メンバー:たろー、やっさん、ita、ふみふみ、ずみ、もっちゃん、えだこ
コース :
5月28日
室堂ターミナル(11:30)~雷鳥沢野営場(12:45)~劔御前小屋(14:40)~劔沢野営場(15:45)
5月29日
劔沢野営場(4:00)~長次郎谷出合(5:15)~熊ノ岩(6:45)~長次郎のコル(8:05)~劔岳(8:45)
~平蔵谷のコル(10:05)~平蔵谷出合(11:00)~劔沢小屋(12:15)~劔沢野営場(13:40)
5月30日
劔沢野営場(7:45)~室堂ターミナル(10:45)
5月28日 <記:えだこ>
劔岳はそこにあるのだ。登れない山だと決めかかっていたらいつまでたっても登れる山ではない(劔岳 点の記 文中より)
私の好きな一文。
新田次郎の小説を読み、そして映画を見た時からずっと憧れを抱いていた山。そこは、登山家の多くが憧れをもつ山、劔岳!
昨年秋に行った、爺ヶ岳~五竜縦走、冬に行った唐松からみた劔岳の勇ましさに魅了されて、この気持ちを鈴鹿ハイでずっといい続けて今回、企画があがり連れていってもらえました。残雪期、測量隊の案内人である香川照之演じる宇治長次郎から名付けられたルート、長次郎谷からアタックできるなんて、最高!と期待膨らむ一方、クレバスや雪崩は大丈夫なのかなという心配もあり、不安要素が渦巻くなか当日を迎えました。
天気予報は1日目が良く、劔岳登頂予定の2日目は午前中までいいとのこと。しかし、1日目立山に到着した時の天気は予報に反して鈍より…先行きの天気が心配になりました。立山に一度も行ったこともなかったので、立山三山や奥大日、みかぐり池の景観を楽しみにしていたのに残念でした。しかし、曇天のおかげで沢山の雷鳥に出会いました。やっぱり雷鳥は可愛いなぁ!
曇天も、テン場に近くにつれ、回復してきました。そして目の前に憧れの劔岳が現れた時は言葉では表現できないものでした。
明日からは、天気は下り坂のため、劔岳の美しい景観も見納めかと思い、劔の光景を目に焼き付けました。
劔岳が目の前に見え、人が我々以外いないという最高のテント場で、ずみさん作の美味しい鍋をメンバーで囲み楽しい夜は更けていきました。
5月28日<記:やっさん>
今回は、2回目の長次郎谷。前回の天気は、1日目_雷雨(移動)、2日目_曇りのち雨(剱岳)、3日目_快晴(奥大日)。剱岳山頂はガスで周辺の景色は望めなかったので今回こそは、絶景を眺めたいと思い参加させて頂きました。
ただ、今回2回目ということもあり、前回は連れて行って頂いた状態でしたので、今回は「連れて行く」くらいの気持ちはありました。(まあ、最初は先頭でしたが、途中からはいつもの定位置でしたが(^_^;))
今回のプランは、1・3日目_移動、2日目_剱岳という剱岳メインの山行。1日目は昨年の雷雨と違い、曇り空でのスタートです。室堂では、この天気ならではの鳥、雷鳥のお出迎え。こういう天気でしか中々お目にかかれない貴重な鳥なのですが喜んでいいのやら複雑な気持ちです。
剣沢に向かう途中、最初は立山三山のピークは見えていませんでしたが、時間の経過とともに稜線まで眺めることが出来るほど好転。剣沢のテン場に到着する頃には、立山三山のピークのみでなく剱岳山頂まで見えるほどに。翌日に期待が持てます。
テントは残雪の上ではなく、診療所の前の乾いた地面に張ります。冷気から逃れ、心地よく寝られそうです。この日は翌日に備え、食事も早めに取り、就寝です、
~2日目・3日目に続く~
5月29日<記:えだこ>
勝負の2日目。天気は下り坂ということで、予定より早めの出発。 まだ、薄暗い中どんどん剣沢を下って行きます。雪がしまっていて、急勾配でも長次郎谷のとりつきまでは軽快に歩けました。
長次郎のとりつきで休憩をとり、次の休憩ポイントの熊の岩までワンピッチで登らなきゃならないとのこと。太陽もあがり、なかなかの晴天の中、急斜面をもくもくと登りました。
後で劔岳のガイドさんに聞いた話ですが、今回の雪渓のコンディションは最高だったみたいです。通りで凄く登りやすかったわけだ!
そうは、言ってもきつかった・・・そんな中、軽快に足を運んでスタスタ登っていくのはふみふみさん(>_<)さすがです。そのパワー源はどこからくるんでしょうか!本当に感心します。 熊の岩から眺めた、八峰、劔岳の頂、北アルプスの山並み、どの眺めも素晴らしく、ラストわずかな雪渓を歩く原動力になりました。 ようやく雪渓も終えたところで、最後の岩場。私、皆様にトップを譲って頂き、板さんのホローのもとピークに向かって一直線!自分の前にも上にも青い空しかないと思ったら、そこは憧れの劔岳の頂上でした。 天気にも恵まれ、剱岳の頂から眺めた景色は本当に素晴らしいものでした。頂上で十分すぎる程、絶景を堪能した後は、カニの横ばい、平蔵谷、剣沢とひたすら下山の道を辿りました。私は剣沢の登りでダウン。みんながすいすい行く中、私はマイペースでしか進めることができなくて、ダダをこねながらテン場までやっとのことで辿りつきました・・・皆様ご迷惑をお掛けしました。 私にとって、下山の剣沢雪渓が一番しんどかった・・・。出発の時は立山三山も行けるんじゃないかと思ってましたが、いやはや無理でした。まだまだ体力がないと実感。 天気の下り坂ピークもだいぶ遅れ、2日目のお昼にはテン場に戻ってこられたので本当にラッキーでした。もっちゃんの美味しいトマト鍋を囲み、みんなで剱岳登頂成功の祝杯をあげている頃には、雨は強く振り出してましたが、明日は帰るだけだから大丈夫だろうと思い、就寝の途につきました。 5月29日<記:やっさん>
いよいよ2日目の剱岳山行。今回こそは、山頂での絶景を期待します。早朝は、雲ひとつない好条件。これは期待できます。
剣沢雪渓を下り、長次郎谷出合に向かいます。向かう最中、下山のルート確認をしていたのですが、3名の人影を発見。私たちが下山に使う平蔵谷を登るパーティがいます。その登る人たちの先には、絶壁が崩れた跡があります。下山後のルーファイもチェックし先を急ぎます。(後にこの3人の方は同じ長次郎谷から登られていました)
長次郎谷出合に到着し朝食タイムです。各自 軽食をすませ、いよいよ登りのスタートです。前回は直登で辛かったので、今回は刻み足への負担を最小限にしながら登ります。ここも左右に落石跡が多数ある為、ルート取りを慎重に行います。
スローペースに我慢できなくなったふみふみさんは、いつものマイペースで先に行かれます。続いて、たろーさん。いつもの先行2人組がグイグイ登っていきます。
途中振り返ると、モルゲンロートの山々が綺麗にみえます。ふと下を振り向くとカメラに反応したえだちゃんがポーズを取っています。まだまだ、余裕がありそうです^^
(因みにこの企画は、えだちゃんからの強い要望から実行されたもの。どうなるやら)
更に先に進むと、前回 雪塊が落ちてきたポイントに到着です。今回は壁面にクレバスもなく落ちてくる心配はなさそうです。この辺りで先方を見上げると、熊の岩がみえてきます。でも、あれだったっけ?と思うくらい近く感じます。歩くと以外と遠いことを登っていく時、改めて記憶が蘇ってきました。(見えるけど遠い岩。まるで富士山の山頂のようです)
ここで再度振り返ると、余裕がありそうなもっちゃんとitaさん、そして余裕がなくなってきたえだちゃん、そして余裕がなさそうにみえる ずみさんがいます。同じパーティー内でも表情は様々です^^
これから先は更なる急登。一休みすることにします。 その間も常に動いていないと気がすまないitaさんは、近くの雪壁をピッケル(バイル?)で登る練習をしています。停まっていろと死んでしまうまるで、山のマグロのようですね(^_^;)
ここから先は、40°はあろう傾斜が続きます。最初はトラバースしながら登っているのですが途中から先頭のたろーさんが、直登に切り替えます。 直登フェチ(?)のたろーさんにはトラバースは合わないようです^^ 後続メンバーは、それに続き登っていきます。息を切らせながらも何とかコルに到着です。この時点でも素晴らしい景色が前方と後方に見え、左手には凄い岩場の八峰も全て見えています。(来年はここかな?)でも、ここで満足する訳にはいきません。ここからはアイゼンを外し、岩場を登ります。
今回のメンバーは全員沢登り経験者。思いのほかスムーズに登っていきます。妙義山でitaさんに鍛えられたえだちゃんも難なくこなしていきます。また、小柄なもっちゃん、ずみさんも一生懸命登っています。
山頂に到着すると思いのほか、人が沢山います。(山岳ガイド付の団体さんでした)ここでは、前回見られなかった後立山、白山など360°の大パノラマ。絶景が惜しみなく広がっており、希望が叶った瞬間です。
この絶景で既に気持ちは一杯ですが、お腹は空いていますので腹ごしらえをします。ここでたろーさんの奥さんからの差し入れのパウンドケーキ(?)が登場です。いつもにもまして豪華バージョンで、美味しく頂きました。
何時間でも居たい気持ちはありましたが、そろそろ下山です。再度、記憶と記録に残し、惜しみつつも下山を開始します。 前回も思ったのですが、この下山、岩場の中でも難易度が高いと思うのです。 先程登りに使った長次郎谷より難しいと思います。 現に、沢登りのスペシャリストのたろーさんでも意外に苦戦していました。
下山路は、先行グループの方がゆっくり降りられていたので渋滞気味です。そのせいか、前回はガスで見えなかったところも、今回は晴れている為、くっきり下がみえます。高所恐怖症の私には、辛い瞬間です(^_^;)恐る恐るカニの横ばいを通過し、今度は平蔵谷を下降します。
コルで再度、アイゼンを装着し下山開始です。ここの傾斜は、先日の穴毛谷のトレーニングもあり、然程怖くはありませんでした。(今回の私の目的の一つ、この谷を下ること。難なく達成です^^)
朝、見上げた崩落地帯も慎重に越え、ようやく剣沢雪渓に戻ってきました。ここからは、最後の登りが待っています。 しかも、行きに1時間掛かったルートです。気長にいくしかありませんが、しかし長い。長すぎる。飽きてしまいます。
案の定、えだちゃんは だだを捏ねてなかなか登ってきません。いつもなら、宥めて私が行くのですが、これはえだちゃんを成長させる手段だと思いグッとこらえます。しかし、見かねたitaさんが結果的にフォローに行くことに。えだちゃんこういうコースもあるんだよ。
他のメンバーは流石、大人です。忍耐強く登っていきます。(それともただのMなのか?)やっとこさで、剣沢小屋に到着です。 到着し まずすることは勿論、炭酸の補給です。喉を炭酸が通るときのシュワっという爽快感は、何度味わっても堪りません^^最終組も揃い、談笑をした後、テン場に戻ります。
ここから夕方までは、各自自由行動です。itaさん以外は全員お昼ねタイム。こんなまったりした登山は久しぶりです。 itaさんはというと、1人雪渓斜面に向かって自分をいじめまくって、ではなく雪渓歩きを満喫されていました。(体力あるな~と改めて関心しました)
5月28日夜~29日<記:えだこ>
真夜中、目が覚めたら目の前にテントが覆い被さっていて、えっまさか、テントが潰れたのではないかと思いましたが、強風と雨でテントがひどくたなびいているだけでした。
でもテントがいつ潰れるか心配で内側からみんなで手で押さえてました。あ~、もう眠れないと思ったけれど、いつの間にか少し眠ったようで自分の神経の図太さを感じました。
朝、明るくなってテント内を見ると、端だったもっちゃんのマットは、ほぼ浸水していて、靴は前室に置いてあったんですが、見事にずぶぬれでぐしょぐしょでした。最後の最後でまさかこんな事態になるとは思わなかったけれど、みんな無事に下山できたので今となっては、とても良い思い出となりました。
企画してくださったリーダーをはじめ、参加されたメンバーのみなさんには大変お世話になりました。ありがとうございました。
<記:やっさん>
今回は、2日目の剱岳は終始晴れており、絶景を眺めることができ大変満足しています。これ程の好条件での山行を経験してしまうと、次に参加したくなくなってしまいます(^_^;)
今度いく機会があるときも、今回と同じくらいの好条件で望みたいです。
企画して頂いたたろーさん始め、食担で美味しい食事を提供して頂いたふみふみさん、もっちゃん、ずみさんありがとうございました。 また、ご一緒させて頂いた皆さん楽しいひと時をありがとうございました。 やはり、山はいいですね^^
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