朝明周回地図読み山行  2016年10月1日(土) くもり

20161001地図読み04
水晶岳山頂にて


メンバー:くろ(L)、もっちゃん

コース:朝明P(8:35)- 猫谷 - ハト峰峠(10:06)- 金山(11:05)- 
中峠(11:30)- 水晶岳(12:27)-根の平峠(12:58)-朝明P(14:02)

行動時間     :5時間27分(歩行時間 4時間15分)
歩行距離     :8.21km
累積標高(上り):525m ※国土地理院標高
累積標高(下り):513m ※国土地理院標高


 今回のテーマはがっつり地図読み山行。
コースタイム3時間10分のルートに5時間以上掛かったとは、一体どんな山行だったのでしょうか?
道迷いしたわけじゃないよ・・・

 参加者には「1/25,000地形図にピークと谷線を記載して持って来て下さい。」と伝えてあったが、どんな予習をしてきてくれのだろう・・・と楽しみながら当日を待った。
当日は生憎の雨模様で降水確率は40%。本来なら山行中止だが、「大雨じゃなければ行きたいです!」との返事に期待が膨らむ。やる気やな(^^)

 雨は9時頃には上がっている予報だったので、少し遅い時間からスタートすることにした。
さて、もっちゃんはどんな地図を準備してきたのだろうかと覗き込むと、一応谷線は書かれているものの、等高線がぼんやりしている小さめの地図で、老眼の私には見えない。そこで、私の予習地図のコピーを渡した。この地図は、ルート上の計曲線(50m間隔の太い等高線)に標高を書き、谷線とピーク(隠れピーク含む)、主要な山頂などを書き入れたものである。この書き入れ作業を山行前に行うことで、ルートのイメージが出来上がるので、いい予習になる。

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予習した地形図

 スタート地点の朝明大駐車場を8:35に出発。の前に、まずは現在地確認である。朝明川の左岸にある駐車場から少し上がると見返り橋を渡る。左はハライド方面へ向かう軽車道、右には大井谷がある。大井谷の方角をコンパスを使って確認。。既に15分程経過したが、まだ100歩しか進んでいない(笑)
今日はがっつり地図読み山行なのでこんな調子で行くよ~。

 左に児玉山荘へ続く軽車道がひっそりと、本当にひっそりと繋がっている。なぜこんなに強調するのかと言うと、何度も歩いた道なのだが、この軽車道の存在を知ったのがつい先日のがっつり地図読み山行の下見時でした。いかに今まで現在地把握をせずに歩いていたかと痛感した次第でした。

 西山荘を越えたところで朝明川を渡り、左に延びる伊勢谷との出合を過ぎると根の平方面の橋が掛かっている。手前の橋は違うよ・・・ ※紙の地形図ではこの橋はありません。電子地図には載ってます。

 朝明川の上流方向に山が見えたので、さっそく山座同定を試みる。必要なのは、①地形図、②地形図上での現在地、③北の方角(磁北)、の三点です。あとはカーナビと同じで、現在地を中心に北の方角へ地図を回せば整置ができます
。整置ができれば、目の前には地形図と同じ風景が見えているはずです。そこに書かれている山が調べたい山です。コンパスは③を知る道具にすぎず、①と②が無ければ無用の長物。逆に②(現在地)が分からなくなってから①と③を出してきても、時すでに遅しです。

さて、もっちゃんの答えは・・・「水晶岳?」正解!

 尾根や谷の分岐でも山座同定と同じ方法で自分が進むべき方角を調べることができます。やり方は何種類かあるので自分が理解しやすい方法で覚えてください。
もう9時過ぎてる。

 次に猫谷経由ハト峰峠までの先読みを行います。「この川の左岸をずっと登り、700m辺りから川から離れ、急登になりしばらくするとハト峰峠に着く」ともっちゃんが答える。確かにいつもなら、特に迷うところもないので、同様の先読みしかしない。しかし、今回はがっつり地図読み山行である。
「左に軽車道、すぐ右には北に延びる谷、川から少し離れS字に曲がりながら北へと進路を変える。中峠に向かう分岐は堰堤があり、北西方向からの谷と出合う。標高560m辺りで大きなS字があり、602m地点で猫谷林道との分岐がある・・・」といった具合に、細かく確認して行こう(^^)

 歩き始めてからは、先読みした通りの地形が現れてくるかを一つずつ確認していく。細かく先読みするほど、ルート間違いに早く気付けるので、本当に間違えた時のリカバリーが少なくて済む。特にピークから尾根が同方向に何本も出ているような場所では、この先読みが重要だ。少し進んでも予定の地形が現れないときは、一筋違った尾根に乗っていると考え、勇気を持って分かる場所まで戻ろう。

 有形文化財の「なわだるみ堰堤(えんてい)」を横目に猫谷に沿ってハト峰峠を目指す。先読みした通り、700m辺りから谷を離れ、急登に差し掛かる。

 ハト峰峠でしばし休憩後、一つ目のピークへ向かう。県境稜線は左手の三重県側が急斜面、右手の滋賀県側が緩斜面になっている。金山までの稜線歩きでも、現在地をしっかり把握しながら進む。

 金山山頂はルート上に無いため、踏み跡を辿ると山頂手前で左に90°曲がり、そのままやり過ごしてしまう。金山山頂から延びる幾筋もの尾根を確認するのが今回のメインテーマなので、ここはやり過ごさずに山頂へと向かう。
山頂に上がると、西へ延びる明瞭な稜線、北へ向かう稜線、北西への稜線が見える。県境稜線上で左へ曲がる踏み跡が薄かったら、そのまま西へ延びる明瞭な稜線を進んでしまう人が続出するだろう。

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金山山頂から西へ延びるルートを確認

 県境稜線に戻り、3つのピークを越えて中峠を目指すのだが、最初のピークで現在地を読み間違う。ルート維持はできているので大きな問題ではないが、がっつり地図読み山行隊としては、遺憾である。地図読みは中々奥が深く、実に面白い。
がっつり地図読みしたせいで、中峠に到着したのがお昼前。まだ予定ルートの半分も済んでいないが、ここでお昼にします。この後は、水晶岳を越え、根の平峠から下山するエスケープルートを採用することにした。休憩を取りながら、地形の特徴について話をした。『やせ尾根は両サイドが急斜面だが、進行方向は緩斜面』とか、『その逆で、急斜面の尾根は尾根筋が広い』とか、『かくれピークの見つけ方』とか。。。

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中峠で地図読み講習

 水晶岳への登りでも地図読みは続く。この頃になるともっちゃんの先読みも冴え、現在地を見失うことはなくなった。

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水晶岳山頂にて

 根の平峠までの下りでは「かくれピーク」を確認。根の平峠から朝明駐車場までは、いつもなら現在地確認もろくにせず1時間足らずで下ってしまうが、一つ一つの谷筋を確認したり、両サイドの斜面の傾斜から現在地を把握したりと、最後までがっつり行いました。

 さて、今回の地図読み山行はいかがでしたか?
地図読みの基本は①机上予習と、②現地でのルート先読みと現在地把握、です。いつでもどこでもできるので、次の山行から少しずつ実践してみて下さい。
また、地図が読めると行ける山が一気に増えます。逆に、地図読みできないからメジャールートしか行けないなんて言ってるそこの人、かなり損をしていますよ!!

記:くろ

※もっちゃんの感想
 事前に地図に谷線やピークを書き込んでいき、それを見ながら現在地確認や山座同定、ルートの先読み、地形の把握など、がっつり地図読みの勉強をすることができました。本で読んでいてもなかなか理解することが難しく、実際にフィールドでの読図で理解を深めることができました。地図が読めれば山歩きはさらにおもしろく楽しくなると思います。地図読みの大切さを改めて実感しました。

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