残雪の飛越新道~新穂高縦走 2022.4.30~5.4

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黒部五郎岳より。絶景でした~♪


<メンバー>
もっちゃん、ふみふみ、こうじ、おすぎ、しま

<コース>
1日目:飛越トンネル手前駐車地(6:00)~飛越新道登山口(6:30)~寺地山~北ノ俣岳(15:00)~赤木岳(16:00)
2日目:停滞
3日目:赤木岳(4:00)~中俣乗越~黒部五郎岳(7:30)~黒部五郎小舎(10:00)~三俣蓮華岳西側ビバーク地(14:00)
4日目:ビバーク地(5:15)~三俣蓮華岳(5:45)~三俣山荘(6:45)~鷲羽岳(9:20)~三俣山荘~双六岳(15:20)~双六岳巻道分岐(16:00)
5日目:双六岳巻道分岐(4:30)~弓折岳(6:20)~イタドリが原~小池新道入口(9:00)~新穂高(11:00)


やって来ました!1年の中でも壮大な計画となるGW山行。
今年はもっちゃんの4泊5日(停滞も計算ずく)残雪の北アルプス縦走企画。
素晴らしかったです!!このひと言につきます。
仲間の大切さ、厳しくも美しい大自然、大感動と多いに勉強となった山行となりました。
強引に連休を確保する為タイトな業務の疲れと4泊5日の食事などを検討したりと、緊張とわくわくで眠れない前夜でした。

“1日目”
出発地の飛越新道入口まで林道を歩きます。前日からの雪が積もっており、周囲の樹氷景色が感動のお出迎えをしてくれました。
2日目のお天気があまりよろしくない状況を見越して進みます。
みんな4泊5日分の荷物の重さにびっくり!!(私の荷物の重さは気が滅入るといけないとの事で、途中まで明かされませんでした(笑))

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車はここまで。まさかの雪景色にびっくりです

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駐車地から30分で登山口に到着

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歩き始めは真っ白だったけど

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どんどん青空が広がってきた

良いお天気と絶景になっていくコースに感動しながらも、重い、、重い、、、。
エネルギー切れにならないよう声かけあって、上手に行動食をこまめに摂取。

寺地山からの大展望にパワーもみなぎります!
しかし、北ノ俣岳避難小屋辺りを過ぎてからの木道で休憩していると、神のお声が、、、。
軽量化を頑張って来たおすぎちゃんとしまくんの「荷物持ちますよ!」と。

ここで私の重量が明かされ、遠慮なく神様方に荷物をお渡ししたのでした(今後は体重の半分以上にならないよう荷造り致します、、ありがとうございます)。

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寺地山からは目指す北ノ俣岳がど~ん

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絶景にパワーをもらいます

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めちゃくちゃ荷物重いけど、景色のおかげで疲れも緩和?

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鍬崎山が近いっ

そして、北ノ俣岳へ。赤木岳を過ぎた所まで頑張って進みました。

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稜線にでると、赤牛岳・水晶岳・鷲羽岳・三俣蓮華岳などなどお目見え

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9時間かかってようやく北ノ俣岳に到着

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黒部五郎岳方面へ。槍ヶ岳のあたまがちょこんと見えました

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疲れはピークですがもうひと踏ん張り。バックに薬師岳

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最高の天気

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今日はここまで。よく頑張りました

さあ、今回の一番の反省点である食材のお裾分けの時間です。
4泊5日の日程×ほぼ2人分の食材を持って来てしまっていました(汗)。
ほぼ毎晩しまくんに調理させて頂きました。食べて頂いて本当にホントーにありがとうございました!

今回は2テンに女子、3テンの男子。雪の壁を作れば寒くなかったです。
ただ、、、雪は積もり風は強く、予定通りの悪天候になりました。

“2日目”
出発予定時間も同様の悪天候だったので、停滞決定。
改めて眠りにつきました。

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昨日と打って変わって真っ白…

この停滞日がまたとても良い勉強の時間となりました。

この5日間、
雪質が違う水作り、ライターを冷さない、降る雪や強い風の中でのテント設営と撤収、
行動食の内容(甘い物ばかりは☓。ちくわやささ身バーが美味しかった)、衣類等は濡れないように、ゴーグルとサングラス必須、手袋の指が開いたら指ありに交換、日焼け止め+リップクリームはたっぷりと、着替えなかったけど雪山はあまり臭わない、荷物重過ぎるとエアマットでは背中痛いまま、、とにかく今後体重の半分以上の荷物は持たない!!
後ろを振り返って声をかけてくれるメンバー、危険を察知してくれるメンバー、それぞれ得意分野で能力を発揮し、助け合い、声掛けあって進んだこの縦走は一生の想い出です。

多くの反省と勉強と、仲間の偉大さと、自然とは共存する知識を持って楽しむ事をしっかり味わう事が出来ました。

記)ふみふみ

“3日目”
2日目の赤木岳近くでの停滞を明けて、3日目はAM1時起床。午後から天候崩れるというのでかなり早出。2日目はテントで昼寝のしすぎで直前まで寝れなかったが、丸1日昼寝したりゴロリしてたので疲れは取れています。

外を見ると空には星が輝き、雪が降り積もっています。風は強め。風除け雪レンガの壁の高さまで雪が吹き溜まってますが、20cmから50cmくらい降った感じ。雪質はサラサラでラッセルが大変ではなさそう。
テント撤収時には雪の掘り起こしとカチコチに固まった基礎からのペグ取りが難儀でした。気温マイナス8℃でキンキンに冷えてます。

3時半頃からヘッデンで歩き始めます。
中俣乗越を超えて、黒部五郎岳を登り始める頃に朝陽が昇る。モル化した雪山が美しすぎる。

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いい1日の始まり

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静寂

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黒部五郎岳へ

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美しいモルゲン

初日に地肌が見えていた山肌は真っ白に着雪しています。長〜い急登斜面をアイゼンの爪を効かせて、朝陽を浴びながら直登します。
雪に埋もれたハイマツゾーンからゲロゲロ〜、カエル⁉︎じゃなくてライチョウが! 朝早くからお出迎え。おいらの写真はイマイチでしたが、おすぎカメラマンのniceなphotoで思い出を記録に残せました。

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長~い急登。雪がきらきらまぶしぃ

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茶色かった山肌は真っ白に

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癒されます

長〜い急登斜面を登り切って、黒部五郎岳ピークに到着。メンバー4人は初めてです(^ ^)もっちゃんリーダーは何度目かという。貫禄というか年輪が違うな‼︎ 新雪で真っ白に染まった、北アルプスの山々が、、、美しすぎる〜。槍も剱も雲ノ平もあれもこれも真っ白でクリア‼︎
埋もれていた黒五の木板を探し出し、歓喜の写真撮影大会です。

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北アルプス一望

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笠ヶ岳と

黒五ピークからカールへ降るコースと稜線コースありますが、積雪期なので波線の稜線コースで黒五小屋へ向かいます。積雪期のこのコースを通った投稿が見つからず初見の景色(^^)やばかったらどうしようって密かにドキドキでしたが、やばい箇所なし。こんな奥地までやってきた人だけの特別な景色か〜。一面真っ白で快晴☀️たまらぬ〜

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積雪期はカールコースは雪崩れるので使いません。稜線コースへ

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青空さいこ~

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この時期の稜線コースは歩きやすくサクサクっと

黒部五郎小舎は、谷間にひっそり深雪に埋もれていました。トレースもない無垢の新雪に覆われてます。😆営業している時に再訪したいものです。小屋のあたりでは快晴無風で日差し照り返しで鬼のように暑い。喉が乾く〜。朝のマイナス8℃が嘘のよう。

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黒部五郎小舎に向かっておりていきます

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当初は三角屋根の冬期小屋に泊まる予定だったけど、ここまでは遠いなぁ

小屋からは三俣蓮華岳の稜線まで急登激登り。プチラッセル交代で登るも先頭に追いつかず、先頭なれず、交代できず、わざとじゃないですよ。(°▽°)

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黒部五郎岳のカールをバックに稜線まで劇登り

劇登りはTシャツ1枚だったのに稜線は寒くてハードシェルを着込む。どんどん吹雪で視界不良で気温も下がり、三俣蓮華岳手前の稜線上でビバークテント泊。テントの中に逃げ込むとあったけえ〜と安堵するのでした。

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稜線に出るとあっという間に天気が崩れ、ビバーク地点を必死に探す

テント内も氷点下、朝までテント内の雪は溶けないのですが風がないだけ極楽ですよ。天候変化の早さ、自然の厳しさを実感しました。この日も30kg近いザックは重かった。
北アルプス縦走3日目、ハードな面もあったけど最高でした(^∇^)

記)こうじ

“4日目”
2日目3日目の遅れを挽回すべく、今日も早めのスタート。
昨日はホワイトアウトでまったく景色が見えなかったが、
目の前には山々が
雲がかかってより壮厳さを増して座している。

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この日もご来光が見れた

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とっても寒いけど空気が澄んでいます

まず三俣蓮華岳を目指す。
今日も槍の穂先はよく見える。
風が冷たい。
太陽が登れば温まると思ったが、残雪期でこんなに寒いとは。
たまらず厳冬期グローブに付け替える。
頂上は風が強く、写真だけ取ってすぐに先に進む。

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三俣蓮華岳はビバーク地の目の前に。けど昨日は何にも見えなかった

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三俣蓮華岳は風が強くて寒すぎました

荷物をデポって鷲羽岳を目指す。
一気に身軽になった。
いったん下って
先に目を遣るとドーンと鷲羽岳が立ち塞がる。
威圧感がスゴイ!

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身軽になって鷲羽岳へ

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ガスが揺らめく鷲羽岳もかっこいい

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三俣山荘と鷲羽岳

登り始めは昨日積もった雪にトレースを付けながら進む。
尾根沿いの夏道に合流すると
雪が少なく地面が露わになっていた。

標高を上げていくと
空気が薄いのか一歩一歩が重い。息が上がる。
山頂に近づくにつれ岩場に。
岩が雪に覆われ歩きづらい。
足場を確認しながら慎重に登って行くが
時々雪の吹き溜まりにハマり、体力を消耗する。

ハードシェルの下に保温着を着ていても、
しかも登っているのに寒い。
今シーズン行った雪山でイチバン寒いくらいだった。
メンバーの気温計はマイナス15℃!?を指していた。

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1番乗りでトレースをつけていきます

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急なところもあり息が上がる

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こんなに天気がいいのに寒いっ

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絶景を背負って

何度か偽ピークに騙されながら鷲羽岳山頂へ到着。
相変わらずどこを見渡しても圧倒的な景色!

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鷲羽岳も360度大絶景

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薬師岳と水晶岳

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鷲羽でお約束ポーズ

鷲羽を後にし、デポを回収し双六岳を目指す。

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鷲羽岳からの下り、黒部五郎岳のカールがきれい

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下りは早い

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あっという間に三俣山荘

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威圧感抜群の鷲羽岳

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双六岳も雪いっぱい

行動開始から10時間くらい経っているのと
デポ回収でまた重くなったザック。
双六直下の長い登りは最後の試練でした。

いつもの双六台地の絶景も
槍に雪がカブっていて一層迫力を増している。

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かっこいい~

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こんな景色を見ながらなんて、ほんとに最高

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笠ヶ岳がだいぶ近くなってきた

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素晴らしい稜線歩き

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双六岳直下の登りはめちゃくちゃキツかった

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この日は1日快晴。疲れてるけど気分は晴れやか

この日は絶景を望める双六小屋近くに
テントを張ることにしました。

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双六小屋に向かいます

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双六小屋付近は風が強いのか、雪が少ない

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小屋まで下りずに途中で終了。この日も絶景テント泊

記)おすぎ

“5日目”
最終日は双六岳の巻き道分岐からスタート。
早朝風が強かったですが、幸いにもこの日は、一番気温が高く、耐えれる寒さの中、風で荷物が飛ばされないように注意して撤収し、下山を開始します。
天気は高曇りで、日の出、槍の穂先は見えなかったですが、このルートは登山者が多く、トレースもしっかりついており、快適に下山できました。

双六小屋を抜け、笠ヶ岳へと続く尾根へ進みます。
当初テントを張る予定だったこの尾根は、目前に槍穂高連峰が見え、良い泊地として期待できます。いつかここでテントを張りたいな。

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天気は残念だったけど、あちこちによさげなテント場が

弓折岳の2592ピークから鏡平山荘をショートカットしながら、尾根を下り、小池新道へ入ります。この下りは急なため慎重に進みます。

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弓折岳から下ります

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急斜面はクライムダウンで

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長い下り。慎重に

旧大ノマ分岐もショートカットし、最短距離で行こうとしましたが、親切な登山者に「谷筋はクレバスができてるから危ない」と言われ慌てて尾根に戻ります。
それから小池新道登山口まで下りてきて、そこからは林道を歩きます。そして新穂高温泉へたどり着きました!

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下りるにつれ天気が回復

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雪渓歩きにようやく終わりが見えてきた

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充実の4泊5日。達成感は半端ないです

早く着いたので、中崎山荘の温泉で5日分の汚れを落とします。日焼けが痛いけど5日ぶりの風呂は最高でした!

その後、濃飛バスで平湯へ行き、そこから日に一本しかない神岡町行きのローカルバスに乗り換えます。なんと途中まで運賃が100円のみで、1時間半ぐらい乗ってたのにも関わらず500円ぐらいでした。道の駅スカイドーム神岡からタクシーに乗り換え登山口へ。
これにて長かった5日間の縦走が終了。皆さんありが…….
ではなく最後に車までの約5km林道歩きが残ってました。濃飛タクシーはまだ冬季通行止めのゲートから先へは行けないとのこと。なお宝タクシーは行ってくれるみたいです。(林道歩いている途中ですれ違いました)
1時間とちょっと林道を歩き真のゴールの車へ、この林道がこの日の核心でした(笑)

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ローカルバスはミニサイズ。ザック置くのも大変

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メンズ3人が林道歩き頑張ってくれました。雪はまったくありません

企画して頂いたリーダーのもっちゃん、同行させていただいた皆さん、ありがとうございました。いつもより重たい荷物、停滞、工程変更等ありましたが、予定通りの全工程をクリアできたことは、リーダーに感謝です。
最高の5日間の大冒険になりました。

記)しま

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