<メンバー>
なべちゃん、たろー、けい、miu、りー
<コース:1日目>
千石林道(7:35)~千石谷出合(8:00)~戻滝(8:50)~仙人滝(10:10)~鎌滝(11:55)~佐助滝下(13:45)~黒滝谷出合(16:45)~源流大滝下(17:30)泊
鈴ハイ沢メンバーもずいぶんと経験を積んできたので、今年のお盆休みは黒部上の廊下に挑戦しようと盛り上がっていました。入念に計画を練り、あとは出発するだけとなった直前に台風8号発生・・。予測進路は定まっていませんが、まだ谷の中にいる13日に影響が出そう。行ってみたら大丈夫だったというにはよくある話ですが、エスケープが困難な上ノ廊下に突入するのはリスクが高いと判断。泣く泣く断念します。
上越、中ア、南アももれなく台風の影響を受ける予報・・仕方がないので今年なべちゃんが行きたがっていた、台高の奥ノ平谷に転進します。北アルプス3泊4日の沢旅が台高の1泊2日とずいぶんとスケールダウンしましたが、天気には勝てないので仕方ありません。
しま君、寝坊でキャンセルの悲報があり出発が少し遅れましたが、集まったメンバーで千石林道に向かいます。(このロスが後々響いてきます)。ヌタハラ谷出合を少し過ぎたカーブのあたりに車を停め出発準備。雨上がりの林道にはヒルがウヨウヨいて先が思いやられます。林道を少し歩いて適当に斜面を下って谷に降りるとすぐに奥ノ平谷出合。最初は平凡な河原歩きからスタートです。
最初に現れる初音滝は右側の岩の隙間をズリズリと進みます。今日は泊まり装備でザックが大きいので窮屈。
すぐに両岸が立ってきてゴルジュに突入。なべちゃんの顔がニンマリしてきました。水量が少なければ魚止め滝の直登にチャレンジしようかと思っていましたが、なべちゃんは戻滝で苦戦していています。今日は頑張って源流の極上テンバを目指しているので時間優先。あっさりと巻く事にします。
昨秋は五十肩で登るのに苦労した巻きルートも今回はあっさり登れました。荷揚げの連携もスムーズでみんなの成長が伺えます。巻いたあとは懸垂で谷に復帰。
次の斜滝は大迫力ですが、右側をうまくへつれば濡れずに通過できます。今日の水量は多くは無いようですが、秋よりは確実に多い感じ。
谷は一瞬穏やかになりますが、すぐに仙人滝。ゴルジュは泳いで通過し、滝に取り付きます。左岸から右岸に渡る時に水流をうまく躱すのがコツ。水流をもろに受けたmiuさんは苦戦しています。
次のホラ貝のゴルジュは滝を眺めてから戻って右岸巻き。この辺は前回の記憶が残っているのでスムーズ。
懸垂で谷に戻ると鎌滝の下に出ました。滝がたくさんある奥ノ平谷ですが、この滝が一番のお気に入り。ドーム状に抉られた両岸は立合川の幻の滝を思い出させてくれます。
鎌滝を左岸から巻き谷に戻ると大石滝が現れます。これを越えれば佐助滝、左岸から巻きます。
そしてついに佐助谷に到着です。D字の姿がなんかかっこいい。右の水線を直登する記録を見ますが、今日の水量では決して簡単ではないだろうという事で、ここでも時間優先。右岸の支流(ワサビ谷?)を登って巻き上がります。
佐助滝の落ち口は7年前に泊まった懐かしの場所。しかしこんな所に7人も良く泊まったなあって感じ。時間は14時ですが、極上テンバを求めて先に進みます。
サスケ滝の上も連瀑帯。左岸をトラバースして巻きあがります。ここまではスムーズ。
次の15m滝。前回はトラバース気味に落ち口を目指したような記憶がありますが、ここもスピード優先で少し戻って右岸から安全な巻きを選択。ここから先は基本、巻きに終始するので、りーちゃんは沢に来たような気がしないとぼやいています。
次の3m滝は右岸巻き、その次の8m滝は左岸巻きを試みて行き詰まり戻って右岸巻き。帰って記録を見返したら前回も同じ事をやってました。30分ほどロス、反省。
またすぐに25m滝が現れます。巻きの連続でヒートアップしたりーちゃんは滝に打たれてクールダウン。ここは右岸のザレから巻き。
そしてこの谷の名所の一つ。黒滝谷出合にかかる2連滝です。同じような滝が並んで落ちていますが、実は奥が本流で手前が支流(黒滝谷)に当たります。時間はすでに16時半を過ぎていますが、なべちゃんの見立てではここを越えると泊地が得られそうな地形とのこと。頑張ります。
突破は奥のルンゼを直登し、本流の左岸から巻きあがります。見えている滝の上にも二つほど滝があるので一緒に巻きますが、高度感のあるリッジもあり気が抜けません。
赤倉谷出合に到着。谷は平流になってきました。時間的に源流大滝の突破は難しそう。すぐに泊地を見つけたいところですがなかなかいい場所がありません。そうこうしているうちに源流大滝に到着してしまいました。
ここさえ越えれば極上テンバが待っているはずですが、巻きルートをしくじると闇下になってしまいます。仕方がないので左岸側の少しの平坦地を整地し、泊まることにします。
そうと決まれば、石をどけてタープを張り、薪を集めて焚火の準備。木が湿気ってしたので苦労しましたが、焚火も落ち着いて人心地着きました。
黒部に行けてたら今頃、熊沢出合ぐらいだよね~なんて話をしながら、今年の天気の不安定さを嘆きます。夜はタープを叩く雨の音で何回か目を覚ましましたが、増水するような降り方ではなかったので、またすぐに寝てしまいました。
<コース:2日目>
源流大滝下(7:10)~千石山P1380(9:50)~笹ヶ峰P1367(10:20)~赤嵓滝谷出合(12:20~12:40)~千石林道~駐車地(14:05)
2日目、雨がぱらついて憂鬱な朝を迎えます。タープの下でシュラフに包まりうだうだしていたら雨も上がって来たのでお気だし、朝食を摂ります。薪がすっかり濡れてしまったので焚火が出来ないのが残念。
源流大滝の前で記念撮影をしたら出発です。左岸の斜面を適当に取り付くと壁の弱点を見つけたのであっさり巻くことが出来ました(所要時間30分ほど)。昨日もう少し早く出発していればこの上にある極上テンバに泊まれたかも。
谷はすぐに穏やかになります。5mほどの滝が出てきますが左岸から簡単に巻きあがると1000人泊まっても大丈夫なくらいの極上テンバが広がります。うーん、あともう少しだったなあ。
穏やかな流れを詰めていくとシダの広がる草原に飛び出します。ちょうどガスがかかっているのでミストシャワーの中を歩いているよう、暑くなくてちょうどいいかも。
台高縦走路はすぐそこだったので、登山道に合流、千石山で小休止します。7年前は千石山の東峰から北に向かう尾根を下って赤嵓滝谷出合を目指しましたが、今回は笹ヶ峰から瀬戸越で下山する事にします。
台高の縦走路はいい雰囲気のいい道ですがこの季節はハエやアブにまとわりつかれるのが難点です。虫よけを振ってネット被って歩きます。
瀬戸越は道が消滅して上手く辿れる自信がなかったので、笹ヶ峰まで登り東尾根を辿る事にします。途中まではテープがあって歩きやすかったのですが、降りるにしたがって傾斜が増し、最後は1ピッチ懸垂下降して谷に降り立ちました。これなら前回のルート(千石山東峰から)の方が楽だったかも。
水辺で昼食休憩したら後は林道を目指すだけ。植林の中の九十九折の道を登っていくとあっさりと林道の末端に出る事が出来ました。途中で崩壊した林道の復旧工事をしていたので、そこから先は車も走れる快適な道です。
林道歩きは1.5時間ほどで車に到着。昨日頑張ったおかげで今日は余裕をもって歩けました。汗をたっぷりかいたのでスメールで汗を流して帰りました。
2回目の奥ノ平谷。ゴルジュと滝のが連続する蓮の茗渓ですが、えらくあっさりと抜けてしまった印象。やはり初めての時の感動にはかなわないですね。やっぱり沢は未見のルートをドキドキしながら遡行するのがいいのでしょう。次は頑張って初見の沢に行きたいなあ。
同行していただいた皆さん、ありがとうございました。
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