メンバー:てつや(L)、たろー、ふなっし、たまちゃん(記)
コース:川浦渓谷P(7:45)−門番の滝(8:20)−大釜の滝(9:20)−3mCS滝(10:45)−落ちたら助からないスラブ(14:00)−林道(14:50)−川浦渓谷P(15:30)
合言葉はリアルガチ!
まずは激闘の一部始終を御覧ください。
山行記:
念願の海ノ溝洞に挑戦してきました。
海ノ溝洞(うみのみぞぼら)は、“男ひとり川浦にやるな!”でお馴染みの川浦渓谷の支流です。大西良治さんの“渓谷登攀”(山と溪谷社)に掲載された3m灰色CS滝の神々しい写真を見てからずっと憧れていました。自分の力量ではまだ早いかな?と思いながらも、憧れるのをやめましょうby大谷翔平を思い出し、勢いでエントリー。何事も勢いが大事なのです。
前回敗退の“みか先輩”から、ハングしてるからパワーがあれば行けるよー?知らんけどー?みたいな助言を頂き、そこから約1ヶ月はジムで苦手なルーフ課題に取り組み、さらに毎日筋トレの荒行。もはやガバさえあればOK牧場?の身体に仕上がって当日を迎えました。
果たして結末やいかに!?



まずは本流の70m直線を海ノ溝出合いまで流されます。最近は入渓まで汗だく3時間とかざらだったので早速の癒しに拍子抜け。このままキャンプ場まで流されたい気分でした。




出合いから少し進むと、さっそく“門番の滝”がお出迎えです。ここを抜けないと文字通り門前払いとなります。僕は2〜3回乗っ越しに失敗して後方に吹き飛びました。ホワイトウォーターの中は上下左右が分からなくなって焦ります。危うく三途の川で沢登りになるところでした💦
その後、本命のたろーさんが難なく一撃突破。嘘でしょ?まじでどういうことなの?



海ノ溝への挑戦権を得た我々は、さらにゴルジュの奥へ…。素晴らしい渓相に感動です。本当に幸せな時間でした。





そうこうしているうちに、第2の奮闘スポット “大釜の滝”に到着。普段の沢登りならどう考えても巻くような滝です。たまちゃんトップで行く?と聞かれましたが、答えはもちろん はい!orイエス!しかありません。
取り付きまで泳いで行ったものの、とにかく出だしが悪い。たしか右手はクラックをカンテ持ち、左手はゴミみたいな薄カチだったかな??そんで右足をハイステップ気味に思い切って上げて離陸。あとはホールド・スタンス共にポジティブなのでハングをそのまま直登。体感5.7くらいでした。
それと注意点ですが、この滝は後続が見えないのでセカンドビレイすると大変危険です。つまり後続も自力でゴボウしながら上がってくる必要があります。泣き言禁止。歯を食いしばってください。





少し歩いて次の核心へ。たろーさんが水線突破を試みますが、弾き返されるので諦めて左岸から巻きました。ここはたぶん他のパーティーも巻いたのではないかな??

高巻いてすぐに最後の奮闘スポット“ 3m灰色CS滝”に到着。息つく暇もありません。魅惑のチョックストーンがギラギラと妖しく輝いております。べっぴんさんです。まじぱねぇって!


左岸の奥に水流の影響が少ないデッドスペースがあり、まずそこに入り込む必要があります。皆で交代しながらトライしますが、なかなかあと一歩が届きません。1便出すと消耗が激し過ぎてしばらく動けなくなります。
疲れてしんどくなり何回かハンマー投げも試してみましたが、我々はノーコン過ぎてかすりもしませんでした。どこかに室伏広治みたいな人いないのかな?ハンマー投げ得意なそこの貴方、新規入会お待ちしております。



昼休憩を挟んだ後、てつやさんが決死のアグレッシブスイムで水線突破。左岸のデッドスペースに潜って泳ぎながらカムをセット。たしか0.4?0.5?くらいのサイズだったと思います。ロープをFIXしてルート工作に成功するも、疲労困憊でCSには取り付けずバトンタッチ。
僕とたろーさん2人でデッドスペースに入り、たろーさんを発射台にして僕がCS下部に特攻。そこからの登攀が意外に渋い。ここでまさかのワイドムーブか?もじもじしていると、てつやさんがカム&アブミをデリバリーしに戻って来てくれました。ウーバーイーツもびっくりの後方支援です。ナイス!
後続パーティー2〜3組がギャラリーになっていたので絶対に落ちられない緊張感のなか、なんやかんやCSを左トラバース。そんで流木を鷲掴みしてトップアウト。久し振りに雄叫びが上がりました。ヒーハー!




全メンバーがCSに這い上がり、やっと長い戦いが終わりました。ここだけでたぶん3時間くらい費やしたと思います。あとは林道に上がって終わりでしょ?と思っていたら、灰色CSの裏には“落ちたら助からないスラブ”が待ち受けていたのです。ラスボス登場!?なんてこったい!



これで難所は全て越えました。ゴルジュ突破はアルパインよりアルパインだということを身をもって実感した1日でした。いま生きていることに感謝です。その後はゴルジュの余韻に浸りながら適当に林道に上がり、駐車地まで歩きます。





海ノ溝に挑戦した感想としては、今までに経験した沢登りのなかで最も厳しい所だと感じました。水量次第ですが、余裕で4級あると思います。しかもアプローチが良いからゲレンデ化しているようで、事故も多発していると聞きました。ソロで突破する人達はたぶん頭のネジが何本かぶっ飛んでるのかなぁ?おーこわ。
それと、みんな必死過ぎて集合写真撮るの忘れました。悪しからず。
おしまい。
記)たまちゃん
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