北アルプス 残雪の北穂高岳 2025.4.26-27

北穂山頂には立ったのですが

<メンバー>
たろー、こうじ、りー、おすぎ、とも、あにき

<コース:1日目>
上高地(8:30)~明神(9:30)~徳澤(10:35)~横尾(11:30~12:00)~本谷橋(13:05)~涸沢(15:20)


 GWの前半は残雪バリエーション。2018年にとても印象に残っている奥穂南陵に新しい仲間と再挑戦しようと目論んでいたが、天気予報は晴れるが強風の南高北低の気圧配置。なれないメンバーに終始風に晒される奥穂南陵はコンディションが厳しいと判断し、少し難易度を落として北穂東稜に変更する。

 アカンダナ駐車場はGW初日とは思えない空き具合でバス停の至近に車を停める事が出来た。出発の準備をし、共同装備を振り分けるとザックの重さが半端無い・・。北穂に変更した事で全装備背負っての登攀が無しになり、余分な物(酒、つまみなど)を詰め込んでしまったか。

空いているアカンダナのバスターミナル
上高地、さあ行きますか
河童橋から穂高を眺める

 それでも上高地から横尾までは天気も良く汗ばむ陽気で気持ちよく歩く。横尾大橋を渡り、いよいよ本格的な登りに気合を入れる。

明神 まだまだ元気
新緑が気持ちいい
徳澤
荷物が多いなあ
横尾でこの雪の量

 今年はかなり雪が多く、橋を渡ったらすぐに残雪が出てきた。本谷橋付近は完全に雪の下。雪渓の下を雪解け水が轟轟と流れている。マーキングに従い対岸に渡った所でアイゼンを装着。あとは夏道とは異なり谷筋を詰めて涸沢カールを目指す。

横尾大橋を渡る
夏なら橋が架かっている所
雪がしっかりあるところで対岸に渡る
でも雪解けは進んでいる
このカーブを曲がれば涸沢への登りが待っている
もう少しと思ってからが長い
近づいてきたはず

 途中、涸沢ヒュッテまであと30分くらいの所で男性が倒れていて、たまたま歩いていた山岳パトロール(警察)の方が心臓マッサージを施していた。「何か手伝うことはありませんか」と聞いたが、大丈夫との事だったので再び涸沢を目指す。ヒュッテからAEDをもったパトロールの方が走るように降りてくるのが見えた。(後日、この男性は病院に運ばれたがお亡くなりになったとの事、ご冥福をお祈りします)

山が迫ってきた
涸沢岳
ついた~!!!

 涸沢ヒュッテのテント場はGWにしては空いている印象。居ぬき物件は無く、自分たちで雪壁を構築する。他のテントでも夜の強風に備えせっせと壁を作っていて、さながら古代遺跡の中にいるようだ。

せっせと設営

 テントの設営が終わったらテラスの自炊場に移動して前夜祭。寒気が入っていたおかげでとても寒く、売店も終了していたので生ビールで乾杯というわけにはいかなかったが、各自準備したおつまみを食べ、楽しい夕食となった。

閑散としているテラス
寒いけどビール
重いけど持ってきた甲斐があった
この季節限定(新玉ねぎとオイルサーディンのおつまみ)
おにぎりを炒飯にするアニキ
夜のテンバ
星が美しい・・・

<コース:2日目>
涸沢(6:00)~北穂高岳(8:30~9:00)~涸沢(9:50~11:30)~本谷橋(12:10)~横尾(13:10~13:30)~徳澤(14:30~14:50)~明神(15:40)~上高地(16:40)


 翌日は1時半起床、3時出発の為、早々に就寝・・・。しかし、夜は涸沢とは思えない位の風が吹き荒れた。風が舞っているのかあらゆる方向から風がテントを叩き、ポールが軋んでいる。9時半頃、誰かが倒れこんで来たのかと思うほどの衝撃があり、テントがひしゃげてしまった。突風でペグが抜けポールが破損したようだ。外に這い出してペグをスノーバーに変えて張り綱を張り直し、何とか倒壊を防ぐ。風はずっと止まず、ほぼ1時間置きに張り綱のチェックをする羽目に。当然ほとんど眠れない。

 起床予定の1時半になっても風は収まらず、この天気では稜線に上がるのは無理だろうと二度寝を決め込んでしまった・・。(ヒュッテのテント場受付用テントは倒壊していた)

倒壊した受付のテント

 気がつくと辺りが明るい。時計を見ると4:40だ。風もいつの間にか収まったようだ。しまった、これなら稜線に上がれるかも。今から準備をしても時間的に東稜は厳しいだろうという事でノーマルルートで北穂を目指す事にする。

明るい・・寝坊してしまった

 急いで準備をして6時出発。既に何人もの登山者が北穂高を目指している。雪は適度に固く、トレースもあり技術的な困難は全く無いが、朝起きていきなりの急登は体に堪える。

ノーマルルートで北穂を目指す
さあ、登ろう
見た目より急
テントがあんなに小さい
むっちゃ急やん
もう少しと思うのは甘い?
前穂北尾根
小休止


 本来行くはずだった東稜への取り付きはどの辺りかな〜と見ながら登っていると傾斜がなだらかになり山頂直下のコルにたどり着いた。一登りで北穂山頂、快晴微風で絶好の登頂日和。あの強風予報は何だったのだろう・・。北穂小屋からは東稜に取り付いているパーティーも見え、なんだかモヤモヤした気分だった。

あのコルに行けば楽になるはず
頂上はすぐそこ
到着~
機嫌治った?
奥穂
集合写真
小屋のテラスに降りてみる
東陵アタック中のパーティー(もやもや)

 下山は雪が緩くなってきたので慎重に下っていたが、あにきがグリセードを決めて颯爽と下って行く。自分も真似をしてみたら思いのほか上手く下れる。これはいい。りーちゃんもコツをつかんだのかアニキに続いてどんどん下っていく。気が付けば1時間ほどでテントに戻る事が出来た。

さあ下ろう
登りとのすれ違いに気を遣う
グリセードであっという間に下って行くアニキとりーちゃん
下山は1時間ほど
時間に余裕が出来たのでしばしリゾート気分
カレー

 テントを撤収し、涸沢ヒュッテの売店でラーメンとノンアルでリゾート気分を味わったら本格的な下山が待っている。横尾大橋の手前まで雪がつながっているので快適だったが、横尾から先は重荷と暑さとの戦いだった。徳澤でソフトクリームを食べるのを励みに林道歩きに耐え、何とか余裕のある時間に上高地に到着。平湯で汗を流し、高山の王将でたらふく(およそ3人前)食べて解散。家についたのは日付が変わっていた。

下界を目指して
横尾大橋
やっとありつけた
疲れたね~
奥穂南陵、来年は行きたいな

 今回の山行、天気予報に翻弄されての計画変更。更に2度寝をしてしまい、目的のコースも歩けずと、何だかトホホな感じになってしまった。でも、晴天の北アルプスの山頂に立てたのだし、今回初めて「あにき」と「ともさん」と泊山行に行ってとても楽しかったので良しとしよう。

 参加の皆さん、ありがとうございました。

記)たろー

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