メンバー:総勢21名
ふみふみ、toriya、たろー、zenkou、にっさん、ガビ、ジョコティン、くろ、ずみ、つよっさん、こうじ、toyoちゃん、もっちゃん、あべちゃん、めぐち、aya、さっこ、りこ、アコ、キャンディー、体験Iさん
ルートとコースタイム :
8:30 朝明駐車場 – 10:10 ハライド 10:20 – 12:00 南コブ 12:30 – 13:00 風越峠 – 13:40 水無 – 14:00 朝明駐車場
『地図読み山行・・・』。図書館へ行くと、それに関する本が多数置いてあるし、雑誌でもしばしば特集される。私も山登りを始めるに当たり、本や雑誌、インターネット情報などを片っ端から読み、勉強したものだ。そして、読んだ情報を基に山を歩き、実践感覚を身に付けることで、自分なりの『地図読み術』を作り上げてきた。
しかし、今回参加するメンバーは山登り初心者ではないので、みんなそれなりの知識を持っているはずであり、私の『術』を披露しても仕方がない。さて、どんな企画にしようかと考えあぐねた挙句、『術』を簡単に紹介したあとは、少人数に分かれて、各自の『術』を話し合いながら実践を行うという方法にたどり着いた。
7:00に乗り合わせ場所へ到着すると、『予習したい人』がぞろぞろと集まってきた。乗り合わせ場所は山と高原地図に乗っている所だったので、この地図を使ってコンパスの使い方をレクチャーした。
8:00前に朝明駐車場へ着くと、眠そうな顔をした連中がたむろっていた。『ぜんぜん眠れなかった!』、とか『寒かった・・・』とか、、。彼らは根の平峠手前で前夜にビバーク体験をし、そのままこの山行に参加するメンバーである。これから頭を使うけど、大丈夫??
駐車場脇の空き地へテーブルを出し、その上に朝明の砂をこんもりと盛り上げて、砂山を作る。『術』の紹介開始である。
南コブ尾根の稜線に見立てた砂山の、中央部分を少しずつ削っていく。削られた部分は谷となり、最高点は稜線より少し下がってコル(鞍部)を形成した。
『稜線に谷が突き上がっている場所は、コルになります』。隣に谷をもう一つ作ると、谷に挟まれた場所にはピークが出来る。ピークがコルより十分高い場合は等高線に現れるが、10m未満だと等高線は閉じずに細長い楕円形になる。『谷と谷に挟まれている場所には必ずピークがあります。いわゆる隠れピークです』。
他にも色々な話を紹介させていただきました。
その後、地図読みマスターと、地図読み隊で構成された三人一組の班に分かれて実践登山の開始です。お題は、ピークの数を報告すること、ハライド山頂で御在所山を見つけること(山座同定)、登山道を外れて南コブのピークへ立ち寄ること、の3つ。
各班の地図読みマスター達が、各自の『術』を説明しながら、順次スタートして行く中、私の班は砂山の後片付けなどもあり、最終班となってしまった。
スタート前に腕時計の高度を合わせ、現在地の確認、次のチェックポイントまでの先読みを行う。
少し歩いて現在地確認を行う。『ここはどこ?』、「今、橋を渡ったからここ?」ってな具合。
ハライド登山口に到着すると、数組が地図とにらめっこしていた。普段なら登山口の道標を探し、テープや踏み跡を見つけて登り始めそうだが、『目の前の谷は地図だとどれ?』とか言いながら、現在地と進むべき方向の根拠を話しあっていた。
尾根でも谷でもない斜面をつづら折りに登っていくと尾根芯へ出た。『ここはどこだか分かりますか?』、「ここ?」、『なんで?』、「??」。
地図で尾根と谷は見つけられても、目の前の風景からそれを感じ取れることが今回の最大のポイントなので、この後ハライドへ登頂するまで、『なんで?』を繰り返す。そして、都度説明をしていくのだが、勘のいいめぐちがコツを掴みかけているのに対し、私の説明に「はい?!」と返事をするふみさんの、自信なさげな声が対照的で面白かった。
ハライド山頂では、山と高原地図を使って山座同定を行った。まずは御在所山で説明を行った後、反対側にある釈迦ヶ岳を探してもらうことにしたのだが、コンパスの使い方が飲み込めないふみさんは、磁針と地図の北が合うまで自分が回る人だった。地図読みあるあるですね(^^)
さて、ハライドを後にした我々一行は、明瞭なピークや両サイドから突き上がった谷を確実に捉えながら進んでいく。南コブ尾根はピークが多数出現するところなので、隠れピークも逃さず先読みしておかなければ尾根分岐を間違えてしまう。実際は間違えそうな分岐の箇所に道標が建てられているので大丈夫だったのだが、逆に道標が建てられる場所はそういうところなのかと感心もした。
この頃になると、地図読み隊の二人も現在地に対する『根拠』を明確に口にするようになっており、三人で議論してから方向を見定めて進むようになっていった。
我々が南コブへ到着すると、先行していた最初の班がお昼休憩を終えて出発の準備を始めていた。隣の班から『風越峠までまっすぐなので、先にコンパスで方向を合わせておこう!』というリーダの声が聞こえてきた。
この場所では私も同じ『術』を使おうと思っていたので、経験豊富なそのリーダの声を聴き、自分の『術』が間違っていなかったことに安心感を覚えた。
風越峠からは東海自然歩道で水無まで下る。途中何ヶ所か崩壊しているところがあったが、前週の下見のおかげで事前に回避することができた。水無からは朝明川を渡渉して左岸の舗装路で朝明駐車場へ戻るのが一般的だが、看板には川の右岸にある東海自然歩道でも行けるようになっていた。右岸は通ったことが無いし、先ほどまでの崩壊具合を経験すると、大丈夫だろうか?という不安が先に頭をよぎる。
「舗装路は嫌いなので、こっちへ行こ!」というふみさんをなんとか説得し、渡渉することに成功した我が隊。ここが、この日最難関の分岐点だったのかもしれない(笑)。
追記
後日、地図読みが苦手だと言っていた人たちが、自分たちだけで地図読み山行と題した企画を立案したり、よく整備された一般登山道でも頻繁に地図を確認する姿を目にするようになったことは微笑ましい限りである。
くろ(記)
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