南紀 黒蔵谷 2017.07.22-24

20170722黒蔵谷09
ウォータークライミング発祥の地


<メンバー>
ふみふみ、えだこ、次郎、つよっさん、たろー

<コース:1日目>
突合(9:15)~鮎返滝(9:30)~出谷出合(13:00)~アンダーガバの滝(15:20)~高山谷出合(17:00)


 当初は南アルプスの赤石沢を予定していましたが、お天気不安定で、好天が見込める山域をと、リーダーたろーさんには検討に検討を重ねて頂き(いつもありがとうございます!)、南紀の黒蔵谷へ転進となりました。

 2015年8月にたろーさん、Eちゃん、私ふみふみの3人で行った黒蔵谷。私が思い出すのは鮎返しの滝~直角の壁(私には直角!!)をよじ登る場所と、アンダーガバの滝と言われている難所(私には両方共にドキドキの場所)。

 それ以外は名渓と呼ばれる綺麗さと険しさを兼ね揃えた素敵なところで、アマゴとも一緒に泳いで、釣って食べたというとっても感激した楽しい思い出の場所です♪

 2年前との比較で言うと、今回の頼もしいメンバーのお陰で、鮎返しも直角の壁もドキドキさは半減。足が震えるほどの怖さも無く、登り切ることができてホッとしました。

 そして、お待ちかねのゴルジュを泳ぐ泳ぐ・・ひたすら泳ぐ♪♪冷たいけど身体が冷えないようにドンドン泳げば(動けば)大丈夫!!黒蔵谷の醍醐味ですね。

 アンダーガバの滝もさすがのリーダーたろーさんの直登で、私は一本釣り状態で引き上げてもらいました(いつもすみません)!
滝を超えると間もなく高山谷出合へ。1日めはここでテント泊です。

 アマゴは釣れなかったけど、3食丼ぶりを食べて大自然の中で快適なテント泊でした。明日は初めてのコースへ。ワクワクドキドキウキウキで眠りました。

記 ふみふみ

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さあ、出発

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いきなりこんな感じ

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鮎返しの滝

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左から突破

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腰まで入るのは当たり前

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ロープを手繰れば楽ちん

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ファイト一発のえだちゃん

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次は何が出て来るか

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息を呑む美しさ

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出谷出合

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ロープで引っ張られる次郎さん

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ルート検討中

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泳ぐ方が多い?

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アンダーガバの滝、次郎さんもう一歩だったのに

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今夜のメニューは三色丼

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焚火

<コース:2日目>
高山谷出合(6:30)~カンタロウ滝下(9:25)~カンタロウ滝上(13:00)~Ca530二俣・泊(16:30)


 今日は黒蔵谷を遡行し野竹法師を経て高山谷を下降する長丁場なので、朝は沢としては早めの6:30出発。明るく開けた高山谷とは違って本流はすこしショボイ感じだが、すぐに両岸が狭まってゴルジュの様相になる。

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本流に向けて出発

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すぐに両岸が狭まる

 ゴルジュの奥に現れる6mほどの滝は泳いで滝の手前左側のリッジに取り付きクリア。朝一の泳ぎで目が覚める。

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滝の左側のリッジから超える

 上流に進んでいるのに谷はまだまだ手強く、腰までつかるのは当たり前。少しづつ傾斜が立ってきたと思ったら巨岩帯になる。ルートを上手く見極めながら進む。

 巨岩帯の向こうは再びゴルジュになり周りを壁で囲まれた10m滝が現れた。カンタロウ滝の前衛滝だ。右岸に道型をうまく拾って超える。

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カンタロウ滝の前衛滝

 右岸の道型はまだ消えそうになりながらまだ上まで続いていそうな雰囲気だったが、カンタロウ滝の全貌が見たくて滝壺の前に降り立つ。

 沢の本やHPで何度も見たカンタロウ滝。この滝の前に自分が立てている事はこの谷の存在を知った沢を始めたばかりの頃には想像もつかなかった。うーん、すばらしい。しばらく見とれた後、記念撮影。

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カンタロウ滝の前で記念撮影

 さあ、ここからが今日の核心部。左岸、右岸、どっちを巻いても厳しいらしい。先週入ったパーティーは左岸のルンゼから、昨年遡行した友人のmichi君は同じく左岸の小尾根を登ったらしい。

 左岸を見ると小尾根には踏み跡があるのでラッキーとばかりに高度を上げていくと岩場にぶち当たる。何とか登れそうだったがザックを背負ってのフリーでは少し怖いなと思い、一旦下降。ルンゼにルートを求める事に。

 右岸のルンゼには先週のパーティーの踏み跡が。よしとばかりにTよっさんにトップをお願いして踏み込むが中々厳しく、途中でザックを下ろし空身で登らざるを得なくなる。

 何とかピッチの切れそうな所で5人集まって作戦会議。やはりルンゼをこのまま登るしか無いので私が先頭で登り始める。

 先週のPの登った痕跡はあるが、掴むところの無い泥壁の傾斜はどんどん立ってくる。これならさっきの尾根ルートの方が何倍も易しいかったなあ、なんて後悔ももう遅い。岩壁に張り付いた頼りない親指より少し太い位の木を頼りに何とか這い上がりやっと一息。残りの4人を引っ張り上げると3時間以上経過していた。

 谷へは懸垂無しで降りられたが大幅に時間オーバーだ。これで周回コースはあきらめ、黒蔵谷を詰め林道で下山する事に計画変更。通常なら1泊2日で抜けるコースを2泊かかってしまう事になる。うーんまだまだだなあ。

 この間は厳し過ぎて写真無し・・

 ※後で調べたら右岸から巻くのが一番スムーズらしい。

 カンタロウ滝の上もゴルジュ(上の廊下)は続く。難所は終わりと思っていただけにがっくり。滝になって流れ込む第3支流を見送って更に進む。

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第3支流の出合

 谷の規模は明らかに小さくなったがまだまだ泳がされる。泳ぎの連続も二日目になるとみんな積極的に水に入りたがらない(当たり前か)

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泳がずにいけないかな?

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結局泳いで取りつく

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私はこっちから

 一瞬平流になったかなと思ったけど上の廊下はまだ続くようだ。樋状10mはつよっさんトップで越える。見上げる岩壁には木がしっかりと根を張っていた。この谷がこの姿になるのにかかった時間を想像すると気が遠くなりそうだ。

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一瞬平流に

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樋状10mを超える準備のつよっさん

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あの木が育つのにどれくらいの時間がかかったのだろう

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笑顔で樋状10mを超えるふみふみさん

 時間的にそろそろ泊地を探さなといけないが中々いい場所が出てこない。右から大きな滝が入ってきているのは第4支流か。足の速いパーティーならこの辺で1泊目らしい。

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第4支流の滝

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まだ泳ぐ

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まだゴルジュ

 やっと上の廊下を抜けるとネットでよく見かける石垣が現れた。ここまで来ればあと少しだ。

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石垣

 石垣を超えると窯跡など昔の山仕事の痕跡が現れ始める。時間もそろそろ迫って来たので泊適地を探しながら歩いていく。Ca510mの二俣に釜跡と平坦地があったので泊まる事にした。

 薪集めとご飯の準備はだいぶ慣れて来た。今夜のメニューはフォーを使ったアジア風の麺。今日は思ったより進めなくてちょっと気持ちが沈んでいたが、焚火を囲んでいろいろ話しているとやっぱり楽しくなってくる。調子に乗って「よし、いつかリベンジしましょう」と意気込むがあまりいい返事は聞けなかった。

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今日も豪華ご飯

 今夜もタープで寝る事になるがやぶ蚊が多くて辟易した。防虫ネットを被ったが、ネットが顔に付いている所はもれなく刺されてしまった。この辺の対策もまだまだだなあ。

 反省の多い2日目だった。

記 たろー


<コース:3日目>
泊池(6:30)~支流~林道(7:30)~突合(12:15)

 3日目の朝です。私は虫に刺されず、ぐっすり眠れましたが、刺されまくった人もいました。じろーさんの手首なんてまるで蕁麻疹のようです。

 今日は谷を詰めて、林道にあがり帰る予定ですが、いつものごとく急登です。ガレている谷を登り、滑る植林帯を抜けて、林道に上がったころには暑くて沢が恋しくなっています。

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この谷を詰める

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急登

 さて、ここからは16kmの林道歩きです。地図を見るとショートカット出来そうな尾根がありますが行けなくて戻ると嫌なのでやめときます。

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南紀の山並

 林道は木陰が多くて思ったほど暑くはないのですが退屈です。車が通って乗せて行ってくれないかな~なんて話してましたがまだ午前中、奥に向かう車しか通りません。乗ったら振り出しに戻ります^^;

 日が頭上まで昇り日陰が少なくなった頃、やっと車に到着です。今回の沢はゴルジュが多くて緑が濃く、夏の南紀を満喫しました。

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やっとゴール

記)つよっさん

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