雨乞岳(S.S.S事前調査第一弾) 2023.03.28


〈メンバー〉 いさお、なべちゃん


〈コース〉 武平峠7:30~沢谷峠8:08~コクイ谷分岐8:35~クラ谷Co900二俣8:50~三人山北側コル9:09~〈支沢下降〉~稲ヶ谷9:56~雨乞岳11:18~東雨乞岳11:51~三人山12:22~谷沢ノ頭12:46~沢谷峠13:25~武平峠14:00


~プロローグ~

 「雨乞岳、邪魔だな…」

 いや、断っておくが雨乞岳は素敵な山であり、筆者も大好きな山である。前述のセリフは“鈴鹿セブン・マウンテン縦走”を計画する登山者が、漏れなく感じるであろう心の声である…。

 説明しよう。“鈴鹿セブン・マウンテン”とは、鈴鹿山脈の藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳、御在所岳、雨乞岳、鎌ヶ岳、入道ヶ岳の七つの山を指す。某鉄道会社、新聞社、テレビ局が中心となって始めた登山大会が、その始まりのようだが、今ではすっかり近隣の登山者にも浸透してきている。そして、その七つの山を一気に繋いで歩き通す山行が、“鈴鹿セブン・マウンテン縦走”である。そして縦走計画時に出るのが冒頭のセリフである。

 この問題発言気味のセリフは、雨乞岳の地理的位置による。他の六つの山は、三重と滋賀の県境尾根上にあるのに対し、雨乞岳はその尾根からは外れた位置にある。アップダウンの激しい尾根筋の縦走にヘロヘロになった登山者には、雨乞岳へ向かうのは“回り道感”が凄まじく、「おおううん!あんなとこまで行ってられねええ!」などと心折れるには十分な威力があるのだ。(注:筆者目線の感想です。)

 そして、当クラブでは“鈴鹿セブン・マウンテン”を沢登りをしながら繋ぐという【沢で行く!鈴鹿セブン・マウンテン】なる未曾有の企画が密かに進行している。(ほぼ全てのクラブ員から黙殺されているという噂もあるが…)その場合、さらに件の雨乞岳が問題となる。沢登りに適した沢をルートに組み込むのが難しいのだ。というわけで今回は、【沢で行く!鈴鹿セブン・マウンテン】事前調査〈雨乞岳編〉です。


~本編~

 武平峠よりスタート、平日にもかかわらず結構な台数の車が留っている。登山道をテクテク歩き、コクイ谷分岐を過ぎて標高900m付近の二俣を左に入る。ここからはバリエーションである。三人山の北側コルへ向けて沢筋を詰めていくが、ロープを出すような場所はない。2mほどの小滝が2箇所あるが、サイドから簡単に抜けられる。けれども、沢登り感を出すためにあえて水線を越えていく。なべちゃんは、ちょっっと嬉しそうだ。小さな幸せを大きく感じられることが、人として大切。コルに出る手前に少しだけ雪が残っていた。

コルからは、稲ヶ谷へと沢筋を下降する。上部は水は流れていない。傾斜が結構キツく、2ピッチ懸垂下降する。稲ヶ谷の中流域に出る。沢筋を登っていくが、平凡な渓相で平行している登山道を歩く。なべちゃんが、「下流域は、結構楽しいんですけどね。」と言う。そーゆーことは、早く言って!沢でスズメ蜂に襲われたときの逃げ足くらい早く!

詰めの急斜面と薮漕ぎを満喫して、東雨乞岳と雨乞岳の間に飛び出してくる。沢登りの辛く苦しい箇所だけを味わうルート取りであった…。だが、このように自己に試練を与える“自己啓発的態度”が人間的成長に繋がるのだ。ちなみに稲ヶ谷コースは、一般登山道としてはかなり荒れており、特に下りに使うのはあまりオススメできません。

雨乞岳に登頂して、昼食休憩をとる。春の陽光ふりそそぎ、たおやかな心持ちである。下山は、尾根ルートで沢谷峠に出て武平峠へ帰って来ました。お天気も最高で良い山行でした。ただ、【沢で行く!鈴鹿セブン・マウンテン】のルート取りは再考の必要がありそうです。え?どうでもいい?うるる(泣)…

おしまい

記)いさお

コメント入力