台高 堂倉谷 沢登り 2025.09.14-15

台高の美渓へ

<メンバー>
たろー(L)、たばっち、こうじ、ユウ、みきてぃ、カツ、チサ(一般)、かなやん(記)

 <コース1日目>
大台ケ原P(8:10)~日出ヶ岳(8:50)~堂倉小屋(10:35)~堂倉滝下(11:30)~堂倉滝上(12:30)~アザミ谷出合(16:00)~奥七つ釜(16:35)~林道上(17:40)~地池林道上・泊(18:20)

<コース2日目>
泊地(7:35)~入渓(8:15)~2段30m滝・昼食(11:35)~Ca1400m(15:30)~尾鷲道(15:40)~尾鷲辻(16:20)~大台ケ原P(17:05)


沢登りって帰ってからの洗濯が大変ですね。毎日の洗濯は主人がしてくれるかなやんです。

つい先日、「最近、沢ばっかりやな!」と文句を言われてしまいました。物干し場が沢道具で占領されるのがご不満な様子。これが家庭内不和に発展するのか?・・・ガクブルです。

 さて三連休は、たばっち&たろーさん合同企画で福島遠征のはずでしたが、お天気いまいちで中止。たばっちが代替案で台高・大杉谷の上流の堂倉谷の沢泊を企画してくれました。

 まだ初心者の私は2日間も登り切れるのだろうかと不安でしたが、「堂倉谷は、沢のユニバーサルスタジオジャパン!」というたばっちの触れ込みに感化されて挑んでみる気になりました。いつもたばっちの企画力、情報収集力、遊び心あふれるプラン立案には関心します。

みきてぃも同じく不安だったようで、「私でも参加OK?」とたばっちに聞くと、「フォローするから大丈夫!(たろーさんが)」と。たばっちとちゃうんかい!(笑)

たろーさんは今回で8回目だそうで大船に乗ったつもりで、いえいえ、迷惑をかけないように気持ちを引き締めていざ! 

朝7時半に大台ケ原のビジターセンターPに着くと、さすが人気のお山(観光地)ですね。危なかった~!溢れんばかりの車でラスト2台でギリギリセーフ!

車でぎっしりの大台ヶ原駐車場

大台ケ原の朝の空気はひんやりとして心地よく、お天気は雲多めながらもまずまずです。サクッと日出ヶ岳に登頂して大台ケ原が初めてのメンバーも百名山のピークをゲット!熊野灘を見下ろしながら最初の滝、堂倉滝へはここから登山道を2時間15分下って行きます。

おそろい
熊野灘を見下ろす
展望台
やったー100名山ゲット
ここから下って行く

 涼しかったのもつかの間で、標高が下がるにつれ汗がポタポタと滴り落ち、堂倉小屋を過ぎて急な下りが結構膝に来たころにやっと吊り橋が見えて巨大な滝つぼを持つ落差20mの堂倉滝が現れました。大杉谷から登ってくると、一般登山道ではこの滝が最奥の滝。私は以前大杉谷は通り抜けたことがあるので堂倉滝に会っても特別感動はなかったですが、今回は普通なら見られないその先、未知なる世界へ行けるのですからワクワクです。

最初は涼しかった
こんな難所もある

 

堂倉小屋
急降下にげんなり
堂倉滝

吊り橋手前で沢装備を装着。次の橋のたもとの作業道から少し登るとモノレールがあり、その下のガレガレの急斜面を残置ロープを掴みながら激下りしました。たろーさんの「石を落とすな!」という声が響きます。

ここから巻き道へ
ここから沢へ降りる

 下りた先は堂倉滝の落ち口の上で、目の前には美しいナメ滝が広がり景色一変!なんて素晴らしいんでしょう!ここまで暑かったこともあり、また出だしでモタついて時間はかなり押しているけれども、皆すでにお疲れでちょっと一休み。「疲れた~!」というと、たろーさんが「まだ入渓してないやん」って。(笑)

沢に降り立ちました
堂倉滝落ち口(今回はザック流さなかったよ)
絶景

 まず最初のナメで足の置き方を教えてもらいます。「茶色くなってるとこは滑るよ。足の裏全部をつけて歩くとすべらない」と。この足の裏全部を使うことと重心移動のバランス、指先の地面を感じる力等が、今、私には一番必要なスキルだと思っていて、もう気持ちはタコになりたい!吸盤ください!

足をぺたーって置くんや
見事な滝

 一日目は渓相の美しいナメやダイナミックな滝、透き通ったエメラルドグリーンの美しい淵が次々と現れて、一つクリアする度におお~!っと声を上げたくなります。フリーで登るとこもあるけれど、ロープ出す度に初心者の私たちはモタモタしているのでやたら時間がかかって迷惑をかけてしまいました。

念の為ロープを出す
これは右から巻き
イエェーイ
エメラルドグリーン
水線を攻める
元気なみきてぃー

10m斜滝では右側からロープを掴んでトラバースしましたが、足元はヌメリが酷くて結構怖い。遂にたばっちが足を滑らせて耐え切れずにウォータースライダーでドボン!怪我がなくて良かったですが、どうもショートパンツのお尻が破れたみたい。

10m斜瀑(ここでもロープを出す)
この後、滑ってドボン

 その上は川幅が狭くなり雰囲気が変わって連瀑帯です。岩の造形が美しく歩いていて楽しい!岩のフリクションはバッチリ効いて安心して進めました。一ヶ所懸垂下降が必要なところがあり、下からたろーさんが誘導してくれるのですが、私は利き手と逆の方にロープを持ってしまって力が入れづらくてモタついてしまいました。情けない。

ちょっとゴルジュっぽくなってきた
懸垂下降

 進んでいくと焚き火の匂いがしてきました。砂地の河原が中洲のようにあり、そこがキャンプ適地のアザミ谷出合でしたが既に他のパーティが2組いて先に進むしかありません。ここからは大岩ゾーン。時間が押していることもあり、進めるところは進んで行ってと言われたけど、進んだ先が落差が大きく下りられないとこだったらどうしようとか不安で、ルーファイって難しいんだな、先頭行くリーダーはやっぱりすごい!と思いました。

ルーファイは難しいね
門のような岩

 そして1日目のファイナルスポット奥七つ釜にやって来ました。手前にツルツルの斜面があり、そこを下るのにまた一苦労。奥七つ釜は大きなポットホールのある滝でとても美しい滝でした。もっと時間が早ければここで飛び込んだりして遊ぶのだけど、今日は2時間も遅れているからねと皆で記念写真を撮ってから先を急ぎます。

七つ釜へ
巨大ポットホール
吸い込まれそう
集合写真
ハート

ハート型?のポットホールを「きれい~!」と言いながら過ぎると、もう一箇所ツルツルの斜瀑があり、また肩がらみでロープを出してもらいました。あとは適当な斜面を見つけて林道まで這い上がり何とか陽のあるうちに脱渓することが出来ました。

ツルツル斜瀑
ロープ出す

 林道をてくてく歩くと廃屋の営林小屋があり、Ca1023mの地池谷出合の水場でたっぷり岩清水を汲みました。河原に1組、少し進んだ林道に東京からお見えの3名の女性パーティありで、もう少し進んだ先の林道にタープを張りました。ヘッデン点けて焚き木を集め1人1合のお米を回収。みきてぃが1合以上を持って来て、たろーさんに「水量が測れんやないかぁ~!!」とド叱られました。沢山あったらお代わりも出来るし、いいと思うよね。

林道に上がる(ほっ)
営林小屋はボロボロ
堂倉若水で水補給

 「今回はレトルトでもいいから。後、おつまみ程度でOK」とのお達しで、私は調理はやめてカレーパウチと乾き物程度を持参しました。するとやっぱり皆は色々持っていて、バジルの豆サラダやジャーマンポテト、肉とモヤシの炒め物、〆はユウさんの特製タコの燻製がウマウマ~でご馳走いっぱい、お腹もいっぱい!

やっぱり沢はこれだね
シンプルだけどうまい
4時間で絶品の燻製になっていました

 私は前回タープで寝たので、今回は焚き火の側に陣取りました。ぽかぽかと伝わってくる心地良い火の暖かさ、星を見上げながら寝られるなんて、なんて幸せなんだろう。ウトウトしては目が覚めてあまり寝られませんでしたが、みきてぃが朝からフレッシュトマト入りのおいしいトルティーヤを皆に振舞ってくれてエナジーチャージ!2日目も元気に歩けそうです。

トルティーヤを作るみきてぃー
むっちゃ美味かった(マジで)

 焚き火の後を綺麗に片付けて出発。ミネコシ谷を越えた辺りから入渓すると最初は広河原で穏やかでしたが、プチゴルジュで朝のひと泳ぎをしたら頭シャキーン!

最初は林道歩き
沢に降りる
今日もきれい
堰堤を超える
河原
プチゴルジュ
目覚めの泳ぎ
谷が狭まってくると

その先は昨日とは打って代わって激登りが待っていました。連瀑帯の小滝を水をバシャバシャ浴びながら登って行くと、10m滝はロープを出して右側の乾いた所を登りました。進むにつれ流木が滝の上にあったり大岩が続いていて、段々と険しさを増してきました。

激登りスタート
ガンガン滝を登る
倒木を潜ったり
狭いところ登る
右から登る
一本釣り

 するとここで2段30m滝の登場。もうお昼前なのでここで昼食を取っていると、後ろから2人組の別パーティがやって来て、ハーケン打って直登ラインに取り付きました。見上げる滝は迫力があって眺めていると私は段々キンチョーして来ました。長い間休憩していたので、寒くて左腕が神経痛のようにシクシクと痛み出し、耐えられなくなってカッパの上着からウエットスーツに着替えました。沢は楽しいけれど、寒がりの私はここが辛いとこです。

本日のメインイベント

我々パーティは右のクラックから登ると、あれ?そんなに難しくなかったわ。しかしその上のツルツル滑る流木が怖い!ビレイしてくれてるユウさんに「ロープ掴まってもいい?」と聞くと「いいよ!大丈夫!」と。沢は皆が優しくしてくれるので、いつも心が暖かくなります。

右のクラックから登る
倒木を支点に

 最後の難所、トイ状の滝は左側から行きましたが、途中がヌメっていて怖い!スリング頼りに水線上に立つと最後は頭の高さを越える大岩で、流木が鳥の巣のように積み重なっています。右の壁はツルツルでステミングも効きそうにないし、流木にしがみつき腕力勝負で登りました。たろーさんは7人全員をひっぱり上げてヘトヘトです。8回目で一番疲れたそうです。

最後の難関
最後に倒木が詰まっている
引っ張り上げるのは大変
過去一疲れたよ

 後はいやしのナメ沢を歩き堂倉山のコルから登山道に乗り尾鷲辻へ。ハードでアスレチックな滝登りも楽しみ、穏やかな夕日射す大台の森をハイキングも出来る。なんとバラエティに富んだ素敵なコースでしょう!正にここはユニバーサルジャパン!しかし登山道は2日目行程の1/3はあり、よっぽどトボトボ歩いていたのでしょう、観光客の人にも追い越されて、2時間遅れで大台ケ原駐車場に到着。

癒しの森
登山道を目指す
終わった~(沢は)
夕日の大台ヶ原
ゴール

沢靴の中敷き忘れ組、かかと靴擦れ組、たろーさんも靴底剥がれ組と、小さなトラブルを抱えながらも皆無事に歩き切りました。初心者多くて引率のたろーさんはさぞ大変だったことでしょう。これに懲りずにまたよろしくお願いします。重いロープやタープを担いでくれたり優しくしてくれた鈴ハイの皆、有難う~!

記)かなやん