<メンバー>
たろー、まっちゃん、にっさん、さっこ、体験Wさん
<コース>
坊村P(8:30)~林道~口ノ深谷(9:40)~2段滝撤退~奥ノ深谷(11:15)~登山道(18:00)~林道(19:10)~坊村P(20:00)
比良山系で有名な口ノ深谷へ、初級でもやや難しいとの情報はチェックしていました。午前7時過ぎには明王院の反対車線のパーキングがほぼ満車。体験Wさんと合流です。しなやかな筋肉が目立つ青年、今年の2月の雪山を友人と行ってから毎週山にのめり込み“沢”は初体験。道具が揃えられなかったので、たろーさんに沢靴を借りていました。
メンバーそろいました。たろーさん、まっちゃん、さっこちゃん、にっさん、体験Wさん、沢に挑戦するのは、このパーキングからは鈴ハイメンバーだけでした。さっこちゃんは準備しながら「緊張するー」と言っていた意味が後で分かりました。
たろーさんに沢の基本を教えて頂きながら、口ノ深谷に入渓です。
やっとの思いで、2つの滝を越えたところで、10M級の滝が壁のようです。「これはどうやって越えるんだろう」急斜面の木にスリングでセルフをとり自分なりに考えます。
遡行図では左に大巻きだったので、たろーさんがルートを探しにロープを持っていきました。その少しの時間に、おにぎりを食べていたら、たろーさんとまっちゃんの緊張感が伝わってきて、今おにぎり食ってる場合じゃないと感じた時。「スリングの場所が違う、死ぬよ!※」とたろーさん、「ロープ離さない、聞こえた!」まっちゃん。自信を無くす、にっさん・・・。
※セルフビレイのスリングをギアラックにかけていました、絶対やってはいけない事です
医療現場で先生が使う言葉「死ぬよ!」を実際自分に言われると、やっぱし落ち込みます。反抗心?言い訳も考えたりして、でもアレ?さっき教えてもらったのに忘れてしまったのかと、自分の連れてもらっている感、準備足らずで残念な気持ちで一杯になりました。でも気を取り直します。後から聞いた話ではハーネスの横の留め具にカラビナを止めると、体重の重みで簡単に切れる事があるそうです。
「ちょっと今日のメンバーでは難しいと判断します!もどりましょうか」となり、諦めも肝心。今日は終わりと思いました。来た道を下るのも、スリルがあって楽しい?「くだりも出来るんですね」体験Wさん。「ハプニングがあった方が面白い」との達人級の発言もありました。心に余裕があるんでしょうね。
入口にもどり、橋を越えたところが、奥ノ深谷です。どちらも関西地区では有名な沢で、他に楽しんでいる登山者がいると思ったのですが、今回は会いませんでした。午前11時を過ぎてましたが奥の深谷に行って見る事にします。
入渓するともう、滝の連続です。断片的にしか覚えてません。いつもの登山より緊張感があり、一歩間違えたら怪我をする場面がいくつかありました。まっちゃんに教えてもらったボルダリングを思い出し、できるだけ楽しむように努力しました。
たろーさんが安全を確かめた後に続き、ロープにカラビナを付けて登ります。グイグイと引っ張ってくれている、自分だけで登っていない安心感がありました。難しいと思うと不安になり動けなくなる体をロープが背中を押してくれる感じでした。たろーさん有難うございます。
今日の難所の10Mの滝は、とても緊張しました。たろーさんロープを持って苦労しながら登ります。途中「すべる」と言っていました。体験Wさんは長身をいかしてスルスルと登りました。さこちゃんの順番、滝の方が滑るから岩場からいってしまい、激しく体力を消耗して動けなくなった時もありました。
次はにっさん、まっちゃんの「すべったら滝に叩きつけられるから覚悟しといてね」と最悪の事態にならないよう、アドバイスを聞いて滑りやすい滝の方から登りました。怖がると沢がより難しくなるイメージがあります。がんばって登りきった瞬間、不安から一気に幸福感にはね変えられる感情がたまらなく、気分が良いです。「死ぬかと思った」を何回連呼したか忘れました。
最後はまっちゃんが登ります。一つ一つ丁寧に登ってきます。余力を残した感じで登って来られるのは流石でした。
滝はどんどん表情をかえ、僕たちに挑戦を挑んできます。どれぐらい滝をみてきたか分からないです。滝が白竜に見えてきました。ジブリの映画に使えそうなコケのお花畑?や羽虫の大群、ナウシカの死の樹海に迷い込んだ気分になりました。人の気配が全くありません。葉が動くとそこで精霊が見ていたのかな?と思えるほど。ゴロゴロした岩場を進みます。
後半の高さ2mの崖は正直、泣きそうでした。インディージョーンズ(古い?)の名場面のようです。落ちたら死にそうな足場を“へつり”ます。足が少し滑り、落ちたらどうしようとドキドキしていたら、たろーさんの声が滝の轟音で聞き取れないながらも、スリングを出してくれて、それが無ければ渡り切れなかったと思います。
山道が無いので、迷子になりながら進み、余計に時間がかかってしまいました。道のありがたさが分かります。
沢が終わったところに、大きな苔むした岩がありました。“三千院の眠り地蔵”みたい、癒されたのを覚えています。
沢が終わっても林道まで距離がありました。携帯は圏外のままです。急ぎます。キツツキが食事中みたいで「トトトトト‼」林に響きます。もう暗くなりヘッドランプを付けます。まっちゃんは膝を痛めていて、たろーさん、にっさんで荷物を分けました。まっちゃんの携帯食も底をつき、さこちゃんのアミノバイタルで少し元気がでたかな?皆で協力して歩くっていいですね。
明王院まで戻ってきました。もう、真っ暗です。近所の散歩中のおば様が帰宅できるか心配され声をかけてくれました。
パーキングは鈴ハイメンバーの車だけでした。実質10時間の山行となりました。
リーダーのサポートがなければ、達成できなかった奥ノ深谷でした。たろーさんの励ましや、元気づけ、ロープワークのお陰です。皆で苦労して乗り越えた比良の沢でした。いつか断念した口ノ深谷にリベンジしたいです。
文責 にっさん
<リーダー追記>
ちょっと厳しい遡行になってしまって申し訳なかったです。ただ、みんなで困難を乗り越えるってのも楽しいですよね。経験を積んだら今回のメンバーでリベンジしたいね。 たろー
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