小同心&大同心クライミング 2025.9.27-28

<メンバー>
りょう(L)、りー、おけい、あーちゃん、タンジ(SL)、すがちゃん(SL)(記)

<コース>
9/27
美濃戸(赤岳山荘)(5:00)-赤岳鉱泉(7:00)-小同心クラック取りつき(10:00)-横岳(12:00)-硫黄岳(14:00)-赤岳鉱泉(15:00)
9/28
赤岳鉱泉(6:00)-大同心南陵取りつき(8:30)-大同心の頭(11:00)-赤岳鉱泉(13:00)-美濃戸(赤岳山荘)(15:00)


去年初めて八ヶ岳に登ったとき、横岳から見下ろしてなんか目立つ岩があるなーと思っていましたが、それが小同心、大同心という岩峰で、登る対象とされていることはクライミングをはじめていろいろ調べる中で知りました。
稜線から見た小同心・大同心の姿はとても印象に残っていたので、是非登りに行きたいと思っていたところ、りょう君が企画してくれたので参加させてもらいました。


<1日目>

自分的、初めの核心は赤岳山荘までの運転でした。暗い中、おけいさんの車でボコボコの林道を進み、ウサギやタヌキや鹿の飛び出しにおびえながら手汗びっしょりで到着しました。

少し休憩ののち、5時から行動開始し、久しぶりに感じる肌寒さや木の葉の色、落ち葉の感じに少し秋を感じました。

出発!重荷に冷たい空気が心地よかったです。

赤岳鉱泉では居ぬき物件を見つけていい感じにテント設営できました。あまりクライミング装備のパーティーはおらず、取り付きで順番待ちの心配はなさそうだったので、少しお茶を嗜んでのんびり8:00から小同心クラックの取り付きを目指しました。

硫黄岳へ上る道の途中から分岐して大同心沢に入り、取り付きを目指しましたが、なかなかにつらい急登で息が上がる中、上着を脱いで歩くマシーンになったつもりで進みました。翌日もここを歩いて大同心に向かわなければならないと思うと憂鬱になるほどでした。

初めて見上げる大同心、大スケールでした。
アプローチはきつい急登だったので大同心基部でたまらず休憩…

大同心の基部からは右の小同心の方へ細い踏み後にしたがって進んでいきました。小同心クラックは冬季も登る対象とされると思いますが、アイゼンを履いてここをアプローチするのは大変そうです。

大同心基部から小同心クラックへ向かう。結構悪い笑

小同心クラックの取り付きに着いて様子を見ると、きめの細かい砂岩(泥岩?)からボコボコと硬い岩が飛び出したような感じで、ボルダリングジムのそれみたいなホールドだったので、どのようなラインでも登れそうと感じました。
ただ、実際登ってみると所々に設置されているはずのボルトやピトンがなかなか見つからず、きょろきょろと探しながら登りました。また、今回はシングルロープを使っていたのでロープの屈曲を避けるライン取りなどいろいろと考えることがありました。終了点は新しめのボルトがきちんと打ってあったので、安心してビレイできました。もう少し安定したレッジとかにあればなおよし。
冬季にも登れるとのことで相当余裕なのだろうと思っていましたが、ボコボコの岩が踏んでみるともげそうだし、傾斜の強い場所もあり少しだけ緊張感する場面がありました。アイゼンとアックスで登るのはきつくないですかね…?

最初はもちろんりょう君がリードしました。
所々凹角でステミング(?)っぽい動きを強いられました。
わたしもテイクオフ。ロープの屈曲を避けるよう取り付き場所を選びました。
天気良好で気持ちのいいクライミングでした。

小同心の頂上は平らで、日当たり良好、休憩に最適でした。稜線を歩く人に手を振って遊びながら横岳に向かいました。小同心から横岳へ抜ける道は最後ロープを出すか迷うような感じでしたが、慎重に歩いて登山道に合流しました。

登山道への合流。最後の登りが少しクライミングっぽかったです。
横岳山頂に抜けて集合写真。逆光が…

横岳からは休憩しながら硫黄岳を目指しましたが、寝不足のためか硫黄岳山荘からの登り返しがなかなかきつかったです。しかし、一年前に一人で来たときはこの登りを何度も休憩しながら歩いたので、足を止めずに歩けたことに成長を感じました。こういう見晴らしのいい登りがあるとトレーニングの気分で登ってしまうんですよね..

登りを歩きとおし、空元気でピースする私。
爆裂火口を見物。

硫黄岳から赤岳鉱泉まで降りると15:00。この日の活動は終わりだったので私はコーラを買ったり、飲める方々はお酒を買ったりして、また、りーさんにおつまみをたくさんもらってぬくぬくさせてもらいました。軽量化のため食べ物を絞っていたのでありがたかったです。夜は赤岳鉱泉のお風呂に初めて入りましたが、最近新しくなったとのことできれいでよかったです。水温調整が難しかったですが。冬はアイスキャンディやりに来ると思うのでその際にも入りたいです。

おつかれさまでしたね。

<2日目>

2日目も朝から大同心南稜を目指して急登を登りましたが、疲れた体にこの登りがやはりこたえました。取りつきはこの日も先客、後続はおらず自分たちのペースで登ることができました。朝は日が当たらない場所なのでビレイ中はとても寒く、久しぶりに震えが来ましたが登るにつれて日が当たりようになり暖かくなりました。
小同心と同様にボコボコと張り出した岩をつかんでガシガシ登っていく感じですが、小同心よりも傾斜の強い個所が多かったこととボルトが少なくてプロテクションがとりずらかった(ライン取り間違えただけ?)のが印象に残っています。
トサカ岩という目立つ岩を超えると視界が開けて日も当たり、いい気分でクライミングできました。

前日に引き続きこの急登…辛い
朝は日が当たらず寒かったです。おけいさんのリードからスタート!
所々傾斜強かったですが、ホールドがいいのでガシガシ登れます。

そして、これが今回の山行のハイライトだと思いますが、最後のピッチは大同心の頭に抜けるドームの登攀でした。
りょう君がスルスルとリードするのを見て、割と簡単なのかなーと思いましたが、とりつきから見てみるとほとんど垂壁で、所々は若干かぶり気味に見えました。
一抹の不安を覚えましたが、ホールドがいいから気合で何とかなるだろうとわたしもリードで離陸しました。
二か所ほどホールドが小さめでかつ、かぶり気味の個所があり苦戦しました。ゲレンデのスポートルートなら思い切って手を伸ばすのですが、岩がもげないか気になるし、プロテクションもさびたハーケンやリングボルトが多いので、一か八かの一手を出すは勇気ありませんでした。
そこで、難所では少し体を上げて手が届く範囲のホールドの持ち心地を確認して、登り方を決めてから一気に登る作戦で行きました。何回かクイックドローをつかんでA0したくなりましたが、何とかフリーで登りきることができました。
よれてくる前腕の感触と、はるか下まで切れ落ちた断崖をふと見てしまった時の焦りなど、アルパインクライミングっぽかったんではないでしょうか。
クイックドローを確か8本持っていきましたが、最後は少しランナウトしたので10本ほど持つのがよいでしょう。
登るメンバーにみんなで声援を送りながら全員無事に登りきることができました。

ドームの登攀。下から見た感じはほぼ垂壁。かぶり気味の部分も…
最後あたりにも核心が…
タンジ君リードで早々と登り切りました。
所々、傾斜が強くかつ、ホールドが乏しい個所がありました。
シビアな登りでしたが、全員生還しました。

最終ピッチを登り切った後は平らで広くなっている大同心の頂上で景色を楽しみ、しばし休憩しました。
帰りは最終ピッチの取りつきまで50mロープ折り返しでぎりぎりで空中懸垂し、大同心、小同心の間のコルまでは歩き、南陵の取り付きまで戻る際は何か所か懸垂下降しましたが、普通に歩きでよかったかもしれません。懸垂支点はたくさんありました。

空中懸垂楽しかったです。
南陵取り付きまで歩いたり、懸垂下降したり…

赤岳鉱泉に戻って片付け・撤収しました。疲れた体に思いザックのが食い込み、結構つらかったですが皆さん軽快な足取りで進んでいくので頑張ってついていきました。

撤収!

今回は天気にも恵まれ、気になっていた大同心・小同心を楽しく登ることができました。下界はまだ暑いですが、今シーズン初めて寒さに震え、季節の移り変わりを感じました。もう冬山のことを考え始めております。登りについては、やはり大同心南稜の最後のピッチが印象的でした。もう少しフリーの実力がついたら大同心雲稜ルート、挑みたいです。また、ライン取りにもよるでしょうがロープがそこそこ屈曲する場面があったので、ダブルロープのやり方を身に着けたいなーと思いました。

計画してくれたりょう君、ペアで登ってくれたりーさん、皆さんありがとうございました。

記)すがちゃん

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