<メンバー>
たろー、りー、おすぎ、つるちゃん、せい
<コース:1日目>
新穂高温泉駐車場(8:05)~穂高平小屋(9:15)~白出沢出合(10:15)~滝谷出合(11:40)~槍平小屋(13:00)
冬の槍ヶ岳を意識し始めたのは2017年くらい。いろいろと情報を集め、まずは春の偵察にと初めて計画したのが2018年4月。その後、悪天やメンバーの都合などで中止、転進を繰り返し、気が付けば6年も経っていました。
当初、一緒に目指していたメンバーも入れ替わってしまい、自身の体力も落ちてきている中、正直もう行かなくてもいいかな~って考えていましたが、10月の例会でつるちゃんから「槍行かないんですか?」と声を掛けられもう一度チャレンジしてみる事に。
11月から歩き山行を増やし、御在所アイトレ、焼岳雪山始め、西穂高でのテント泊とトレーニングを重ね、いよいよ本番を迎えます。
アタック当日29日の天気予報は未明まで雪が降りますが昼前から高気圧に覆われ、快晴微風のこれ以上ない好条件。暖冬で雪も少ないようなので期待が高まります。唯一の心配は世間の仕事納めから1日早い28日スタートだという事。ノートレースだとしんどいな~と思いましたが、そこは体力お化けのせい君に頑張ってもらう事にします。
1日目は槍平小屋までなので少し遅めの8時スタート。新穂高温泉の登山者用駐車場にはすでにたくさんの車が停まっていてラッセルの心配は杞憂に終わりそうです。
案の定、林道には複数人のトレースが刻まれていて超快適。白出沢出合いから登山道になりますが、ワカンをつける事も無くほぼ夏道のコースタイムで歩けました。
途中、すでに登頂し下山してきた人ともすれ違い(一人は何と日帰り!)雪の状況などを確認します。昼過ぎには槍平に到着。冬季小屋に5テンを張る事が出来ました。(テント4張りぐらいのスペース)
水も近くの沢で汲めたので水作りも無し。超意気込んで臨んだ槍ヶ岳でしたが、初日は拍子抜けするくらい順調な行程。軽量化のためお酒も少なかったので、つるちゃんの準備してくれた手造りのツミレ入り鳥鍋でお腹を満たし、すぐに寝てしまいました。
<コースタイム:2日目>
槍平(6:00)~千丈乗越分岐(8:15)~飛騨乗越(10:15)~槍ヶ岳山荘(10:30~11:00)~槍ヶ岳(12:10)~槍ヶ岳山荘(14:05)~飛騨乗越(14:25)~千丈乗越分岐(15:15)~槍平(16:45)
アタック当日未明。予報どおり雪が降っていますが小雪がぱらつく程度で昨日のトレースも明瞭に残っています。天気が回復する昼前に稜線に出られるよう、ワカンを着けて6:00槍平スタート。まだ辺りは暗いので天気の悪さも気になりません。もくもくとトレースを辿って距離と標高を稼ぎます。
ルートは概ね谷芯を進んで行きます。昨日、登った人の情報では雪は少なく、標高2800m付近からはカリカリのアイスバーン状という事なので、雪崩の心配はなさそう。大喰岳西尾根の取り付きを見送って飛騨沢をそのまま詰めあがります。
標高2700m付近まで登ってくると沈み込みは殆どなくなり、アイスバーン状になってきたのでワカン+ストックからアイゼン+ピッケルに換装。傾斜がきつくなってきたのでアイゼンの前爪を蹴りこみ、ピッケルのピックを突き刺して登りますがすぐに脹脛がプルプル・・・。
飛騨乗越には4時間と少しで到達。日差しもあって暖かく感じます。なぜか群馬県の防災ヘリが飛んでいましたが、遭難救助ではなさそうです。(冬山の飛行訓練?)
槍ヶ岳山荘前には冬季小屋を我々よりも少し前に出発した二人と今日1:00に新穂高を出発してきたという方が休憩しています。思ったよりも早く着いたので、我々も穂先を前に写真撮影大会。うーん、いつもライブカメラで見ていたこの場所に辿り着けるなんて感慨深いなあ。
さて、頂上へのアタック。見るとルートには雪がべったりついていて厳しそう。昨日登ったパーティーは途中で引き返したと言っていたし、先行の二人はここで引き返すみたい。考えていると女性二人組パーティーが頂上から降りてきたので様子を聞いてみると、
・自分たちはロープを出して登った
・朝は雪が硬くて苦労したが、今はだいぶ緩んで易しくなっている
・鎖が出ている所まで行けば何とかなる
・下りはロープを使ったほうが良い
という事でなので取り付いて見る事に。
登山道になっている部分は雪がついてどこがルートか良くわかりません。幸い、アイゼンは良く効くので何とか鎖場までたどり着きます。が、せい君がこれ以上は自信が無いと言ってここで離脱。
鎖を掴んで急な傾斜を登ると体感50°~60°位の雪の斜面になります。どうやら鎖が埋まってしまっているようです。アイゼン、ピッケルを雪にぶっ刺して登りますが、一つのミスが滑落につながるので緊張します。
梯子に辿りつくと頂上はすぐそこ。登り切った先には絶景が広がっていました。続けて梯子を登ってきたメンバーとがっちり握手をしてお互いの健闘を称え合います。
頂上は快晴微風、360°の雪景色に広がる雲海、最高です。写真撮影が終わったら核心の下り。鎖が埋まっている所はロープを出して懸垂下降しました。
槍ヶ岳山荘に戻り、冬季小屋で休憩していたせい君と合流。日が当たってすっかり明るくなった飛騨沢をのんびりと下っていきます。
2日目の夕食はぺミカン味噌ラーメン。10時間超の行動時間に高カロリーのスープが染み渡ります。今夜もお酒が少ないので早々に寝ましたが、夜8時過ぎに小屋にやってきたパーティーがうるさくて少し閉口しました。
<コース:3日目>
槍平(7:50)~滝谷出合(8:30)~白出沢出合(9:40)~穂高平小屋(10:20)~新穂高温泉(11:10)
最終日、今日は新穂高まで下るだけなのでのんびり出発。明日から天気が崩れる予報なのに登っていく人が結構いるのでびっくり。
3時間と少しで新穂高温泉に到着。平湯の森で汗を流し、長八食堂(国八の近くにある)でお昼ご飯を食べてのんびりと帰名しました。
6年越しの冬の槍ヶ岳は積雪状況、天候、先行者のトレースとこれ以上ない好条件に恵まれ、思ったよりも容易に登れてしまいました。これが例年の冬の状況だともっと厳しかったと思います。(※なのでこの記録を鵜呑みにしないようにお願いします。)
兎にも角にも本当にいい山行で2023年を〆る事が出来ました。同行いただいた皆さん、ありがとうございました。
記)たろー
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