荒島岳 2016.01.16

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荒島岳山頂にて


メンバー:えだこ、ちっぷる、みにょ、ふみふみ、やっさん、シロー、たろー、ずみ

コース :カドハラスキー場跡(8:45)~シャクナゲ平(11:30)~荒島岳(13:25~14:00)
      ~カドハラスキー場跡(16:55)


 今シーズンの冬は暖冬だ。山に雪が降る気配がほとんどない。近場の山に雪がないことにしびれをきらしたたろーさんが、豪雪地帯の北陸までプチ遠征する企画をあげた。例年では雪が深く手強い荒島岳も、暖冬の今シーズンなら厳冬期でも登れちゃうんじゃね?と思ったらしい。

 難易度は雪山初級、雪山経験者参加可ということで、いまだ雪山装備を購入していないのに、参加したいとたろーさんに相談すると、会のワカン、軽アイゼンをレンタルできるとのことで、参加の了承を頂いた。

 暖冬といっても豪雪地帯の北陸。しかも暖冬だったはずが、開催日の週に北陸地方も本格的に雪が降っているようだ。わたしにとって3月の野伏ヶ岳以来の雪山のため、行きたいといったのにほんとに大丈夫なのかと不安な気持ちが強くなっていった。

 当日、東海北陸道を使って福井に移動、郡上のあたりで雪景色となった。白鳥ICを降りて、油坂峠道路を経由して大野市に入る。勝原スキー場跡地の駐車場にはすでに3台の先客がいた。車を降りて、雪山装備の準備をする。

 やっさんがトラ柄みたいな、工事現場の黄と黒の縞模様のシャレオツワカンを持参してきた。ゴールドのワカンに自分で黒のスプレーでしま模様にカスタムしたとのこと、かなり個性的です。雪もちらほら降っているが、思ったほど寒くない。

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カドハラスキー場跡からスタート

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カドハラスキー場跡

 手袋、マフラー、レインウエアといろいろ着込んで、いよいよ雪山登山スタートする!大野盆地の南東に位置する荒島岳は、「大野富士」とも呼ばれている。(日本人は富士山が大好きです)福井県内では唯一の日本百名山に選ばれた名峰です。

 登る前に、登山案内板で今日の登山ルートを確認と、最後がかなり急登と表示されている。
この雪で急登って、マジ大丈夫かよとナヨっているわたしの横で、ふみふみさんが「コアラジマ・・・」と呟く。コアラ島???どうやら小荒島岳のことを言ったみたいだ。そんなふみふみさんの天然ボケで少しリラックができた。大丈夫だ、きっと鈴ハイのメンバーと一緒ならがんばって登れる気がした。(ってゆーか、登らなきゃいけないんだよ!)

 前日に雪がかなり降ったようで、荒島岳の雪はモッフモフの新雪だった。先週赤岳に行ったメンバーですら、今シーズン本格的な雪山が今回の荒島岳が初めてのようで(赤岳が雪不足のため)、パウダースノーに大興奮!さきに登っている人がいるため、トレースもしっかりあり、ラッセルの必要もなさそうです。

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モッフモフの新雪

 登山開始から急坂のため、リフトの終点ではすでに体が暖まる。マフラーを取ったり、服を1枚脱いだりと、こまめな体温調節をする。シローさんは代謝が良いみたいで、汗だくですでに暑そうです。

 さらに進むとブナの原生林の豊かな森の道になる。雪が積もって一面銀世界。動物の声もなく静かで神秘的だ。夏と冬では山の景色は全然違うんだろうな、夏の荒島岳にもぜひ挑戦したいと思った。

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静かな森の中の道

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トトロの木

 登り始めはたろーさんが先頭だったが、途中でえだちゃんが先頭を任され、みんなをひっぱる。えだちゃん、みにょちゃん、たろーさん、ふみふみさん、ずみさん、ちっぷる、シローさん、やっさんと列をなす。

 北陸の天気は曇りが多いので、天気は期待していなかったが、見上げると木々の間から青空が見え、この調子だと頂上は晴れているかもと期待が高まる。登りながら壮大な白山を見たり、空の青さと雪の白さのコントラストに感動しながら、さらに黙々と登る。

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青空が

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青空と樹氷

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雪は楽しい

 気づくと、わたしの後ろのシローさんがだいぶ遅れているようで、視界から消えていた。一応最後尾のやっさんと一緒だから大丈夫だよねとのことで、どんどん進むたろーさんと鈴ハイ女子5人。森を抜け、尾根にでるとさらに雪深くなった。巨大な「モンスター」も見ることができました。

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急登もなんのその

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大野平野を見下ろす

 途中、みにょちゃんが先頭に交代、ほんわかした雰囲気のみにょちゃんだけど、先頭をグイグイ進む姿はかなり頼もしい、次世代のエース候補です。大雪のなか、誰一人脱落することなく登り続ける鈴ハイ女子、たくまし過ぎます。

 えだちゃんが雪にはまって大きな穴を作っては、ずみさんがその穴を埋めるフォローをするという、チームワークもバッチリです。一時は青空も見え、頂上での絶景に期待したのだが、次第に雲行きが悪くなってきた。

 もちが壁を越えると稜線に出ますが、まだまだ先があるようで、ガスってきて視界も悪くなり頂上が見えません。だいぶ登ったのにまだ頂上じゃないの?と思っていると、胸を突くような急登を登っている人が見えた。それはまるで雪山登山映画のワンシーンのように見えた。

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稜線に出た

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これ登るの?

 これって現実?自分もあれに登るの?マジですか!?ひたすらみんなから遅れまいと必死で急登を登る。深い雪と戦いながら、ひたすら登る、登る、登る、登ると・・・、やっとのことで頂上に到着!ですが頂上はホワイトアウト状態で眺望はまったく何にも見えませんでした、残念!。

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ホワイトアウト

 新雪で雪が柔らかいため、ひとまずワカンを装着です。1年ぶりのワカンのため、装着方法が分からず、レクチャーを受けながら装着完了!さきに登頂していた方の話しだと、今年はやはり通常より雪が少ないそうです。山頂にある祠は、通常だったら雪ですっぽり埋まって見えないはずなのに、普通にありました。これでも十分雪があると思うのに、祠がすっぽり埋まってしまうって、どんだけ豪雪やねん!

 ホワイトアウトの中、風が来ない場所を見つけて、各自急いでご飯を食べます。風が強く、吹雪いてきたため、20分ほど滞在して急いで下山開始です。行きに手こずった急登の下山に不安がありましたが、ワカンを装着していたおかげでなんとか下ることができました。

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記念撮影

 あまりにも急な傾斜は、もう無理と諦め、シリセードで下ります。かなりの急斜面のため、まるでウォータースライダーのように大のオトナがきゃっきゃしながら滑ります、楽しすぎます!このまま滑ってラクして下山だなと余裕をぶっこいていたら、途中登りとは違うルートをたろーさんが発見した。

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シリセード

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楽しすぎます

 やっぱり鈴ハイ、正規ルートでは終らせない、満足しない、山中毒倶楽部です、この獣道にルート変更です。赤いテープがあるので、一応正規ルートであろうと思われるが、使っている人もひとりぐらいのトレースしかなく、ひたすら木々の枝を越えるというルートを歩く。

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道なき道を行く?

 こんなルート、他の人は歩かないよなー、行きのルートほうが早いんじゃないかと思ったりしたが、誰一人文句を言わず、黙々と歩く、歩く、歩く・・・だいぶ歩くと、行きの道に合流。そこで休憩がてら、えだちゃんが持ってきた練乳を雪にかけて、これがほんとの天然カキ氷だわー、とみんな笑顔で頬張りました。

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やっと大の字

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私たちもやります

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天然かき氷

 あとは時間もかなり押していたので、暗くなる前に急いで下山、17時にはメンバー全員怪我なく無事下山完了しました。

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無事下山

 下山後は冷えた体を温めるために、帰り道の途中にある平成の湯へ。建物も新しいし、トロリとしたいいお湯で温泉にうるさいふみふみさんも気に入った、穴場のお風呂でした。

 登る前はかなりビビッてましたが、なんだかんだで十分雪の荒島岳を満喫できました。まさか自分が雪山に登るとは思ってなく、雪山装備にはお金がかかるので、購入するのにためらっていましたが、雪山の魅力に目覚めちゃいました。下山後、さっそく好日山荘で雪山靴とアイゼンを購入したちっぷるなのでした。

おしまい。

記 ちっぷる

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