<メンバー>
たろー、おけい、おすぎ、りー
<コース:1日目>
新穂高温泉P(7:30)~左俣林道~穴毛谷堰堤群(9:05)~渡渉でウロウロ~雪渓末端(12:05)~穴毛大滝下(13:30)~杓子平(16:30)
毎年恒例で続けてきた5月下旬の残雪期登山。昨年は天気が悪く断念しました。今年はすっかり沢登りモードにチェンジしていましたが、やはり最後に雪を踏んでおこうと企画します。行先は6年前に日帰りで行って好印象の穴毛谷、今回はテント泊装備で笠ヶ岳まで足を延ばす事にします。
メンバーは4人。前回からのリピーターがいないのは残念ですが不確定要素の多いバリルート。大人数でも困るので致し方ないかな。
1日目は穴毛谷を詰めて杓子平で泊予定。行程に余裕がある(つもりだった)ので新穂高温泉の登山者用駐車場をのんびりと出発します。
蒲田川の左俣林道を進み、二つ目の橋を渡って穴毛谷堰堤群に向かいます。一部崩落している箇所がありますが歩行に支障はありません。林道終点から最終堰堤の下に降り立ちます。
堰堤を巻くには右岸に渡渉する必要がありますが、前日の雨で水量はかなり多め。結局、水深が一番浅そうな直下堰堤の上をつま先立って走り抜けました。
最終堰堤を巻きあがると河原が広がります。雪渓は標高1500m辺りまで後退しているので、雪渓末端まではゴーロ歩き。右岸側を順調に歩いていましたが、壁が立ってきて行き詰まってしまいました。
渡渉ポイントを探して右往左往・・・、水量が多く、なかなか良いポイントが見つかりません(今回は沢靴は持っていっていませんでした)。結局、大きく戻って谷が少し広がった辺りで渡渉。1時間ほどのロスタイムとなりました。
渡った先は中洲。藪っぽい中を歩いてやっと雪渓に乗る事が出来ました。ふう・・・。ここからが本番。気を取り直して山行再開です。
雪渓は三ノ沢の少し下流から始まっています。これに乗ってしまえば後はアイゼンをはいてひたすら登るだけ。遥か先まで続いている広大な雪渓、両岸にそびえる岩壁、頭上には青空と白い雲。何だか外国の氷河を歩いているような気分です(行った事ないけど)。
ただ、雪渓の真ん中にも直径1~2mの岩が転がっています。特に支沢との出会いは雪解けとと供に崩れた岩屑が堆積しており、気が抜けません。四ノ沢の下流の枝沢からは大量の土石が流出しクレバスもあってちょっと嫌な感じ、急いで通過します。
四ノ沢出合いを過ぎ、右手に穴毛谷の名前の由来となった巨大な洞窟を見送ると穴毛大滝が見えてきます。すごい・・・。あれだけの水量がこの雪渓の下を流れていると思うと少し怖い気がします。
穴毛大滝の巻きはザイテンタール(正面に伸びている雪渓)を途中まで詰め、右岸の尾根を乗越します。幸い、雪はつながっていたので(急ではありますが)思ったよりも簡単に乗越せました。
穴毛大滝から上部からは傾斜も急になり重荷もあって足がどんどん重くなります。おまけに滝やスノーブリッジ(1か所だけ)も出てくるのでルーファイしながら慎重に登って行きます。
途中力尽き「もうここにテントを張ろう」となりましたが、雪が硬くて整地できなかったので、計画通り平坦地の期待できる杓子平まで頑張る事に・・。おけいさんやりーちゃんはヘロヘロです。(すぎちゃんは相変わらず元気)
そして出発9時間後、やっとテントの張れそうな平坦地に到着しました。雄大なカールの底からは笠ヶ岳とそこから延びる稜線が見渡せます。四方数キロ内にはおそらく我々しかいません。心配した風も大した事無くて一安心。早速テントをはり、夕食準備。ちなみに水場も徒歩5分。水造りも不要でした。
今日の献立はガパオライスにアジアンチキンスープ。なかなか上手くいきました。ただ、米は沸点が低いせいか少し芯が残ってちょっと固め。高所での炊飯は難しいなあ。またチャレンジしよう。
2日目へ続く
<コースタイム:2日目>
杓子平(5:50)~折戸岳(7:20)~笠ヶ岳山荘(8:40~9:00)~笠ヶ岳(9:20)~笠ヶ岳山荘(9:40)~杓子平(11:40~12:40)~穴毛谷下降~新穂高温泉(17:10)
翌朝4:30、鳥の声で目が覚めます。テントの外は既に明るく寒くありません。残雪期はいいなあ。テントの中で各自食事をして出発準備。すぎちゃんは相変わらずおしゃれなモノ食べてます。
まずは一番近い稜線を目指します。視界が広がると目の前に槍から穂高の稜線がバーン!!!この景色が見たかった。ただ逆行なので写真にはうまく写らなかったかも。
さあ、ここから笠ヶ岳へ。昨日、笠新道を登って来たトレースが抜戸岳方面に伸びているので、それを辿ります。
まずは稜線に向けてカールを横切る形で登って行きます。まだ、雪は締まっており、アイゼンがサクサク効いて気持ちいい。今日は荷物も軽いので楽勝です。
と思ったのは最初だけ。徐々に傾斜が増し脹脛が悲鳴を上げます。そして慣れない高所の薄い空気に息が弾むばかりで足が前に進みません。笠新道分岐直下の急斜面を何とか登り切ります。
せっかくだからというリーちゃんの言葉に誘われて抜戸岳まで足を延ばします。双六岳から三俣蓮華、遠くには黒部五郎も見えます。GWに縦走したすぎちゃんは感慨深げに眺めていました。
ここからは稜線沿いの登山道を笠ヶ岳まで。雪が残っているのは半分ぐらいでしたが、そのままアイゼンを履いたまま進みます。途中、単独のトレースの主とすれ違います。稜線から我々のテントが見えていたようです。
なかなか近づいてこない笠ヶ岳とアップダウンを繰り替えす稜線にげんなりしていると、やっと小屋に到着しました。ここは6年前に小倉谷を遡行して以来。そういえば、あの時もここで休憩したなあ。懐かしい。
笠ヶ岳山荘から山頂まではあっというま。絶景を楽しみ、記念撮影。祠に帰路の安全を記念します。
山頂を踏んだら下山。時間も押していたので足早に下ります。すぎちゃんはライチョウを見たみたいですが私は気がつきませんでした。
小屋まで下りてくると笠新道を登ってきた日帰りの登山者とすれ違います。我々はすぐそこに泊まっていて、ひーこら言いながらやっと登って来たのにもう追いつかれています。みんなすごいなあ・・。
黒部源流の山々や打込谷の源頭を眺めながら笠新道分岐を目指します。かなりへばってきましたが絶景に励まされrます。
カールへの降り口をバックステップで慎重に下りるとあとは雪渓をサクサクと下るだけ。登りは3時間かかりましたが下りは2時間でテントに戻ってきました。
テントを撤収したら穴毛谷を下って行きます。雪がかなり緩んでいるのでスリップに注意しながら慎重に。昨日、途中でテントを張ろうとした場所にはデブリがありました。(上まで上がっておいて良かった~)
雪渓の下りは早い早い、あっという間に雪渓末端まで。下流の水も昨日よりは少なくなっているようで、渡渉もすんなり。あとは林道をテクテク歩いて駐車場まで。
久しぶりのアルプス、沢ばかりやっていた体には少しきつかったですが絶景の中静かな山歩きが楽しめました。やっぱり残雪バリエーションも楽しいなあ。参加の皆さんありがとうございました。
記)たろー
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