
<メンバー>
たろー、ふみふみ、なべちゃん、りー
<コース>
○1日目
大場ゲート(6:45)~取水施設(7:00)~二俣(8:20)~三つ釜(10:45)~昼食~千倉沢(11:45)~清水谷出合(16:20)~三ノ沢橋(17:45)~泊地(17:55)
○2日目
泊地(8:40)~ジャングル林道~小松原湿原登山口(11:30)~大場ゲート(13:15)
梅雨明け以降、天気の良い日が続いているので。兼ねてから行きたかった清津川の釜川へ遠征してきました。
メンバーからは遠いとの不安の声もありましたが、遠征するだけの価値がある沢だとアピールを続け、決行にこぎつけます。最初の難関、片道5時間の移動は交代で運転する事でクリア。朝6時には大場ゲートに到着しました。
付近は工事をしていましたが、土日はお休みとの事なので空き地に車を停め、出発の準備。心配していたメジロアブの攻撃はありませんでした。踏み跡を15分も下ると取水堰堤に降り立ちます。

我々と同じタイミングで東京からの二人組が出発するところでした。さすが全国から沢屋がやってくる人気の沢ですね(それでも二人でしたが・・)。

朝からの泳ぎは心臓に悪いので最初の瀞場は左岸から巻きます。水の色は何だか緑茶のような感じ。清流と聞いていたのにおかしいな?


巨岩帯を1時間余り歩くと二俣に到着。ここから右俣の方へ入っていきます。谷はゴルジュ状になっていて、泳ぎやちょっとした登攀が出てきます。ここはロープを出して超えて行きます。



長い瀞場が現れ、その向こうが何だか開けてきました。いよいよアレか?瀞場は頑張って泳ぎます。


瀞場を過ぎると谷が急に狭まり、細い水路状に集約されます。いわゆる「ひとまたぎ」。今回は水量も少ないみたいで、スムーズに抜ける事が出来ました。リーちゃん、渾身のへつり(動画参照)。

ひとまたぎを越えると視界が一気に広がります。左岸のスラブをヒタヒタと進むと三ツ釜大滝。谷幅いっぱいに白布のような滝が流れています。写真で見るより実物のほうが何倍も立派だ。


三つ釜大滝は左岸のリッジを登って灌木帯まで。なべちゃんにロープを引いて行ってもらいます。手掛かりさえあれば簡単に登れました。灌木帯から更に登ってヤド沢を渡って滝上に出ます。ここで昼食休憩。釜で泳いでみましたが底が見えないのでちょっと怖い感じ。


三ツ釜のすぐ上も癒しのナメが続きますが、ほどなく滝がいくつも現れます。これがなかなか一筋縄では行かない滝たちで少々テクニカル。最初の2段6mは右岸のルンゼから巻。下部が少しいやらしかったので、空身で登って荷上げ。


その次の8m滝は右岸をトラバースしてから滝の左側を登ります。ここもそれほど難しくはありませんが、トラバースから一歩踏み出す所が緊張しました。ここも後続の為にロープを出します。

次の斜瀑も右岸をロープを出して登ります。まあ無くても行けるかな?って感じですが、念の為。熟練メンバーだけならフリーでどんどん行けるかもしれませんが、この辺の判断がなかなか難しい沢でした。

で、核心の清水谷出合手前の12m滝。誤ってルート手前のルンゼを登って行き詰まり出直す羽目に・・。正しいルートも泥で滑っていやらしいのでここでもロープを出します。そうこうしていると雷がゴロゴロなり雨もぽつぽつ降りだし流石に焦ってきました。おまけに後続を確保している時にヌカカの大群にたかられてあちこち刺されてしまいました。辛い・・。

何とか全員登りきり、懸垂で谷に戻ると時間は16時を回っていました。少し慎重に行き過ぎたかな・・。三ノ沢橋まであ最後の力を振り絞って歩いて行きます。大釜の2条12mは右岸から簡単に巻けました。


清水沢出合から1時間と少しでようやく三ノ沢橋に到着しました。橋の下のテン場は先客が既にタープを張っていたので、少し先の河原に泊地を求めタープを張ります。

時間は既に18:00・・。辺りは薄暗くなってきてガスも降りてきました。4人で手分けして急いで薪を集め、焚火が着くとようやく落ち着いてきました。
なべちゃんが暗い中、アマゴを一匹つり上げ、ふみふみさんは食べれない位のおつまみを作り始めます。お腹がいっぱいになり、服も乾いてくると昼間のしんどかった遡行も笑い話に変わりました。
宴会中ふと見ると、りーちゃんの瞼がどんどんはれ上がってきました。どうもヌカカにやられたようです。私も首回りを刺されて顎の下がはれ上がってきました。でも酔っぱらってるし、この時は、まいいかって感じで寝てしまいました。

ところが、朝起きるとりーちゃんはKO負けしたボクサーのように左瞼がはれ上がり、目が明けられず、視界が狭い状態に。このままでの遡行は危ないし、ここから先は見どころも少ない、そして帰りの運転も長いという事で、今日は遡行は打ち切り、林道で下山する事にします。そうと決まったら2度寝をしたり、焚火を囲んでまったり沢の朝を楽しみます。

ゆっくり準備をして8時40分出発。帰路の林道はジャングルのようになっていて思うように歩けず、特に背の高いなべちゃんは蔦に絡まって苦戦していました。



それでも何とか歩いているうちに藪は薄くなり、ヤド沢が見えてくると普通に歩けるようになりました。

小松原湿原の登山口からは車も走れる普通の林道。疲れた足を引きずりつつ何とかお昼過ぎには大場ゲートに到着、お疲れ様でした。

近くの温泉で汗を流したら、再びロングドライブ。運転を交代しながら名古屋まで戻ってきました。
釜川右俣は噂に違ず美しく、そして手強く、愛知から片道5時間かけて行く価値ありの素晴らしい沢でした。しかし、いかんせん慎重に行き過ぎ、遡行に時間を掛け過ぎてしまい、ゆっくり楽しむ余裕がなかったのが悔やまれます。この辺の兼ね合いは中々難しいです。初見の沢では色々と考えながら遡行しないといけないなあと思いました。
同行していただいた皆さん、ありがとうございました。また行きましょう。
記)たろー
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