大峰 前鬼川から孔雀又谷右俣 2021.08.10~11

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緊張の渡渉


<メンバー>
たろー、ふみふみ、りー

<コース:1日目>
前鬼川林道ゲート(7:05)~2段10m滝(7:45)~垢離取場(10:10)~深仙又谷出合(11:10)~孔雀又左俣出合(13:10)~アメシ谷出合(13:50)~Ca110m・泊地(15:10)


 入念に準備し、渡渉訓練や沢泊を繰り返し臨んだ「黒部川上ノ廊下」。しかし、台風3つの同時発生で北アルプス遠征は断念。結局、唯一の晴れ間が期待出来そうな10-11日の2日間で大峰の前鬼川孔雀又谷に行くことにしました。メンバーもがくっと減って3名に・・。

 前夜泊地の道の駅を5時過ぎに出発し、前鬼林道ゲート前には6時半到着。駐車場争奪戦になっているかと思いましたが、停まっている車は1台のみ。早速、沢装備に身を固め、黒谷から入渓します。

 前鬼川は台風の影響か水量が多く、癒し渓とは言い難い雰囲気。10m滝も釜の底が透けて見えるいつもの前鬼ブルーでは無く、ホワイトウォーター渦巻く洗濯機状態。滝の上もロープを出して緊張の渡渉です。

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何だか水量多い?

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激流なんですけど

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とても泳げない

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滝上の渡渉も緊張します

 白波の立つ滑ゾーンを超え、三重滝との出合は岩壁をトラバースして通過します。箱状廊下を見ながら湧水地帯を超えると日帰りコースのゴール、垢離取場に到着です。水量が多く河原がほとんど水没していて何だか別の場所みたい。

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普段は癒しのナメなんだけど

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日差しが出てきた

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不動滝(三重滝)

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いつもより青くない

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箱状廊下

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スクラム渡渉

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垢離取場(水位が高い~)

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窮屈なアングルで記念撮影

 まだ10時なので先に進みます。すぐ上の2段6mのヒョングリ滝も手が付けられない水量だったので左から巻き。谷は水量が多い巨岩帯で苦戦は必至だったので左岸の杣道で距離を稼ぎます。深仙又谷出合まではほぼ濡れずに進めました。

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こりゃ水線無理だね

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左から巻いて懸垂下降

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巨岩が面倒そうなので

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左岸の杣道を歩きます

 出合からは再び水線を進みます。白い岩のこの谷はとても明るく、この頃から日の光が差し込んできて気分も上々。大きな滝もなく、時折現れるナメに癒されます。ただ、巨岩の乗越しは疲れました。

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岩が白くて明るい谷

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滑もあります

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左から簡単に越える

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水位は腰上位

 孔雀又谷の左又と出合う直前に昔の植林小屋がありました。泊適地とありますが、植林であまり雰囲気が良くないので先に進みます。

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植林小屋跡

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頭上に五百羅漢が見える

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岩の乗越が大変

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羽化したばかりの蜻蛉

 アメシ谷出合あたりから泊適地を探しながら進んでいくと段差のついた20m程の滝。右岸のルンゼから巻きあがります。

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段差のついた20m滝 右岸巻き

 ルンゼを登り、トラバースしながら小尾根を乗り越えると泊まるのに快適そうな疎林の台地が現れました。焚火の跡もあり、薪も豊富そう。今日の行動はここまでとします。

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泊適地

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今日もタープ泊

 タープを張って薪を集め、焚火に火が付いたらご飯を炊いて夕食の準備。今日の献立はケイちゃん丼にワカメスープ。

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ふみふみさん、特製の晩御飯

 すぐ上流に大きな滝があり、常に風が吹いて少し寒い位でしたが概ね快適な夜を過ごせました。いろいろあったけど沢泊に来られて本当に良かったなあ。


<コース:2日目>
Ca1110m・泊地(7:00)~孔雀岳(10:05)~釈迦ヶ岳(11:45~12:10)~深仙ノ宿(13:00)~大日岳・行場(13:25~13:55)~太古の辻(14:05)~二つ岩(15:00)~小仲坊(16:10)~前鬼林道ゲート(16:45)


 2日目は長丁場。朝一でいきなり大きな滝の巻きになります。まだ起きていない体に鞭を打って右岸から巻き。ルンゼは岩屑がたまり少し立っていたので手前の小尾根から上がり、ルンゼ上部を横断する形で巻きました。グズグズが少しいやらしい。

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25m滝 右岸巻き

 滝の上はすぐに平流ですぐにゴーロになります。右岸を適当に歩いていると杣道の先にドラム缶や風呂釜が放置されていました。飯場跡でもあったのでしょうか。こんな山奥に住み込んでの山仕事はどんな風だったのだろう・・。この辺りまで来ると水流もかなり細くなってきます。

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まだ水量豊富

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標高1230m飯場跡

 両側を大岩に挟まれた門の様な滝を巻くと水の涸れた多段30m滝が現れます。ここはフリクションもよく快適にに登って行きます。

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石門?

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多段30mは涸れていた

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登りは容易

 30m滝を超えると風景が一変します。崩壊した斜面から転がり落ちてきた岩屑で谷が埋められていました。水も伏流してしまいすっかり殺風景に。浮き石に注意しながら進みます。

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崩壊地が続く

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大規模な山抜け

 やがて遠くに細い水流が見え始めました。多段40mでしょうか。近づいてみると思ったよりも傾斜はゆるく、ホールドスタンスも豊富だったのでロープを出さず水流左を登りました。

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多段40m?

 更にその上も小滝が続きます。水がほぼ涸れてきたので左の斜面に取りつき、草付きを登ります。

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登りは快適

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源流を詰めて

 草付き斜面は鹿道を拾いながら高度を上げます。藪に遮られる事もなく白川又川との中間尾根に、そしてすぐに孔雀岳北側の大峰奥駈道にたどり着きました。

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トウヒの森を抜けて稜線へ

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奥駈道に出た

 孔雀岳の手前で小休止した後は釈迦ヶ岳へ。ここは3年前の秋に歩いた懐かしい場所。あの時もアップダウンが多くてきつかったなあ。

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釈迦ヶ岳を目指す

 急登でヘロヘロになりましたが、幸い、空は曇天で暑くは無く昼前に釈迦ヶ岳に到着。昼食にします。

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モアイ岩

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馬の背

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釈迦ヶ岳

 ここ迄でずいぶんへばってしまいましたが、せっかくなので大日岳の行場も登ってみます。鎖しか手掛かりの無い箇所もありますが、沢靴のフリクションが良いので前回よりも簡単に感じました。

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深仙ノ宿

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大日岳(行場)へ立ち寄ります

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鎖が無ければ厳しいかも

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鎖を奉納した人の名前かな

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大日岳

 あとは太古の辻から前鬼までの長~い下り。ガクガクする膝をなだめながらなんとか小仲坊にたどり着きました。

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太古の辻

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二つ岩

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宿坊跡

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こちらは現役の宿坊

 小仲坊からは林道を歩いてゲートまで。暗くなる前にたどり着けました。思ったより遅くなってしまったので、温泉にもよらず帰名。お疲れ様でした。

 天気に翻弄されたお盆沢遠征。1泊2日になってしまいましたが、未踏の沢を歩くのはやっぱり楽しかった。同行していただいた、ふみふみさん、りーちゃん、、ありがとうございました。

記)たろー

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