中央アルプス 空木岳 リベンジ 2025.02.22~23

リベンジ達成

<メンバー>
たろー、りー、おりえ、おすぎ、けい、てつや、こうせい

<コース:1日目>
駒ヶ根スキー場P(6:45)~林道終点(8:10)~池山尾根水場(9:50)~尻無(10:50~11:20)~大地獄(12:55)~小地獄(13:20)~ヨナ沢の頭(14:25)~C1(14:50)


 今年2度目の「10年に一度の寒波」の影響で、予定していた五竜岳登山は断念。寒波の影響が比較的少ないと思われる中央アルプスに目を向け、過去3回敗退している空木岳に転進する事にした。

 スタート地点の駒ヶ根スキー場駐車場には、我々の他にも数台の車が停まっており、出発準備をしている4人パーティーと、すでに出発した1パーティーがいた。我々も準備を整え出発する。歩き始めから雪はあるものの、薄く積もっている程度だ。

登山口、雪はまだ少ない

 雪が降ったり止んだりを繰り返す気が滅入るような空の下、黙々と高度を上げていき、池山小屋に到着した。ここは過去2回の敗退時に宿泊しており、「今回は絶対にここに泊まらない」と心に誓い、先に進む。

雪の中を黙々と歩く
積もっている所には積もっている

 幸い、先行パーティーのトレースがあり、雪の状態も良好だったため、尻無までの穏やかな斜面はワカンを装着せずに通過できた。尻無で昼食休憩後、アイゼンを装着し、いよいよ核心部に挑む。

核心部へ突入

 前回(2023年2月)の敗退時は雪が固く難儀した大地獄も、足場板や鎖が利用でき、あっさりと通過。小地獄の痩せた尾根を越えると、いよいよ核心部の迷い尾根の突破だ。

大地獄
足場を歩く
鎖は使える
雪もそれほど硬くない
小地獄

 過去に使用したトラバースルートは、雪が深く柔らかいため難航しそうだった。トレースは直登ルートを示しており、先ほど追い抜いていった単独の若者も取り付いていたため、我々も直登ルートを選択する。

直登ルートに取り付く

 最初は急な小尾根を登り、ルンゼの下に出る。先行者はルンゼ右端を進んでいたため、それをトレースする。途中、雪がサラサラのアリジゴク状の箇所や岩場の乗り越しがあり、少し苦戦したが、上半分は傾斜も緩み、キックステップも決まって、無事に尾根上に這い上がることができた。

ここが小難しい
上部はガシガシと登れる
尾根に上がれた

 直登ルートを選択したことで大幅に時間を短縮できた。ヨナ沢の頭の少し上でテントを設営し、水を作る。寒波の影響で過去1、2を争うほどの寒さとなり、りーちゃん、おりえちゃん、すぎちゃんのテントからは眠ってしまわないようにお互いを励まし合う声が聞こえる。

ヨナ沢の頭

 夕食は5人用テントに7人が集まり、鍋を囲む。テントの中は暖かいが、外は強風が吹き荒れており、寒さによる撤退も視野に入れながら、明日に備えて就寝する。

極寒の中、乾杯
ビールが進んでしまう
寒い時には豚キムチ鍋

<2日目>
C1(5:00)~空木平分岐(6:15)~駒石(7:00)~駒峰ヒュッテ(7:35)~空木岳(7:50)~駒峰ヒュッテ(8:05)~駒石(8:25)~空木平分岐(8:55)~C1(9:40~10:50)~ヨナ沢の頭(11:05)~小地獄(13:45)~大地獄(14:05)~尻無(15:20)~池山尾根水場(15:45)~林道終点(17:00)~駒ヶ根スキー場P(17:55)


 夜通しテントを揺らしていた風が弱まったと思ったら、起床時間になった。準備を済ませ、5時に出発する。テントの外に出ると、十分に歩けそうな寒さだ。

 先行者のトレースは昨夜の風で消えてしまったため、軽いラッセルからスタート。真っ暗な樹林帯の中は方向が分かりにくく、尾根の向きが変わる所で少し迷走したが、それ以外は順調に高度を上げていく。

真っ暗な樹林の中を進む
ヘッデンの明かりを頼りに

 1時間ほど歩くと、空が徐々に明るくなり始める。空には月も出ており、好天に恵まれた。絶好のアタック日和になりそうだ。

空木平が見えた
明るくなってきた

 森林限界を超え、空木平の分岐を過ぎると、風が徐々に強くなるが許容範囲内だ。5年前に撤退した駒石も、絶景を楽しみながら通過する。駒峰ヒュッテで一息ついたら、空木岳の頂上は目の前だ。7時50分、5年越しのリベンジを果たすことができた。

駒石、頂上も見えた
朝日を背に
風も許容範囲
この辺は風が強い
駒峰ヒュッテ
リベンジ達成
思い思いに記念撮影
イェーイ
やったね
あっちは険しそうだなあ
全員で記念撮影

 ちょうど後から登ってきた単独の若者と挨拶を交わし、早々に下山を開始する。テン場へは登りの半分の時間で戻ることができた。

さあ下山
テントまであっという間

 テントを撤収し、いよいよ下山の核心、迷い尾根に取りかかる。最初はルンゼを下降しようと思ったが、急傾斜のサラサラ雪に危険を感じ、トラバースルートを選択する。迷い尾根の比較的傾斜が緩い方向へ下り、1ピッチ懸垂下降する。(この時、下降に行き詰まっていた単独の若者をローワーダウンで降ろした)その後、雪の緩い急斜面に慎重にトラバースのトレースを刻みながら、何とか危険地帯を通過する。懸垂下降からトラバースまで2時間半以上かかってしまった。

傾斜の緩い箇所を1ピッチ懸垂下降
急斜面にルートを刻む
トレースがあっても嫌らしい
やっと難所を超えた

 バスの時間が気になる若者と別れ、ゆっくりと池山尾根を下り、何とかヘッドライトを点灯せずに済む時間にゴールすることができた。もうヘロヘロ。

 その後、温泉で体を温め、サービスエリアでソースかつ丼を食べ、登頂を祝う。転進プランではあったが、5年越しの空木岳登頂は非常に達成感のある登山となった。まだまだ挑戦を諦める年齢ではないことを改めて意識すると共に、共に挑戦する仲間に感謝の気持ちでいっぱいになった。

 参加してくれた皆さんに感謝します。

記)たろー

<動画バージョン>

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