<メンバー>
もっちゃん、りー、けい、せい
<コース>
1日目:冬期ゲート(7:20)~鳥倉林道ゲート(9:50)~鳥倉登山口(11:30)~三伏峠(17:10)
2日目:三伏峠(5:15)~烏帽子岳(7:00)~前小河内岳(8:30)~烏帽子岳~三伏峠(10:35)~鳥倉登山口(13:40)~鳥倉林道ゲート~冬期ゲート(16:45)
縦走やテント泊山行の魅力ってなんだろう、こんなに辛くてしんどいのになんで好きなんだろう、それを強く教えてくれた山行になりました✨
今回の目的は「冬の小河内岳からの景色が見たい」
長い長い林道歩きの後、三伏峠で一泊、翌日早朝から冬山の稜線を歩き小河内岳までをピストンする計画です。冬の稜線歩きや長時間の行動を伴う本格的な冬山テント泊山行であり、数日前から胸が踊りっぱなしでした。
鳥倉冬期ゲートに7時着。長い旅の始まりです。先行者は1パーティ、林道は去年の塩見と比べて雪が遥かに多くトレースが多少あるもののスピードが全く上がりません…。結局登山口にたどり着いたのが11:30。スタート時点でお昼になってしまいました。
メンバー間に焦りが生じるもリーダーがかなり余裕をもって登山計画を立ててくれたので、なんとかリカバリー出来そう✨モフモフサラサラの雪を楽しみながら登山道に入っていきました。この時は幾分気が楽だったのですが…登山道を7〜8割進んだ頃事態は急変します。
前方から悲鳴が聞こえました。よく見ると2人の登山者がラッセルをしていました。あ然としました。私達は平日に雪が降ってなくてトレースがあると考えていましたが、先行者2名がスタート地点からラッセルしていたようでした。肉体的な疲労から大きな声を出していました。
すぐに代わろうとしましたが「ここまで来たら最後までやりきりたい」と言います。「凄いです。でもできれば白旗を上げて欲しいです」なんて冗談めかして言っていると、数分後に向こうから代わってほしいとのこと。「ここからは我々にお任せ下さい!」本日もラッセル開始です。
ラッセルを始めてすぐ彼らが悲鳴をあげるのを理解しました。今回は尾根道ではなくずっとトラバース。雪が深く、パウダースノーなので足場が固まりません。スピードを上げるために数分おきに交代して攻めますが、トラバース後の急登でメンバー全員がかなり疲労してしまいました。
気付くと夕焼けが赤く染まっていました。日の入りまであと1時間、こんなところでテント張りたくない、マジでヤバいと思いました。でも焦りと疲労ですぐに息が上がってしまいます。
でも、そんな時に頼りになるのがリーダーでした。リーダーも辛いはずなのにそんな様子を一切見せず一歩一歩確実に進んでいく、そんなリーダーの後ろ姿がカッコよくて惚れ惚れしていました。そして、リーダーが声を上げました「小屋あったよ!!!」
すぐに私が前に出て最後の力を振り絞りました。そして冬期小屋の扉を開放!嬉しくて嬉しくて先行者の方と思わずグータッチ。そして外へ出て「もっちゃん扉開きましたよ!!」子供のようにはしゃいだのを覚えています。
こんなに大変だったことはありません。小屋の中でしばし安堵しました。そして小屋の中でテントを張りパーティ開始。若者はどれだけ食べるのか分からないと、リーダーはたくさんの料理を持ってきてくれました。美味しいご飯をお腹いっぱいに食べて就寝。明日への山行に不安と期待の両方を抱きながら眠りにつきました。
早朝、ヘッデンラッセルからスタートしました。当然ながらトレースはありません。ただ獣の足跡は歩きやすいルートを辿っていて、ルーファイには役立ちました。日の出前に稜線に上がる計画でしたが空は赤くなってしまいました。でも諦めずに稜線に上がると、とてつもない光景が広がっていました。
太陽が丁度富士山の裏に隠れていたのです。そして烏帽子山頂でGORAIKO★あまりの絶景に震え上がりました。恥ずかしいので隠していたのですが涙ぐんでいました。「辛かったけどここに来て本当に良かった」一番辛くて一番感動した瞬間でした。
後は時間が許す限り稜線歩きです。ワカンからアイゼンに変更してアタック開始。メンバーは充足感で一杯でした。先行パーティーに多くのラッセルをして頂いたものの、自分たちで小屋までのルートを切り開き、そして前小河内岳までサミットすることができた、全員達成感に溺れていました。
山登りって少し辛いほうがいいと思います。しんどかったけどその先の景色がキレイだったとか、仲間と力を合わせて乗り越えたとか、辛い山行を乗り越えて自分を一歩成長させることができたとか、そういうのが堪らないので山登りが好きです。
ただ今回は辛過ぎでしたけどね!小河内岳は目の前でしたがタイムリミットが来てしまったためまた今度としました。どんなことがあっても山行計画は遵守します。大事なこと。
おしまい
記) せい
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