直瀑」も、あまりの高さにすっ飛んでしまい、ひたすらどう登るのか?私に登れるのか?という不安がよぎり始めます。

20180520カズラ谷10
この谷の核心「直瀑」です

 ロープで安全確保となりました。ロープをセットするためにたろーさんはトップで登り始めます。私はそのルートを懸命に覚える。
 極力ロープに頼らず、自分の力で登れるように水流と岩に対して試行錯誤の連続です。結果、終盤すべって落ちる→ロープで確保してもらっていたためセーフ。ふみふみさんは、圧巻の登り!

 難関の滝をクリアすると、次の滝が簡単に登れる滝に見えてくる・・・という錯覚が起こります。とはいえ、気を抜かず、適度の緊張感で登ります。

20180520カズラ谷11
これは簡単に見える?

スラブのS字滝

 写真で見る限り、天然のウォータースライダーという感じで、かなり気になっていました。実際は、まあまあの水流と流れの速さで、どこをどう進んで行けば良いのか意外と考えさせられる登りでした。そうめんを流したら、どれだけ早く流れるんだろぅ・・・とか考えながら無事に登り終え、しばらく進んだところでお昼休憩。

20180520カズラ谷12
S字滝

20180520カズラ谷13
どうやって登ろう?

20180520カズラ谷14
無事クリア!!

 昼食は、たろー’Sキッチンのみそ煮込みうどんです。前日に仕込まれたであろう鶏肉と揚げ&ネギが投入され、冷えた体に温もりとエネルギーが注入されます。本当に美味しかった!

20180520カズラ谷15
今日は愛知県民の方が多いので

 昼食を終え、後半の登りを開始。かなり上流部になり、ゴーロ歩きの岩の大きさもとてつもない大きさになってきました。ゴーロ歩き→滝登りの繰り返しで、適度にコツを掴めてきた気がするも、遠くに見える滝が気になり始める。水の飛沫(しぶき)方が、今までの滝と違うのです。

20180520カズラ谷16
上流部になってきた

20180520カズラ谷17
岩がでかい

 新緑が鮮やかで日差しも程よく、ひときわ輝いて見えたのは、飛沫(しぶき)の水滴が程よく岩にあたって光に反射してたからかな。直下に到着し、まさかこれが「飛瀑」ですか?と尋ねると、やはり飛瀑。今までの滝とは存在感が異なります。下から見上げると茶黒くウェット。水流も中段辺りから方向があれやこれやとなっています。

20180520カズラ谷18
飛瀑

 もちろん、ここもロープで確保。たろーさんはロープセットのためトップで登攀。

 この滝の登りは、つるつるの岩と水流との闘い、集中力、持久力、今までの登りで掴んできた感覚をすべて使い切り、後半の最後、私の腕力が力尽きるんじゃないかという限界点にまで達し、最後はど根性で登り上がりました。安環カラビナのロックが外れずアタフタしていると、ふみふみさんがあっさりと登り上がってくる。早い!

20180520カズラ谷19
ふみふみさんは笑顔で

 この飛瀑がカズラ谷遡行のクライマックス。この後は、登山道に出て宮妻峡駐車場へ無事に帰還しました。

 沢登りは全くの未経験だったため、ゴーロ歩きの歩き方、注意点、滝を登るときの心構えから、注意点、コツ、持っていた方が良い装備等をたろーさん、ふみふみさんからたくさん教えていただきました。

 当日は季節的にも新緑が鮮やかで沢の風景がより一層きれいでしたが、昨年の豪雨か台風の影響で、今までとは所々景色が変わっているとのことでした。

 滝に登っているときは無我夢中で試行錯誤の連続でしたが、登り終わったときの手応えや反省点が次々と頭に浮かんでくると、次回に向けてひとつひとつクリアしていきたい気持ちになりました。まだまだ初級のスタート地点ですが、徐々にクリアしていきたいと思います。また、自然にできた沢の風景・景色の中に居られること、体感できることも沢登りの魅力のひとつだと思いました。

記)さっこ

<リーダー追記>

 毎年恒例のカズラ谷での初沢体験。今年も楽しんでもらえたようでほっとしています。出て来る難所をどう攻略するか、色々考えながら、時には独力で、時には仲間と力を合わせて登って行くのが沢登りの楽しさです。この素晴らしき世界にどんどん嵌ってくれることを期待します。(何だか先生風になってしまいました)

たろー

コメント入力