北岳バットレス　第4尾根　2025.10.11∼13

メンバー　：　タンジ（L、記）、りょう（SL）、あーちゃん、りー

コース
1日目：芦安駐車場　→　広河原　→　白根御池小屋
2日目：白根御池小屋　→　Bガリー大滝取付　→　第4尾根取付　→　北岳山頂　→　白根御池小屋
3日目：白根御池小屋　→　広河原　→　芦安駐車場

こんにちは、タンジです。

　今回は私自身初めてのリーダー企画ということで、クライミングを初めて以来ずっと狙っていた北岳の第4尾根を登ってきました。今回の核心はズバリ天気です。3連休で行く場合は3日間晴れることが望ましいですが、当然そんなチャンスは滅多にありません。今回も台風の発生なども相まって天候がコロコロ変わり、決行当日になっても天気はよく分からないという状況でした。しかし9月にもお流れになっている本企画… 現地に行って自分で岩を触ってみるまで諦めきれず、決行しました。

1日目

そして迎えた土曜日…
はい、めっちゃ雨です。広河原でも既にシトシト降っており、白根御池小屋までの道でとうとう本降りに。久々にレインを着て歩きます。

白根御池小屋でテントを張りますが、雨で取付の偵察に行く気力もなく、お昼寝タイム。結局16時頃まで寝てしまい、お昼を食べ忘れてそのまま夕飯へ。りょうくんの生姜焼きで元気が出ました。しかし外を見るとずっと雨がｼﾄｼﾄ降り続いています。やることもないので、そのまま就寝…

２日目

　翌朝2時に計画通り起床。とりあえず起きてその辺の岩を触ったところ… 夜中の強風の影響かそれなりに乾いていてフリクションは問題なさそうです。雲も晴れており天気予報も回復傾向なので、とりあえず取付を目指します。

　急登の登山道を外れ小さな沢を登っていくと、今回の登攀開始ポイント、Bガリー大滝が現れました。鳳凰三山から朝日が昇ると同時に登攀開始です。

　Bガリー大滝は簡単なフェイスですが大滝と言うだけあって濡れています。プロテクションが少ないため、適度にカムを決めながら突破。朝一のピッチはやはり緊張します。

　Bガリー大滝が終わると再び登山パート。多少のヤブ漕ぎと道迷いを挟みながら、C沢をトラバースしヒドゥンスラブへ取り付きます。残念ながらヒドゥンスラブはヌレヌレ。バットレス上部も濡れているのでは… と不安がよぎります。

　スラブを抜けると、下調べで100回は見たであろうクラックを発見。ここまで来ると岩は乾いていて一安心。帽子を被った富士山が出発を見送ってくれます。

1pはハンドジャムバチ効き。少し上がって左のクラックに足を差し込み優勝。
登って安心していると、りーさんの声が後ろから聞こえます。乗り越し奥のクラックで足が抜けなくなった模様。別パーティの方々にアドバイスを貰いながら抜けれたようです。

　2,3,4pはスラブ。少し悪いことろがあり緊張しました。ここはガールズにもリードしてもらいながらメンズはパワーを溜めます。

　5pは噂の三角の垂壁。一見ツルツルですが、よく見ると薄カチやガバカンテがあり、気持ちのいいフェイス。マッチ箱まで上がると急に高度感のある景色に。アルパインクライミングしてる感でテンションあがります。

　その後はマッチ箱の上から懸垂下降。実はワタクシ、これが初めての懸垂一番槍で緊張。どこに降りればいいかもよく分からなかったため、バックアップを取りながら登り返しも想定して下降しました。幸い適切な場所に降りれたようで一安心。皆さんも続々降りてきます。

懸垂が終われば再びスラブ。今までより悪い＆ボルトがないスラブルートで少し緊張。無理やりカムを決めてなんとかボルトまで登ります。

ここまでくればあと2ピッチ。切り立ったトラバースとラスボスのチムニーです。
標高3000mでナイフリッジのトラバースは緊張よりも爽快が勝り、とても楽しく登れました。

　最終ピッチは”城塞ハング”と呼ばれるハングには見えないチムニー。ここが一番難しいとの情報は持っていましたが、よりにもよって水が滴るくらい濡れています。
　いざ取り付いてみると中がヌレヌレなため、比較的乾いている外側を掴みたくなり結果的にハングを登っている気分になります。もしかしてそういうこと？手が滑り危うく落ちかけましたが、右手のみで保持しノーテン(ここ大事です)。やってて良かった懸垂トレーニング。