大雪山山行 2023.06.25〜06.27

メンバー/とりや、さっこ、すみすみ

25日登山開始

7:45大雪高原山荘→9:48第二お花畑→11:05緑岳→12:16白雲避難小屋(荷物デポ)→15:00高根ヶ原分岐→16:13白雲避難小屋泊

19年前、緑岳山頂から見た三笠新道と高根ヶ原の大地に惹かれ、いつかあそこを歩きたいとの思いを今回実現させるために遥々やってきました。

大雪高原山荘には24日夕食時間になんとか滑りこみ、温泉と豪華なお料理でここまでの疲れを癒し明日に備えました。

ヒグマセンター

朝7時から開くヒグマセンターでレクチャーをうけないと三笠新道は通れません。前まで来ると、窓から職員の方が「今日から通行止めにしました」と告げられる。林道が開通してヒグマがいつくまでの毎年2週間程度しか通れないこのルートに標準を合わせてやってきたのに、、、今年は18日の開通からわずか1週間、今日は日曜日だしまだ大丈夫だろうと思っていたからショックで自然と涙が溢れてしまい(泣)みんなを驚かせてしまいました。

仕方なく、緑岳ルートで白雲避難小屋をめざしました。救いはお天気でした。樹林帯ではバイカオウレンやミヤマカタバミなど鈴鹿でも見られるお花がちらほら見られ、季節が戻ったようでした。

第一お花畑まで来ると低木となり、木道と大きな雪渓が現れました。雪溶けた地面からはエゾツガザクラやチングルマ、キバナシャクナゲ、エゾコザクラなどお花畑が現れ、雪解けが進んだらもっとすごいだろうなあ♪

大きな雪渓を抜けると緑岳直下の岩場の急斜面で森林限界になりました。背中のザックの重みがずっしりと、また北海道とは思えない暑さで汗が吹き出し何度も立ち止まって緑岳山頂に立てました。

緑岳から白雲避難小屋までは小屋がはっきりと目視でき、迷わず辿りつけました(^^)小屋は3年前に建て替えられて綺麗で快適です。特等席にはすでに女性1人がいたので、その前に寝るスペースを確保して、ここからサブザックに変えて念願だった高根ヶ原の大地を三笠新道の分岐まで往復散歩してきました。

高根ヶ原

高根ヶ原はヒグマの子育てに最適な場所と聞いて、ヒグマに会いたくないと思っていたけど、すれ違った方が「昨日はヒグマがフィーバーだった」と嬉しそうに話していたのを聞いてからは、ばったりと出会いたくないけど、遠目で見たいと足元のお花もみながら遠方もキョロキョロして歩きました。

高根ヶ原はお花を探す必要はないほど登山道脇にはミネズオウ、キバナシャクナゲ、ウルップソウなどお花畑でした♪

高根ヶ原大地の向こうには忠別岳やトムラウシへの稜線が見渡せ、こっちにもおいでと呼ばれているように感じて、三笠新道とともにまた宿題が増えた1日でした。

通れなかった三笠新道

2日目につづく。記/すみすみ


山行2日目:26日

2日目
コースタイム:05:22 避難小屋出発 – 05:59 分岐 – 06:34 白雲岳頂上(小休憩) – 06:55 分岐 – 07:40 ベンチ – 08:30 北海岳(小休憩) – 09:20 松田岳(休憩) – 09:55 間宮岳方面分岐 – 10:27頃 旭岳北面より登頂開始 – 11:10 旭岳山頂(大休憩) – 11:45 白雲岳避難小屋へ引き返し開始 – 13:22 荒井岳付近通過 – 14:05 – 北海岳通過 – 15:30頃までに白雲避難小屋到着

快晴の一日。避難小屋の窓から見えるお花畑が広がる高根ヶ原も、その向こうに見える忠別岳もトムラウシ山もすべてが太陽の光を浴びている光景が広がる。今日はピークハントが続く一日、行程も長いが再び避難小屋に戻るという事でゆっくり出発となりました。

避難小屋から、高根ヶ原、忠別岳、トムラウシ山方面を望む
紫色のショウジョウバカマ

すみすみさんがZenkouさんより取り寄せた2004年会報用(裏)山行記にも登場した紫色のショウジョウバカマ。今年はすでに見頃が過ぎており、数は少なかったが小屋付近で咲いていた。
この2004年会報用(裏)山行記「北海道・大雪山山行(会報用裏山行記)2004年6月18(金)~6月21日(月) 」は、かなり読み応えがある山行記となっている。表には出せない事情がある。

避難小屋裏手側の水場付近(今年は雪が少ないかも)
白雲岳分岐の稜線に向かう途中より白雲岳避難小屋を望む

とりやさんとすみすみさんから、約20年前のエピソードを聞いていた。当時の会報用(裏)山行記にも具体的に描かれているが、当時の条件は2万5千分の1の紙地図コンパス、すみすみさんが持っていた高度計を頼りに山行に臨んでいた。ここでホワイトアウトとなっていたら、自分ならどうするか、どのように行動するかを考えさせられる。

標識が各ポイントにあり、視界があれば登山道も分岐もわかりやすい。
白雲岳方面への登山道
北鎮岳、比布岳方面

比布岳はPippu-dake。麓はエ●キバンのCMでおなじみの町。

白雲岳直下の台地(左側)

白雲岳直下の台地(上の写真左側)をすみすみさんが”野球場みたい”と表現したのに納得。大きな台地はグランド(運動場)みたいだった。

山頂到着!美しいゼブラ景!!
記念撮影
雪道もある

見渡せばお花畑の景色に慣れてきたものの色彩豊かで飽きない。

白雲分岐から北海岳に向かう途中のベンチで休憩 向こうの丘が北海岳山頂

白雲分岐から北海岳へ向かう途中はところどころ雪道があるが快適な登山道。途中、平らなところにベンチがあり小休憩。

2004年会報用(裏)山行記にも登場する場所。当時は残雪が多く、この辺り(もう少し白雲岳より)もまだ雪渓で夏道への出口が判り難い状況だったらしい。山行記によれば、この辺りでコンパスと2万5千分の1地図をつき合わせてルートを確認するも、濃い霧による視界不良により明確な地形を特定できないまま、目の前の景色から現在位置を予測。(登山ルートから外れていたので)ルート復帰の予測を立て、シミュレーション通り進んだ結果、夏道にぶつかったとある。山行記にまとめられているこのエピソードがまるで山岳小説を読んでいるかのようなレベルで緊迫した状況が伝わってきた。
とりやさんの判断やこの山行に参加されたメンバーの冷静さに感心する。

現実に戻って、今回の山行は(使いこなせているかどうかは別として)ほぼ登山地図アプリのGPS頼り。もちろん行動時間や注意点を書き込んだ2万5千の1の紙地図も携行したが、あまり見なかったのか綺麗な状態で残っていた。どうしたものかと反省するも、今後もGPSにお世話になることは確実で、並行して紙地図での確認も怠らないようにしなければと感じております。

北海岳山頂への道
北海岳山頂
記念撮影
北海岳山頂より御鉢平

山頂で会う人々はみんな”今日は最高だ!”という笑顔。御鉢平も余すところなく見える。

北海岳を過ぎ松田岳方面へ

火山帯特有のいろんな色彩の地が広がる。

間宮岳方面への道

北海岳山頂からはお花は少なくなる。

旭岳を目前に一旦下降する

間宮岳で小休憩した後、熊ヶ岳の側面を通って旭岳の取り付きまで一旦下降します。
雪道のトラバースもありますが、たいした量ではなく、難なく通過。その先のコルには地図上では野営場マークがあった。どこでテント張るの???って疑ったが「裏旭野営指定地」として現存しており、私が現地で確かめた位置が間違っていた。後で調べたら、旭岳取り付きに近いところに野営地があった。

北海道最高峰、旭岳へ。

体調があまり良くなかったすみすみさんは旭岳取り付きのところでひとり避難小屋に引き返すこととなり、とりやさんと私で旭岳登頂を開始。この登りを眺めると、今年3月の雪山訓練を兼ねた宝永山山行を思い出す。今回の山行メンバー3人で雪山訓練を兼ねて実施した山行で、あまりの体力の無さに3人とも危機感を覚えた山行でした。

見た目とは違い、意外にもあっさり登れた。

キツイ登りになるだろうという予想とは裏腹に、意外にもあっさり登れた。
この登りの道になぜか多くの天道虫たちがいた。青い空に向かって登る道にふさわしい生き物。

天道虫たち
記念撮影
山頂より地獄谷を見下ろす。その先は、湯気モクモクの姿見の池方面。
旭岳よりトムラウシ山、十勝岳方面。
来た道を引き返して下山開始
旭岳を下山中
大雪山系の赤岳

来た道を引き返し、一気に避難小屋方面に戻りました。
大雪山系の赤岳。紅葉の時期(9月頃)はさらに素晴らしい光景になるとの事です。
層雲峡銀泉台からも登ってみたい。

白雲分岐から避難小屋に戻る道中ですみすみさんと合流。旭岳の取り付きで引き返してからも、絶景とお花三昧で大満足の笑顔!避難小屋近くの雪渓では、やはり約20年前のエピソードが蘇る。

綺麗な避難小屋(2階)ゴールデンカムイ等の読み物も充実
避難小屋窓から高根ヶ原やトムラウシ山方面が眺められる。
避難小屋より美瑛町方面を望む。
とりやさん撮影のスターリーナイト

2日目(26日)は、終日快晴で文句なしの山行となりました。すみすみさん体調不良で今回の旭岳登頂は断念しましたが、過去に姿見の池方面から登頂されているという事と条件的にもコンディション良好だったのでそれぞれの目的別の行動となりました。
約20年前の記憶が蘇るルートを通っただけに、とりやさん・すみすみさんにとっては感慨深い山行にもなったのではないでしょうか。過去の山行記と照らし合わせて、私も感極まる思いです。
三笠新道!来年、またチャレンジしましょう!!そして素晴らしいエピソードをまた生み出しましょう!!!

3日目につづく。記/さっこ


山行3日目:27日

コースタイム:白雲岳避難小屋3:00―小泉岳3:30~3:50―白雲岳避難小屋4:40-白雲岳避難小屋6:55-板垣新道分岐7:30-小泉岳8:25-引き返しポイント8:45-板垣新道分岐9:30-緑岳9:55-第一お花畑11:30~11:50-大雪高原温泉12:20

未明3時、ご来光を見に小泉岳までピストン。今日もモルゲンロートから一日の始まり。夜中に咳き込んで大事を取ったすみすみも元気になって、小屋のまわりの散策を楽しんでいたもよう。

大雪の目覚め

小屋に戻ってから、もうすっかりお気に入りのアマノフーズの朝食をいただく。今日で足掛け3日世話になった小屋ともお別れ、小屋名主のNさんに滞在中のお礼を言って、余ったアマノフーズ押し付けて、初日以来となる全部の荷物をザックに詰めて出発。

まず、板垣新道を小泉岳―緑岳稜線の分岐まで、ここにザックをデポ。この期に及んで大雪山特産のウスバキチョウが見たい撮りたいというわがままなリーダーにみんな付き合ってくれて、小泉岳を越えた先のお花畑にて小休止、今日はここまで。ちなみにウスバキチョウはいるにはいたが、羽化したばかりで元気にぴゅんぴゅん飛び回り全くじっとしていない。。。まぁ、これも宿題ということで次へ向けてのプランに反映しましょう。

ウスバキチョウ(資料写真,環境省)

緑岳へ向かう、いかにも大雪らしいのびやかな稜線の向こうには、初日に歩いた高根ヶ原、その向こうにトムラウシ、さらに十勝連峰。3日間共にしたこの景色ともいよいよお別れ。

緑岳へ向かう稜線。向こうにトムラウシ。
さらば白雲岳
さらば、ホソバウルップソウ

デポ地まで引き返して荷物を背負うと、悲喜こもごもの気分で出発。初日に踏んだ緑岳のピークを過ぎるといよいよ下山の始まり。正面にずっと三笠新道の斜面が眺望され何度も立ち止まってしまう。途中第一お花畑で大休止。あとワンピッチ。

正面に三笠新道を眺めながら下山
第一お花畑まで降りてきた
第一お花畑のアオノツガザクラとチングルマ

さて、下山地の大雪高原温泉が近づいた。思えばすみすみの悲鳴と涙から始まった大雪山もいよいよ大詰め。山行タイトルの三笠新道がリベンジ・リスト入りしたのは痛かったが、その穴を埋めてお釣りが来るまさかの3日続きの晴天に限界突破の絶景。次の山行が怖くなるくらいコンディションに恵まれた山行、メンバーのみんなにはどんな思い出になっただろうか。

下山したら温泉。3日前に宿泊しているのでタダで入れてくれた。

数々の幸運を連れてきてくれた初北海道にして初大雪のさっこ、20年近く温めてきたプランを共有してくれたすみすみ。みな仕事が忙しい中随分無理をしてくれて、咳出たり鼻水垂らしながらの参加、申し訳なくありがたく。一つミッションをクリアするはずが、三笠新道リベンジという新しいミッションが発動してしまいましたが、またこの北の山を一緒に歩けたら嬉しく思います。

記/とりや


番外編/とりや

我々は、層雲峡にスキージャンプ女子の高梨沙羅選手のご両親がオーナーのセブンイレブンがあり、さらにお母様はフルメイクで高梨選手に生き写しとの情報を得ており、下山後真っ先にそのセブンに向かったのは言うまでもない。残念ながら高梨ご両親は不在で、さらに大型バス一台分の台湾団体が乱入したため、早々に退散。次に向かうは北海道限定コンビニ、オンリーワンにしてナンバーワンのセイコーマート。ここのオリジナル商品のクオリティはすごい!リーダーの大好きなアテの「鮭とば」などセブンと同等価格で十倍量。セイコーマートさえあれば北海道で生きていける!

ということで、各自食料を買いだししてその夜は層雲峡ホステルの一室でささやかな打ち上げ、幸せな夜は更けてゆきました。

最終日は新千歳までの移動日、少し時間に余裕があるのでプロジェクトXで有名になった旭山動物園へ。平日でも大変な混雑でしたが、でも行動展示の華、アザラシとシロクマを見て、シマフクロウにオジロワシ、ヒグマのトンコに挨拶して思い残すことなく新千歳へ。

有名なアザラシの行動展示。
暑い日に、白くまくんも気持ちよさそう。
ヒグマのトンコ。

さあ、あとは飛行機に乗るだけ。。。なんだけど空港でさっこが機内に凶器を持ち込もうとして警察ともめている。。。が、これも無事円満解決。メンバーみんなそろってめでたくセントレア行きの飛行機の人となりました。

さらば北海道。必ずまた戻ってきます!

記/とりや


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