メンバー:ふみふみ、やっさん、次郎、えだこ、たろー
コース :尾白川渓谷P(7:40)~五合目小屋跡(13:50)~七丈小屋(15:00)
今年の冬は高い山への挑戦しようと考えています。まず手始めは小屋が営業している3000m峰、甲斐駒ヶ岳。黒渡尾根の上部は鎖場やハシゴが連続するテクニカルなコースなのでまずは雪の少ない年末に偵察を兼ねての山行です。
スタート地点の尾白川渓谷Pは黄連谷を遡行した時以来で懐かしい。この辺りは雪の気配もなくまだ秋の雰囲気です。
駒ヶ岳神社を通過し、登山道を登って行きます。溝状に掘れた道は落ち葉が積もった下に岩が隠れていて歩き難い。汗をかきながら登って行きます。
刃渡りの辺りで所々に氷が出だしました。ただ、刃渡りそのものは手すりの鎖がついてあり、難しくはありません。ここまではノーアイゼン。
しかし刃渡りの少し上、梯子が出て来る辺りから本格的に凍結しだしたのでアイゼン装着します。歩き難くなったけどやっぱり安心感があります。
刀利天狗祠を過ぎ、5合目小屋跡を超えるといよいよ梯子の連続する核心部に入っていきます。とはいっても雪で埋まっているわけでは無いので歩くのには全然問題ありません。樹林帯を黙々と歩くより緊張感があって楽しいかも。
ただ、この辺りから風が強く雪も交じってきます。早く小屋に着かないかなと思いながら
垂直のハシゴを登り、鎖をよじ登ってようやく七丈小屋に到着しました。第2小屋は我々でちょうど定員、この後の人たちは第1小屋に泊まるようです。寿し詰めにしないあたりは良心的な感じがしました。
小屋の中はストーブがガンガンついてポカポカと暖かい。自炊場は玄関先のストーブの周りだけなので、使えるのは1パーティーのみ。自然到着順になったので我々はいちばん最後の食事となりました。
今日の献立は味噌鍋にチーズフォンデユ。毎回食べきれない位の食材を担いできますが、今回は本当に食べきれませんでした。はちきれそうなお腹を抱えて毛布に潜り込むと暑いぐらい。夜中に鼾の合唱に悩まされたけど、よく眠れたでしょうか。
~2日目に続く~
<2日目>
コース:七丈小屋(6:10)~甲斐駒ヶ岳(9:05~9:15)~七丈小屋(11:00~12:00)
~五合目小屋跡(13:20)~尾白川渓谷P(17:30)
今日は頂上まで往復した後に昨日登って来たところを下まで降りなければなりません。そう考えると早めに出発した方がいいのですが、小屋の中の雰囲気はなぜかのんびり(モタモタ)している。
出発の準備をせずにゴロゴロしているパーティーから「どこまで行くのか」と聞かれたので「頂上まで行く積もり」というと何故か鼻で笑われました。聞けば、前日、小屋番の方が1時間で100mしか進めなかったという怪情報が流れているようです。みんなラッセルの先頭を嫌っているのかもしれません。でも今日は快晴の予報、「じゃあ、やめようか」という選択はあり得ないので6時に出発します。
丁度、第1小屋に泊まっていたらしい大人数のPが先行していたので後ろに着きます。この1週間に雪が結構降ったようで、モナカ雪の踏み抜きに苦労します。
頭の中では「時間切れ敗退?」の文字が頭に浮かびましたが樹林帯を抜け、8合目の手前まで来ると雪も落ち着き普通に歩けるようになってきました。ペースもあがり、いくつかパーティーも追い抜きます。ここまで来れば大丈夫でしょう。
御来仰場で休憩し気を引き締めます。これからが核心部。でも空は雲一つない好天で自然と顔がにやけてきます。南アルプスの山々の向こうに富士山が見えました。
登山道はトラバースやルンゼ登高などが出て来ますが先行者のお蔭でトレースバッチリ、ルーファイも簡単でサクサクと登っていけます。
岩の上ささった鉄剣の向こうに富士山が見え、かっこいい。ここは修験の道だったのを改めて思いださせます。急な斜面をひと登りすると尾根の向こうに山頂が見てきました。
この辺りからふみふみさんのスイッチが入りどんどん先行して行きます。もうああなったら追いつけません。次郎さんはちょっとバテ気味。滑ったら終わりというトラバースを慎重に歩いて行くと頂上の祠が目の前に見えます。
出発から3時間でついに頂上、快晴微風のこれ以上無いコンディションです。みんなの日ごろの行いでしょうか。各自、思い思いに写真撮影を楽しみます。やっぱり雪山はきれいだなあ。
ずっと景色を楽しんでいたいのですが、時間も気になるので下山します。途中、小屋で我々を鼻で笑ったPが追いついて来た。このP、下山の時は急なルンゼで後ろから煽るように降りてくる。登りはラッセル泥棒、下りは煽る、最低の奴ら。久しぶりに山で腹が立ちました。
小屋には11時に戻ってきて簡単に昼食を摂ります。あとは黙々と我慢の下山です。最後はギリギリヘッデンになりましたが概ね順調、前回歩いた時はヘロヘロになりましたが私も成長したもんだ。
ヘッデンでゴール
厳冬期の前哨戦の積もりで臨んだ冬の甲斐駒ヶ岳。想像していたよりも雪が多く、雪山として十分楽しめてしまいました。また、これ以上雪がついたら我々の今のレベルでは厳しいと思います。次のアタックはもう少しレベルアップしてからにしようと思いました。
参加の皆さんありがとうございました。
記:たろー
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