御在所前尾根 2018.5.12

2018512前尾根000
飛ぶか ・・・   P5フランケルート5.9 核心部


メンバー:ita、なお、くろ、沢屋Hさん(一般)

ルート:
P7 前半クラックルート(ノーマルⅤ級)ピッチ切、後半ノーマルリッジルートⅣ級
P6 前半 リッジルート(Ⅳ級)or フェイスルート(5.9)、後半チムニールート(Ⅳ級)
P5 藤内沢フランケ 前半(5.9)スラブ、ギャップ飛び&フェイス(5.9)
P4 滑り台ルート2P(フェイス&クラックⅣ~Ⅴ級)
P3 前半 北谷側クラックルート(クラック5.8)、後半 ノーマルクラックルート(クラックⅣ級)
P2 ヤグラ ノーマルルート(Ⅳ級)


  4月の春例会で『岩やりたいです!』と要望し、その後何度もitaさんが企画してくれたが、自分の日程が合わず、この日までずれ込んだ岩企画。昨年一度前尾根に行ったが、P7で悪戦苦闘しその先へ行けていない。そんな実力で本当に最後まで登り切れるのか??

不安しかない状態で裏道をサクサクと登り始めた。今日はペースが速いな・・・と思いながらitaさんの足元を見ると・・・
なんかクロックスっぽい。振り返って沢屋Hさんの足元も・・・。
岩場までの『通勤ルート』をラフな感じで歩いていくあたり、只者ではない雰囲気を存分に醸し出していました。

『この先クライマー以外立ち入り禁止』の看板を左に進み、いよいよ前尾根へ。沢沿いの急登、なおちゃんの後ろを付いていったのだが、なんだか険しい。『このルート険しいなぁ』と言うと、「ウォーミングアップや!」と返された(>_<)  P7の取り付きに1パーティー居ただけで、今日は空いてる(^^)
さて、4人でどうやって登る?という話になった。リードはもちろんitaさんで決まり。リードがダブルロープで登り、私が二番手で赤ロープ、沢屋Hさんが三番手で青ロープ。ふんふん。
で、四番手のなおちゃんは?
沢屋Hさんがロープを腰にぶら下げて登り、それでなおちゃんをビレイするという作戦で決まった。

さて、スタート。何だか気持ちが岩モードに入りきらないふわふわした状態だったが、itaさんがサクサクとカムを効かせながら登っていく。ダブルロープのビレイが初めての私はまごまごしながらロープを繰り出す。
『itaさん、落ちやんといてよ!』と心の中で念じる。そうこうしている間に赤ロープだけが引っ張られるようになった。終了点に着いたのか?赤だけ出すってどうやるの??青も一緒に出すしかないやん!とか考えているうちに、「ビレイ解除!」のコール。ロープアップ後に「くろさん登っていいよ!」のコールが。

『くろ行きま~す!』(赤ロープのくろです。ここ笑うところです)
緊張感が一気に増す。
クラックに右手を入れるがうまくジャミングが決まらない。『無理!』と叫ぶも当然誰も助けてくれない。
何とか最初のカムを外し、強引に松の木?まで登った。前尾根の中でもP7は難しいと言われているが、今回は何とか登ることができました。その後沢屋Hさん、なおちゃんが苦もせず登りP6へ。
「フェイス行く?」とitaさんが言うも、『無理無理!』と即答。リードitaさんがリッジを難なく登り、私の番。

「このフェイス面白そうやな(^^)」と言うなおちゃんに触発され、『ほな行ってみよか!』と調子に乗って登り始めたはいいが、二歩目が上がらない。右のクラックなら行けるかな?と思い、『ロープ下さい!』と要求。
「何やっとんの?」と上から声が掛かる。『ちょっとフェイスで遊んでます(^^)』。
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ルート変更? 行けるのかな?

クラックをジャミングで登り始めたが、やっぱりうまく決められないので、レイバックに切り替えて半分くらいまで登る。調子を掴んできたか?と油断した瞬間、足が滑ってずるずるとフェイスを落ちる。最初の中間支点が数m左側のリッジに掛かっていたため、トラバースの途中で落ちた状態になり、左の方へ引っ張られる。
ギリギリのところでグランドフォールを免れたが、調子に乗ったらあかん!と肝に銘じた。気を取り直してリッジを登る。まだP6途中なのにもうヘロヘロである。。。

後半は四方を岩に囲まれたチムニー。まずはitaさんのザックをロープで引き揚げ、次に自分のザックも。登り方が分からず『・・・』となっていると、「自分が一番安定する隙間を探して、背中と足で突っ張りながら登って!」と上から声が掛かる。
こんな感じか??と試行錯誤しながら何とか登りきる。

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沢ヤはやっぱりボディビレイ!

沢屋Hさんも『あーっ!』と気合を入れながら登ってきたが、途中まで登ってきたなおちゃんが「なんなんこれ。絶対無理(i_i)」と泣きだす・・・まさかの展開に周りが慌てて引き上げる。 彼女の過去に何が・・・

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トラウマ発症!?

さて、気を取り直してP5へ。右側のやさしそうなルートを進むのかと思いきや、「左から登って、〇〇ジャンプへ行ってみようか(^^)」とitaさん。ジャンプって・・・。けど、リードが登ったルートを辿るしかないのがセカンドの悲しいところ。
取り付きの垂壁をレイバックで登り、いざ〇〇ジャンプへ。目の前に僅かな手掛かりがあるだけの垂壁に近いスラブ。今まではitaさんの登り方を見ることができない状態で登ってきたが、ここは目の前で見ていた。
確かに見たが、そんな動きができないのも見て分かっていた。しかし、ロープは既にそのルートに張られている。

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P5前半は笑顔も・・・

意を決して断崖絶壁の向こう側へ右足を伸ばす。股の下は百m以上切れ落ちている。両手を掛ける。第二関節がやっと掛かる程度の浅いホールドである。『で?』、「とりあえずそこに張り付いたら左足を垂らす。その体勢になったら分かるから!」。『・・・』。
ここまできたらやるしかない。左足を蹴って、向こう側の壁に張り付く。

右足も腰の高さで踏ん張りが効かない。そのうえ体重を支えている両手は、曲がったままなので次の一手が出せない。しばらくこの体勢が続いたがにっちもさっちもいかないので、目の前にあったヌンチャクを掴んだ。うーーん。これが今の実力である。

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飛び移ったら・・・もう引き返せない。

 続くなおちゃんは先程とは別人、スリルを楽しんでるようだ。

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抜群の高度感、涼しい顔で・・・

次は沢屋Hさん。私と同様に壁の前で悩んでいたが、意を決してジャンプ!問題の左足は上手くスメアリングを効かせ、藤内沢中に響き渡る『あうーっ!』という気合を掛けながら這い上がってきた。

 P4。前半をビレイ無しでいきなり登り始めるitaさん。「私も」とそれに続くなおちゃん。ま、確かに登れないことはないが、、 そうこうしていると「登っていいよ!」と上から声が掛かる。支点構築がやけに早いな。。絶対ビレイしてないやろ?と思いながら慎重に登る。中間点に到着したら、やっぱりグリップビレイ・・・(笑)
さてここからが本番の滑り台!
ここはちゃんとビレイして登る。終了点に近づくにつれ、高度感が増し、傾斜もきつくなるので否応なしにも緊張感が高まる。

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飛んでる感が醍醐味です。 P4後半部

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P4終了 楽しんでる!?

 P3へ取り付く前にしばし休憩。なんだか眠くなってきた・・・
気を取り直してクラックルートに挑む。2年前、初めて前尾根へ連れてきてもらった時はジャミングの仕方も分からず、登りながら上のビレイヤーに指示をされ、無理矢理登った記憶がある。さて、今回は・・・
一度滑りかけたが、何とか登りきることができました。『俺、成長してる(^^)』と一人でほくそ笑む。

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P3終了点 雄たけびと共に

 最後はP2ヤグラ。朝6時から行動し始め、すでに15時。結構疲れている。「どうする?」とitaさんが質問したので、『どっちでもいいです』と答えると、「次は自分で来てな(^^)」と言われたので、『登ります!』と返事した。

 だって、ここまでリードで登ってくる自信は微塵もない。せっかく挑戦させてもらえるなら、やるしかないっしょ。

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ヤグラを登って

ここまでのルートとは違う、そり立つ壁。大きなクラックに足や腕を入れながら登っていく。上部のチョックストーンを右にかわすのがルートのようだが、ロープは終了点から真下に降ろされていたので、ロープに沿って左側の大きなクラックに体を半分入れて登った。
眼下に広がる伊勢湾を眺めながら、半端ない達成感と疲労感に浸った。

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満足感に浸っての懸垂

くろ(記)

参加の皆さん、お疲れ様でした。
前尾根初めてのメンバー、ゲストのHさんと、またもや4人の大所帯でしたが、なおさんの協力も有って、無事完登する事が出来ました。 極度の緊張下、戸惑いつつも勇気を奮い立たせての登攀を目の当たりにして、企画した甲斐が有ったと嬉しく思いました。(サービスしすぎた感も有りましたが・・・)
これを機会にフリークライミングにて技術磨き、また安全にスリルを楽しんで頂けたら嬉しいです。 ita

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