
<メンバー>
たろー(L)、こうじ(SL)、おすぎ(SL)、マッキー 、パロ、まる、みきてぃ、toyo、タンジ、すがちゃん(記)
<コース>
6/7
新穂高温泉(6:00)-穂高平小屋(7:00)-白出沢(7:50)-滝谷出合(9:30)-槍平小屋(10:40)-槍ヶ岳山荘(16:30)-槍ヶ岳(18:00)
6/8
槍ヶ岳山荘(4:30)-槍ヶ岳(5:00)-槍ヶ岳山荘から下山開始(6:30)-
ババ平(9:00)-槍沢ロッヂ(9:30)-横尾(11:10)-徳沢(12:15)-明神(13:40)-上高地(14:30)
距離:35km、累積↑:2600m、累積↓:2170m
初アルプス、初3000m級、初小屋泊、初高山病、初上高地を体験したすがちゃんです。
槍ヶ岳は目標にしていた山の一つで夏山シーズンに行くかなと思っていたのですが、たろーさんが今回の企画をしてくださり、あまり深く考えずに参加しました。
初めて登った槍ヶ岳からは残雪のアルプスの山々、槍沢では大きな雪渓とその下を流れる沢が見え、今まで登った山では見られなかった豪快な景色が楽しめました。
ただ、雨続きだった5月にあまり歩けていなかったためか、もともと貧弱なのかかなりヘロヘロになってしまったので、体力的な課題を感じました。
直前まで天気の悪い週末が続いていましたが当日の天気予報は良好、移動中の車内からも久しぶりの雪山が見え、期待感を高めて登山口の新穂高温泉に到着、6:00出発しました。


新穂高温泉から緩い登りが続き、登山道の周りに群生する白い花が目を楽しませてくれました。これはニリンソウとういう花で春の鈴鹿にも咲くそうで、花の季節の遅れからも普段登っている山と違いを実感しました。


歩き出してから3時間半ほどで滝谷出合に到着しました。以前、槍ヶ岳登山の動画で見ていたのでこの場所で渡渉があることは知っており、なんとなく気になっていたのですが、ここは今回の山行の中でも特に印象的な場所となりました。強い日光に白い岩が映えて、残雪の残る上流の奥に雄滝が見えました。それまでに登った山では見たことがない大きな谷の奥に険しい穂高の山並みが見えて壮観でした。そこそこ標高が高いから日光も強いのか(ここで1759m)サングラスを外せないほどまぶしい景色でした。


ちなみにここにある小屋はなんだかいわくがあるようで、確かに遠くから見てもなかなかに雰囲気のある感じでした。ただ、中を偵察すると6人くらいは寝られそうな広さでまあまあいいかなと思いました。個人的に厳冬期の槍ヶ岳に登ることを目標にしているので、いつかお世話になるかもしれません。

槍平小屋が近づいてくると登山道に残雪や下界では季節外れのフキノトウなどが現れ、みぞれ状の雪をザクザク踏んで久々の感触を味わいました。今年の雪山シーズンはいろいろな山行を楽しみ、まだ雪山への未練が残っていたので楽しんで歩くことができました。ここまでは比較的ゆるい傾斜を楽しんで登っていたものの、10km近く歩いて結構空腹で、久しぶりの人工物(槍平小屋)が見えてきたときはようやく休めると思ったのでした。

槍平小屋を出発すると残雪もいよいよ深くなり、何度も雪渓を超えて進んでいったのですが、下の方が沢が流れているのか空洞になっており何度か踏み抜きながら進んでいきました。特にスノーブリッジになった危険な雪渓の横断はたろーさん、こうじさん、おすぎさんがすでに対岸に渡ったメンバーと声をかけながら偵察してくれ、慎重にその足跡を拾いながら突破しました。率先して偵察するところはさすがリーダー、サブリーダーだと思いました。今回の私はトレースを使わせて頂く専門でした。ありがとうございました!


進むつれに傾斜が増していき、きつくなっていきましたが、同時に木々の緑がなくなり、目線も高くなってきて周りの山々がよく見えるようになりました。少し遠くの方には乗鞍岳、隣には笠ヶ岳など3000m、それに近いの山々が立ち並び、何度も振り返ってこの景色を見ながら元気を出して進みました。いよいよ傾斜が強くなったあたりでヘルメットと久々に12本爪のアイゼンを装着しました。

ここから槍ヶ岳山荘までの登りは今回の山行の核心であったと思います。このルートは登れば上るほど傾斜が増していき、遠くに見える槍ヶ岳山荘が進めど進めど近づいてこない!私も少しはいいところを見せようと頑張って、無心で先行しますが数十歩歩いては息を整えないと容易に登れず、ふくらはぎの疲労感もどんどんたまっていきました。そのうち数十歩が十数歩に、十数歩が数歩にと一度に歩ける距離が減っていき、最後の方ではほとんど最後尾で皆さんを追いかける格好になりました。今思うと、空気が薄くなるにしたがって運動能力が落ちていたのかもしれません。出発する時に話した感じだと私より重い荷物で挑む方もたくさんいたのですが、情けない…歩荷トレしておきます!


永遠に続くかのような辛い登りでしたが、なんとか稜線についたときはもう穂先に登頂したかのような達成感で、勇んで槍ヶ岳山荘に向かいました。
実は私、小屋泊も初めてだったのですが、山荘では二段のスペースの上側をあてがってもらい、秘密基地感がありなかなか気に入りました。小屋の利用者も少ないようで隣は無人で荷物の整理も簡単にできましたがハイシーズンはいろいろ配慮が必要で大変そうですね。
私は夕飯を自炊希望の方と一緒に頂くことにしていました。私も食材の担ぎ上げを少し分担しましたが、たろーさんはでかい鍋やフライパンも担ぎ上げておられたようで、また未熟さを実感してしまいました。調理の途中で先に小屋の夕飯を食べたメンバーがこれから穂先に向かうということで、調理をたろーさん、toyoさん、マルさんにお願いして私とタンジ君は穂先攻略チームに合流しました。




まず、穂先をバックにおすぎさんにたくさん写真を撮ってもらいました。やはりあこがれの山だったので、一生の思い出になりそうです。
登攀については疲れていたのが懸念ではありましたが、各所の鎖やはしごを使ってゆっくり進めばさほど危険なことはなく突破できました。
今まで写真や映像で何度も見た槍ヶ岳の山頂に立って実際に景色をみると、険しい山並みが遠くまで続き、残雪のある谷も深く、大きく、今まで登ってきた山域とのスケールの違いを感じました。薄く雲のかかった険しそうな穂高連峰やシンメトリックな常念岳の形がとても印象的に見え、あの山にもこの山にも上ってみたいといろいろ夢の広がる景色でした。
この場に立つのはもっと何年か後かと思っていましたが、こんなに早く来られて本当に良かったです。
もちろん山頂でも大撮影会を催しました。





翌日の朝は4:30に小屋の前に集合して再度穂先を登る予定でしたが、疲れからかなかなか体が動かせず、布団からはい出たはいいもののめちゃくちゃ頭が痛い!何とか集合時間に間に合うよう準備して外に出て、ヘルメットを着けるまでしましたがあまりの頭の痛さに再度の登頂は無理と判断し、部屋に撤退しました。
高山病、初めて経験しましたがまともに動けないですね。自分はならないだろうと謎の自信があったのですが、見事に3000m級の洗礼を受けてしまいました。どうやら睡眠中は呼吸が浅くなるので起きているとき以上に酸素不足になるのだそうです。部屋に撤退した後、頭痛薬を飲んで下山開始までには7割くらい楽になりました。


6:00に集合して槍沢を下っていったのですが、昨日の登りとは打って変わって走り抜けるように進んでいきました。私的にはこの谷の景色も初めて見るものだらけでとても楽しめました。大きな雪渓の上を1000m近く一気に下るなかなか豪快なルートで、谷の中央の方はところどころ雪が割れて雪渓の下を流れる沢が見え、上の方から転がってきたであろう岩が雪の上に点在していました。普段生活しているだけでは見えない川や山の変化が見えたように思います。何度も槍の穂先を振り返りながら下りました。雪渓を降りきるころには頭痛もなくなり一安心でした。


その後は登りの時と同様に時々やばそうな雪渓を横断しつつ、景色を楽しみつつババ平、槍沢ロッヂなどのチェックポイント通過して進んでいきました。ただ、この下山ルートもなかなか距離が長く、槍沢ロッヂ-横尾間、横尾-徳沢間はとても長く感じました。登りに比べれば体はきつくないし、エメラルドグリーンの川の流れや、ニリンソウの群生はきれいでいい道ではありましたが何とういうか、長かったです。


徳沢園で昼食休憩としましたが、ここまでくるとかなり観光地化しているようで、登山客ではなさそうな方もたくさんみえました。建物の色や雰囲気、外を流れる川や周りの木々などよく演出されている感じでした。

昼食が済んで適当に休んでいるとこうじさんとたろーさんの会話が聞こえてきて、どうやら下山後のバスの乗り継ぎを考慮すると時間がまあまあギリギリな様子。急いで靴ひもを結びなおし、ザックを背負って歩き出しました。
自分は楽しむことしか考えていなかったのですが、時間管理や帰路の確保を考えてペースを作るリーダー、サブリーダーの負担は大きいなと思いました。いつかリーダーをするときのためにこれからは自分も意識して山行に臨もうと思います。
ペースを上げてもらって進んでいくなか、明神の朽木の沈んだ青みがかった池(川?)も静かで涼やかでいい感じでした。皆さん頑張って歩いたおかげで余裕をもって上高地まで降りて来られました。


上高地ではたろーさん、おすぎさんに小梨平キャンプ場や上高地周辺の施設について教えてもらいました。
また来るとき余裕があれば何か美味しいものでも食べてみようと思います。
ただ、皆さんが上高地に来るときは長い道や、帰りのバス時間の焦りなどでいい印象がないそうで、私だけ楽しんでおりました。
バスの乗り方やチケットの買い方をこうじさんにレクチャーいただき、無事に平湯、新穂高と戻ってくることができました。何度も通うことになると思うので覚えておきます。
今回、槍ヶ岳のあこがれで参加してみて多くの経験と景色を楽しむことができました。
これからも再度訪れると思いますが、初めて北アルプスを見て、たくさん写真を撮ってもらって、お話ししたことをずっと覚えていると思います。
ただ、今回の山行では自分の体力不足を実感しました。テント泊装備で同じルートはかなり困難だと思いました。そのうちアルプスを縦走できるよう重装備での歩きをコソ連しておきます。
あと時間管理やルート確認も提案ができるくらい計画性をもって参加できるようにしようと思います。
企画頂いたたろーさん、いろいろ登山ハックを教えてくれたこうじさん、たくさん写真を撮ってくれたおすぎさん、ご一緒した皆さんありがとうございました。
記)すがちゃん
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