<メンバー>
たろー、つよっさん、もっちゃん、ふみふみ、やっさん
<1日目>
奈良田ゲート(7:25)~あるき沢橋(11:45)~池山御池小屋(16:00)
前日まで個人山行を考えていたのですが、急遽 たろーさん企画に参加させて頂きました。天候で行き先が2転3転しましたが、最終的に白峰三山に決まりました。私個人は、この山は2回目。ただし、雪がある時期は初めてです。どんな景色が待っているか楽しみです。
しかし、この山行は登山口まで林道歩きが12kmもある超ロングコース。アスファルト歩きで私の足が持つか心配です^_^;。ゲート手前に車を停車。数台停まっていますが、これは全員同じ山の人?(下山後に分かりましたが、どうやら釣りや発電所の方達の車だったようです)
準備していると、農鳥小屋の名物おじさんが登場。小屋でお会いした時の印象とは正反対。よく話され、笑顔もあります。山ではそれ程 緊張感を持って生活しているという事かな?^_^;。
準備も整い、いざ出発です。まずはゲートです。扉が閉まっておりどこから開けるのかなと探っているとたろーさんがいとも簡単に開門。事前の下調べは完璧です。歩行し少し歩いたところで早くも少し汗が滲んできます。天気がよいのは嬉しいことですが、アスファルト路では堪えます(^-^; 。
通常はバスで移動するのであっという間に登山口まで到着するのですが、歩くとなるとなかなか登山口まで着きません。以前はバスでしたので気にならなかったですけど、歩くとこんなにも遠かったんですね(^-^;
林道終盤になると水場に着きます。小屋周辺に雪がないかもしれないので、ここで給水します。しかし、雪山のテント泊装備、これまでにない程の重量。更に給水2L。今までに経験した事がないほどのザックの重みが、肩から足の裏までずっしり掛かります(推定:30kg)。 この重みに耐えられるか心配です。
普段歩きなれないアスファルトで足も靴擦れを起こしていたので、他の方の給水の合間にバンドエイドやテーピングで応急処置を実施。これからの登山道に備えます。(下山後、靴擦れの状態を確認しましたが、その範囲は登山前の倍以上に広がっていました。想像以上に脚への負担は大きかったようです(^-^;)
数百m歩いた時、想定通り体に異変が。 足の裏が今まで経験した事がないほどの痛みに襲われます。(親指の肉球が潰れる~!!)他のメンバーから数十m遅れながらも必死についていきますが、数m歩いては止まるの繰り返し。あまりにも遅れる私を心配し近づいてきてくれたもっちゃんが、「荷物持つよ」の暖かい言葉(相変わらず頼もしいです^^)。メンバーの待つ位置まで着くと私の共用装備、「ロープ、スコップ、水2L」をもっちゃんが持ってくれます。自身も重いはずなのに、助かります(^-^;
その後、雪のない登山道では足の痛みを誤魔化しながらもメンバーについていきます。でも、雪道になるとその痛みも徐々に和らぎます。(雪がクッションになり、足への負担が分散されたようです)
歩き続けると、ようやく本日の宿泊地である池山御池小屋に到着です。小屋は貸し切り。 一息つくも到着しても、ゆっくりはしていられません。今夜と明日の水の確保(登る最中、暑さで思いの外水分補給をしたので追加で雪を溶かして水作り:たろーさん&つよっさん)、トイレの設置(つよっさん)、夕食準備(もっちゃん、ふみさん)と大忙しです。でも、夕食は美味しく食事を摂り身体の英気を養います。夜は明日に備え早々に就寝です^^
2日目に続く…
記).やっさん
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<2日目>
池山御池小屋(3:20)~城峰(5:10)~ボーコン沢の頭(7:20)~8本歯のコル(10:10)~吊尾根分岐(11:10)~北岳山荘(13:30)
2日目、今日は午後から天気が崩れる予報なので午前中に北岳山荘に辿りつきたいと考えていた。目論見では1日目の泊地を森林限界の少し下、城峰あたりまで進めたかったのだが、昨日は思ったよりばててしまい、池山御池小屋までしか進めなかったのが痛い。遅れを取り戻そうと3時出発にした。
真っ暗な中、ヘッデンをつけて池山吊り尾根を登る。城峰にはテントがあったが主は既に出発しているようだ。2時間も歩くと空は明るくなって来る。背後の鳳凰三山の稜線はまだクッキリ見える。
ボーコン沢の頭の手前で樹林帯を抜け視界が広がる。冬は強風でこの辺りで撤退するパーティーも多いと聞く。空はまだ高曇り、薄日も差しているので何とか持ってくれよと祈りながら進む。
8本歯の頭で少し休憩していたら雪がちらついてきた。時刻は9時、コースタイムは北岳山荘まで2時間と少し、この調子なら何とか逃げ込めそうだ。しかし5月の南アルプスで雪かよ~と恨めしく思いながら8本歯に突入。
8本歯は1箇所下降でロープを出しそれなりに緊張したが何とか通過。それよりもどんどん強くなってくる雪が気になる。8本歯のコルでツエルトを出してやり過ごすか?という意見もあったが荒天がいつまで続くか分からないので先に進む。雪の傾斜をどんどん登って主稜線を目指す。
途中、テントの主と思われる単独の方が降りてこられた。稜線上は強風で目も開けていられないという。この時点で北岳の頂上はあきらめた。
11:00ついに吊り尾根分岐に到着。稜線上は強風が吹き荒れるが耐風姿勢を取るほどでは無く何とか行動は出来る。それよりも閉口したのが霙交じりの強風が顔に当たると目が開けていられない事だった。ゴーグルを持っているふみふみさんとつよっさんにルーファイをしてもらいながらジリジリと北岳山荘に向かって下降していく。
視界は10m以下、夏道はまったく分からず。風が弱まった隙に岩稜の地形を見てルートを判断。視界が悪いのでとにかく離れないように気をつける。GPSを見ながら尾根芯から離れないように進んでいくとようやく登山道らしき痕跡を発見、更に進むと道標も出てきた。
GPS上では既に北岳山荘に着いている筈なのにそれらしい建物は見つからない。視界は数メートルのホワイトアウト状態なので5人で手をつないで離れないように進んでいく。するとガスの中にうっすらと建物のシルエットが見えた。小屋はわずか10mほど先にたっていた。スコップで扉の前の雪をのけ、小屋に入ったらやっと生きた心地がした。
すっかり体が冷えてしまったもっちゃんの為に小屋の中にテントを張ってガスをつける。夕食はカレーライス。ご飯を米から炊いたが雪から水を作るのでガスを多量に使うこのメニューは雪山には合わなかったかな。でもおいしかった。
結局、強風は夜まで吹き続き、もし途中で進めなくなっていたら危なかったかもしれない。あくまでも結果論だが今日は森林限界の下で停滞するのが正解だったのだろう。しかし無事に小屋に辿りつけて本当に良かった。
<今回の山行からの教訓>
装備の軽量化は非常に重要。スピードは最大の安全策。常に余力を持って行動できるよに。
天気予報の時間は幅がある事を認識すべき。午後から崩れるといっても早まる場合もある。
稜線上での強風(風速20m/s)は非常に危険。予想されている時は森林限界以下で停滞。
雪山ではGPS、ゴーグルは必須。現在位置の確認と視界の確保。
記 たろー
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<3日目>
北岳山荘(6:15)~中白根山(7:10)~間ノ岳(9:50)~農鳥小屋(11:35)
今までの登山史上初めてのすごい体験をした翌日は、昨日と打って変わっての晴天でした。神々しいばかりのご来光を眺めながら昨日のことを思い出し、改めて生還できてよかったと思うのと同時に、本当に山はいろんな顔があるなとひしひしと感じました。
登り始めから体が重く、まったくスピードがでません。初日からの疲れがとれていなくて、せっかくの快晴なのに距離をかせぐことができませんでした。体は疲れていましたが、360度の大展望に癒されます。
11時半ころ農鳥小屋に到着しました。農鳥小屋は屋根の一部しか見えておらず、まだまだ雪の中です。ここで今日の行程をどうするか協議しました。先に進むとすると、次のテント適地は約4時間後の大門沢下降点付近、西農鳥岳直下の核心の氷壁を越えなければならない、日が高く雪が緩んでいて氷壁を超えるのは危険、体が思うように動かせず体力がもつか心配 、ここで泊まると明日の行程が長くなり下山できるか不安がある、などなど考えた結果、短いですが今日はここで終了することにしました。
まだお昼過ぎだし気温が高かったので、地面にマットを敷いてお昼寝タイムとなりました。疲れがたまっていたこともあり、ポカポカと暖かくて気持ちよく熟睡。昨日の今頃とは天と地ほどの差です。
他にソロの男性がやってきました。ソロなのに明らかに私達より荷物が少なく、ザックがコンパクトでした。この時期にここに来る人達は、最小限の荷物しか持ってきていないエキスパートばかりです。今回の山行ではどれだけ軽量化が大切なことか思い知ったので、今後の課題になりました。
記 もっちゃん
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<4日目>
この日は、いきなり核心部を超える予定のため雪が締まっている日の出から行動です。西農鳥へ上がる前に岩と松が出ているトラバース部分があり緊張しました。
農鳥岳は景色も雰囲気も良く、もっと人気が出てもいいのになと思いました。検索をかけると出てくるネガティブな情報が邪魔してるのですかね^^;
さて、あとは下るばかりですが・・・。大門沢分岐からの眺めは雪の壁を下っていくように見えます><。長い長い下りを下ると雪ともお別れ。そこからしばらく行くと大門沢小屋に到着です。
更に3時間半歩いてやっと駐車場へ到着。結構、ハードな山行でしたが綺麗な景色と富士山に癒されました。
皆さんお疲れ様でした。
記)つよっさん
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