台高・大熊谷東俣谷遡行~崩レ俣谷下降 2023.04.02 

〈メンバー〉 なべちゃん、ふみふみ、たろー、こうじ、いさお、てつや

〈コース〉 大熊林道駐車場7:25~東俣谷出合7:30~不動滝8:15~夢幻滝8:45~二叉9:50~奥の二叉11:00~林道11:25~崩レ谷12:10~〈崩レ谷下降〉~大熊谷(崩レ谷出合)14:40~大熊林道駐車場14:50


~プロローグ~

 「ヤマビル」、漢字で書くと「山蛭」。

登山者でこの吸血動物を好きな方は、稀だろう。吸血されること自体も忌諱する理由のひとつであろうが、なによりその姿形が受け付けられないと言う人も多いと思われる。体長は2~3cm程と小さな虫であるが、ヌメリのある身体とウニウニした動きは、気色悪さの最上級である。また、その軟体動物風の見た目と裏腹に非常に頑強であり、この世界で最強の凶器であるピン・ヒールのかかとで踏まれても死なないほどの強度がある。

健康被害としては、毒などはもっていないが、血液凝固を阻害する物質を出して吸血するため傷口の出血がなかなか止らない。さらに唾液に痲酔成分も含まれるため痛みも感じにくく吸血されたことに気付かない場合もある。筆者も初めて吸血されたときは全く気付かず、靴下が血で“たぷたぷ”になってようやく気付き、たぷたぷ靴下を洗うのに鈴鹿・愛知川を真紅に染め上げた経験がある。

 高温多湿の環境を好むため、特に夏の沢筋では遭遇することが多くなる。沢登りでは、まさにドンピシャでこの環境となり、ヒルとの遭遇は日常茶飯事となる。ヒル被害を恐れるあまり、沢登りの世界に足を踏み入れることを躊躇する方も多いかも知れない。しかし、沢登り愛好者としては、沢登りというアクティビティは、ヒルとの共存も含めて人間形成に大きく役立つことを声を大にして言いたいのだ。

 「ちょっとくらい吸血されてもいい。たくましく育ってほしい。」(by 沢男ブラザーズ)

~本編~

 大熊林道の路肩スペースに駐車し、大熊谷に下りるとすぐ目の前が東俣谷出合である。小滝をズンズン越えながら遡行していくと不動滝、続いて夢幻滝と大滝が連続する。

特に夢幻滝は上部の直瀑から下段はフレア状に流れが拡がり、なかなかに美しい。その後も楽しく滝場を越えて遡行し、林道へ詰め上がる。林道をぽてぽて西へと歩き、崩レ谷から下降する。谷の上部は、名前の通り谷一面が崩れた岩礫に覆われている。

水流が出てきたところで昼食休憩。休憩後下降を再開する。見栄えのする滝もいくつかあり、何度か懸垂下降を交えながら沢を下って行く。大熊林道へ出る手前から雨が降り出しずぶ濡れになったが、楽しい沢山行であった。

駐車場所まで戻ると雨も止み、コレ幸いと着替えていたが、最後の最後で“沢のナイス・ガイ”てつやさんに悲劇が襲う。まだ4月になったばかりというのにヤツが、そうヒルが、漢字で書くと蛭が付いているではないか!さらには少し吸血されたようで今シーズン初吸血♥「やっぱり、モテる男は、ヒルにもモテるね!」などと浮かれていた筆者であったが、帰りの車中で足に感じるかすかな違和感…クロックスを脱ぐと親指と人差し指の間にくっついてるよ!ヒルが!思いっきり吸血された彼は叫んだ「結局最後は俺なのか!?」

 さあ、ヒルモテ男からヒルKINGの座を奪ってやるというそこの君、沢においでよ!抱腹絶倒、悶絶必至な愉快な山行が君を待っている♥

おしまい

記)いさお

コメント入力

  1. てつや より:

    4月初めなので、油断してました。
    仕事も沢も神対応、を目指しておりますが、今後は塩対応も織り込みます。