<メンバー>
たろー、たばっち、Kさん(体験)
<コース>
神童子林道(6:50)~林道終点(7:20)~へっついさん(7:50)~赤鍋滝(8:00)
~釜滝(9:25)~犬取滝(10:50)~ジョレンの滝(12:10)~稲村小屋(13:20~13:55)
~法力峠(14:50)~母公堂(15:25)
9月の三連休では今年の沢の集大成として黄蓮谷から甲斐駒ヶ岳を考えていたが雨で中止・・。気を取り直して翌週に日帰り沢を計画したが参加希望者は2名。秋は沢の最適期なのにみんな分かっていないなあ。まあ沢はこれ位の人数の方が楽しめるので気を取り直して出発。
行先は沢を始めた頃から知っていた大峰の神童子谷。沢登り発祥の地と言われており、関西では超有名渓谷だ。大峰という立地から中々チャンスが無かったが、今回思い切って行って見る事にした。
行程が長いので前夜、黒滝の道の駅で仮眠し早朝出発。下山地の母公堂に車をデポし、酷道309号を走って神童子林道まで入る。もう少し先まで車で行けそうだったが落石が怖いので林道入り口から歩き始める。30分程歩いて林道終点に到着、遊歩道の跡を下って入渓する。水がとても青い。
最初はいきなり淵から始まる。初級沢と思って簡単に考えていたが結構水量が多く、いきなり腰まで浸かってしまった。うーん、ここまで水と戯れるのは季節的にギリギリかなあ(でも何とか大丈夫)。
天気も薄曇りで積極的に水に入る気温でもないので遊歩道の残骸を利用しながらなるべく水に入らず進んで行く。
30分程遡行すると両岸が狭まってゴルジュの様相、有名な「へっついさん」だ。河原状でスタスタ歩いて通過できると読んだ事があるが、腰までつかった。水深が復活しているようだ。
※ちなみに「へっつい」とは竈の事。その形状を見ればなるほど思う。
へっついさんを超えると「赤鍋滝」。大きな釜を持った斜瀑で越えるには左岸の岩をトラバースしなければいけない。ドボンは嫌だなあと思い躊躇しているとたばっちが「私行きます!」の頼もしい言葉。「それなら頼む」とロープを引いて行ってもらう。
たばっちはドボンする事無くスムーズに滝を越え、ロープをFIX。実際に取り付いてみると残置ハーケンがベタ打ちしてあり、スリングもあってとても簡単だった。そうか、ここはツアーが多く訪れる谷だった。
赤鍋滝の上はちょっとしたゴルジュ状になっていて、泳がなければ越えられない。悪いな~と思っていたら、たばっちもKさんもスイーっと泳いで行ってしまった。やっぱり頼もしい。
赤鍋滝とその上の滝群を超えると谷は一旦平凡になる。途中、立派な石組みが現れたので谷沿いに道でも整備されていたのかも知れない。
平流を1時間近く黙々と歩くと「関西起点沢登りルート100」の表紙にもなっている「釜滝」が現れた。右から流れ込むノウナシ谷は洞穴上になっている。記念撮影の後、左から巻く。
夏はここまで来て泳いで引き返すツアーもあるようだが、我々は遡行を継続。まだまだ先は長いのでどんどん進み、一ノ滝、二ノ滝と越えていく。
やがて目の前に立派な直瀑が、「犬取滝」だ。左右とも高い壁に守られていて取り付く島もない。右岸から大高巻きで滝上に降り立つ。
次に現れるのはこの谷最大の「ジョレンの滝」、滝の下でたばっちが「天城越え」を歌いだした、それは「浄蓮の滝」でしょう。これも右岸から巻く。
ジョレンの滝の巻き辺りから二人の足取りが重くなって来た。何と無く谷に戻りたく無さそうなので、「このまま行きますか?」って聞くと「ウン、ウン」との返事。仕方ないのでそのまま尾根を登ると稲村小屋と大日ヶ岳の中間地点に飛び出した。
稜線が真っ白なガスの中。展望も無いので稲村ヶ岳はパスし、そのまま下山する事に。笹の尾根を少し下ると登山道(大峰奥駆道)に出たのでそのまま稲村岳小屋まで行く。
稲村岳小屋で遅めの昼食を摂り、後は登山道(奥駆道)を歩いて母公堂まで。多少荒れている箇所もあったが、概ねきれいに整備されていて1時間半で母公堂まで下る事が出来た。
母公堂でお茶をごちそうになり、大峰の好感度アップ。付近には観光できている若い女子が多かった。パワースポットブームなのだろうか。デポ車で再び酷道を走り、車を回収。観光客でにぎわう洞川温泉街を眺めながら帰路に着いた。
今回遡行した神童子谷、沢のコースとしては平流区間が長く、ちょっと間延びする感があったが、深い森と青い水のきれいな美しい谷だった。山上ヶ岳を中心とする大峰奥駆道も興味深く、もっとこの界隈を歩いて見たくなった。同行してくれたたばっち、Kさん、ありがとうございました。
記 たろー
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